24 目標
コウリン妃が人工心臓を持っている以上、彼女の身の回りには不幸が押し寄せてくる――最低で最悪のデメリットを聞いたレイレイは、端からコウリン妃が自身を守るために薬の知識がある自分を侍女にしたのだと、全てを察する。こうして、今までのことが繋がった気がした。
やけにテンポ良く起きる後宮内での不可解な女官殺害事件――これももしかしたら、コウリン妃の不幸体質が関係しているのかもしれない。いや、これは考えすぎかと、レイレイはまだ決めつけるのは早いと、そう感じた。だが、以前とは違い、彼女の中で目標が定まった気はしていた。
いつものふざけた顔ではない。きりっとした表情で、レイレイは言う。
「コウリン様」
「レイレイ…」
「私、決めました。私はコウリン様を全力でお守り致します」
「…レイレイ。貴方、心強いわ」
そう――この小説、始まってからずっと、レイレイはただ後宮に売り飛ばされ、早く後宮から出たいだとか、退屈な下女生活から逃げ出したいだとか、曖昧で暗い目標を持つだけのクソつまらん主人公だった。だが、今の彼女は違う――。
そう――ちゃんと彼女には主人公たる目標がある。それでこそ、物語の主人公ってヤツじゃねぇか。だってさ、なんで炭〇郎がカッコよく思えるか分かるか? 彼には妹を救うって信念があって戦ってるからだよ。それでさ、このレイレイもまた、コウリン様を守るっていう信念を持ってたらさ――、
カッコよくねえか??
と、いう訳で、だ。このレイレイ、二十四話にしてやっと目標を手に入れた。こうして、やっと湯殿で起きた女官殺害事件の解決にも専念できる。いや、やっとかよ!! と思うかもしれないが、そそ、やっと、だ。




