32 寒い
――園遊会、ダルすぎるっ!!
と、レイレイが思っていたのも束の間、あっという間に園遊会当日になってしまった。
ったく、なんでこんなクソだるい会に出なきゃいけないんだよと、愚痴をこぼすレイレイ。それに、だ。野外で行うこの会はとてつもなく寒い。寒すぎて、滅だ。
「うわあ、寒い。私、寒いの嫌なんだよ」
「文句言うんじゃないわ、レイレイ」
「はい…ごめんなさい」
とまあ、レイレイの隣にいるのは、いつにも増して真面目な感じの侍女・ランラン。流石はコウリン妃の侍女頭である彼女だ。紅玉宮の基本カラーである紅い衣を身に纏い、凛とした立ち振る舞いである。
それに比べて、レイレイはというと、寒いのを我慢するのに必死だ。彼女は痩せ型だからってのもあるが、ホントに寒いのが苦手なようだ。まあ、ランランも同様に痩せ型なのでこれは彼女の言い訳なのだが。
「そういえば…コウリン妃は寒くないのだろうか??」
ふと、レイレイは自分の主である妃のことが気になるよう。珍しく他人に気配りができるようになったじゃねぇか、レイレイよ。と、この寒がりを褒めるのはそこまでにしておこう。なにせ、侍女なのだから、自身の主の様態を気にするのは当然のことである。
って、そんなことはさておき、ホントにコウリン妃は今どこにいるのだろう。すると――、
「あら、レイレイ…随分と嫌そうな顔をしているのね」
「…ごきげんよう、コウリン様」
おっと。噂をすれば、超絶美少女様の登場である。いつも可愛いこのロリ妃だが、今日は華麗なる園遊会だ。いつにも増してフリルが多く着いたゴージャスで可愛らしい衣を身に纏っている。それに、だ。分厚い衣を着ているんだってのに、彼女のそのたわわってのは依然として目立っている。
って、またエッな話をするでない、作者よ。
「にしても、寒いわね…」
「やはり、コウリン様もそう思いますか」
「ええ…。それに、衣装はすごーく可愛いのだけれど、いつもより肩こりがすごいのよ…」
「そっ…そうなんですね」
コウリン妃もレイレイ同様、寒いらしい。ったく、なんで寒いのに野外で園遊会をやらなきゃいけないんだよと、レイレイはまたも文句を垂れ流すが、いやはやこれにも理由ってのがある。
なにせ、園遊会はこの間も言ったが、いつ何時危険なことが起きるか分からない現場だ。すぐに逃げれるように外でやるってのが定説である。
それに――、レイレイにはまだ気になることがあった。




