↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/57

20 秘密

 ここ――後宮には、四人の妃(きさき)が住んでいる。


 総称で四妃と呼ばれ、彼女らは皇帝の正室である皇后のすぐ下にある『正一品(しょういっぽん)』という地位の最高位側室である。また、本来は皇后が担う後宮の管理や儀礼などの職務を、四妃が分担して代理を務めることもあったそうな。


  最上位の貴妃(きひ)、二番目の淑妃(しゅくひ)、 三番目の徳妃(とくひ)、そして最下位の賢妃という、この四つの位によって彼女らは分類されている。

 そして、この最下位の賢妃こそ、侍女・レイレイが仕えている紅玉宮の妃――コウリン妃なのである。彼女、コウリン妃は最下位であるが故、他の妃から好かれておらず、ちょっぴり訳アリといった感じである。


 また、コウリン妃が好かれていない理由は単に最下位であるからだけではない。彼女は元は先帝の妃であったため、他の三妃とは少し毛色が違う。とりわけ幼いし、それに容姿もミルクティブラウン色の髪など、やや西方(せいほう)の国の血が混じったような見た目をしている。

 また、幼いながら胸も大きいため、女の園(その)であるここ・後宮では嫉妬の的(まと)である。


* * *


「私は一度、死んでいるのよ」


 と、コウリン妃は確かに言った。レイレイはその言葉の意味がすぐには分からなかった。が、流石は名探偵。すぐに察した。

 コウリン妃のその容姿や彼女自身の経緯(いきさつ)から察するに、彼女はまだ何か隠し事をしている――そして、その隠し事は彼女の侍女となった自分がすぐにでも知らなければならないものだと、そこまで瞬時に理解したのだった。


「理由を教えていただけますか」

「あら、レイレイ。私には堅苦しい言葉遣いでなくて良いと言ったのに…中々治らないわね」

「失礼…しかし、私は貴方様にタメ口はできません」

「…そりゃそうよね。私は貴方の妃だもの、ね」


 とまあ、なにかともったいぶるコウリン妃。ったく、このロリ妃といったら、どうしてこうも自分の侍女に対してちょっかいをかけたがるんだか。と、そんなことはひとまず――、


「私こそ失礼だったわね…レイレイ。早く理由を説明しなくちゃ、ね」

「…はい。教えて下さい」


 覚悟を決めた顔で、コウリン妃は言った。彼女の胸に隠された、とある秘密を。


「私の胸には、西方(せいほう)の国の禁術によって造られた、人工心臓が入っているの」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。