26 感覚過敏
女官の水死体がただの溺死ではなく、入浴剤によって生じた感覚過敏によるアトピー性皮膚炎が原因でないかと推理したレイレイ。早速、彼女はコウリン妃に頼み、後宮内の女官の詳細が書かれたリストを用意してもらい、死んだ女官が本当にアレルギー持ちなのか、確認する。
「やはり、だ。この女官――フロウさんはアレルギー持ちで間違いない」
「なるほど…では、アレルギー持ちであると分かっている彼女が、命の危険があるにもかかわらず、入浴剤が使われているお風呂に誤って入ってしまうというのは、おかしいな」
「そうです…だから、この事件はやはり殺人で間違いないかと」
リストから女官――フロウがアレルギー持ちであると分かったレイレイは、この女官が入浴剤による過敏なアレルギー反応で死んだこと、彼女が何者かに殺害されたことを断定した。
そして、早速。レイレイとコウリン妃は、女官殺し事件の犯人探しに取り掛かる。
「しかし…アトピー性皮膚炎は気を付けていれば直接的に死因となることは稀なのだ。そうした側面から見ても、この事件は殺人であると根拠が強まる」
「なるほど…さすがはレイレイ。知識が豊富ね」
コウリン妃に褒められ、やや照れるレイレイ。だが、知識だけで推測してもしょうがない。なにせ、この事件――犯人を断定することがかなり難しい。なぜなら、以前の手習い所の事件とは違い、入浴剤による殺害は犯人が直接的に手を下したわけではないので、指紋だとかの証拠が手に入らない。
入浴剤の入っていた使い捨ての袋なんぞが手に入れば早いもんだが、そんなものきっと犯人がすぐに処分しているに違いないだろう。さすれば、入浴剤をバラまいた犯人自身に証拠があると考えるしか――、
「とっ、その手があるじゃねぇか…」
「レイレイ…何か、思いついたようね」
「ああ…。死体発見当時に湯殿にいた女官やら下女やらをココに集めてくれ」
「りょっ」
とまあ、流石は名探偵。悩むどころか、すぐさま何か根拠を見つけたようだ。レイレイに頼まれたコウリン妃は早速、現場に居合わせていた犯人候補――三人の女官、下女を連れ集めてきた。
「この中に、女官殺しの犯人がいるっ」
――果たして、犯人は誰だっ?!




