23 最低で最悪のデメリット
ったく、今は湯殿編だってのに、湯殿での女官殺害事件の話が進むどころか、前のその前の回からずっとコウリン妃の過去だけで話を割いてしまっていいのだろうかと、作者は焦っていた。
だが、この二十三話でも残念ながらまだコウリン妃の話の続きをしなければならない。すまぬ。
「コウリン様が人工心臓を持っているのだと、その理由は分かりましたが…それでなにかデメリットなどはあるのでしょうか?」
「鋭い質問。さすがはレイレイね」
うつ伏せになったコウリン妃の小さい背中をマッサージしながら、レイレイは彼女の話を聞いていた。ところで、レイレイと一緒にいた下女・セイランはというと、湯殿にいた別の女官のマッサージに専念しているらしい。とまあ、それはさておき――、
「人工心臓にはデメリットがある。それは私の周りに不幸を呼び寄せてしまうという、最低で最悪のデメリットよ」
「なんとっ!! それは確かに最悪ですな」
とまあ、「ですな」なんて急にヲタク口調になるじゃねぇか、レイレイよ。と、ツッコミはさておき、トンだ不幸体質がこのロリ妃に宿ってしまっているという衝撃の事実を知り、レイレイはまたも戸惑う。
なるほど、な――とはつくづく思う。まあ、禁術を使って復活した生命なのだ。デメリットの一つや二つあってもおかしくはないのだが、彼女の周りに不幸が理不尽にやって来るとは、物語としては面白くなるのかもしれないが、ホントに最悪すぎるデメリットてヤツだ。
とまあ、語りすぎた。ただ、不幸がやってくるという設定はベ〇セルクのガッ〇が刻印を付けられたために魔物に襲われたりしちゃったり、呪〇の虎〇が両面宿〇の指を食ったために、周囲に呪霊を引き寄せたりしちゃったりと、そういう感じのベタでベタすぎるものなのかもしれない。
とまあ、この上記の例で伝わるかどうかはこの小説を読んでる読者のヲタク度次第によるのだが、要するにここで言いたいのは、そうだ――このコウリン妃という人もまた、この大変な運命に人生を振り回された哀れなキャラってことである。
「コウリン様の身にはイヤでも不幸が襲ってくる、と…」
「そそ。だから、薬の知識があるレイレイ――貴方の力が必要な訳なのよ」
「って、急にはいっ?!」
って、ここで急にコウリン妃がなんかカッコいいことを言うもんだから、レイレイは動揺した。が、彼女はすぐにコウリン妃が言わんとしていることを理解したのだった。
「なるほど。コウリン様が私を最初に必要としたのも、貴方の不幸をこの私が守るため。そういう理屈なのですね」
「そそ。貴方は私の騎士様なのよ、レイレイ」




