19 変態ブタ野郎
「お困りのようね、レイレイ」
湯殿での女官水死体事件の推理に苦戦するレイレイの元へ、コウリン妃が助っ人としてやって来た。とまあ、なんでこんなにも都合良く顔見知りに会えるんだよと、そうツッコミはさておき――、
「コウリン様。なんで湯殿に?」
「偶々(たまたま)よ。私、肩が少し凝ってるもんで、マッサージをしてもらいに来たの」
「あらまあ。肩こり、ねぇ…」
と、レイレイ――こヤツといったら今、なにか疚しいことでも考えてるんじゃねぇかって顔だ。それもそのはず、彼女の視線はコウリン妃の胸元へ誘導されていた。
なんとまあ、本当に齢十二なのかよと、疑いたくもなる。そりゃまあ、コウリン妃のその豊満なバストを見れば、さぞかし肩も凝るであろうとつくづく思うのである。肩幅は狭く、低身長でもあるのに、な。
と、その時――コウリン妃から突如の命令。
「レイレイ、ちょうど良いわ。貴方が私にマッサージをなさい」
「って、えぇ?! 私がコウリン様にですかっ?! マッサージをっ?!」
ったく、レイレイが上司を下卑た視線で見るような変態ブタ野郎だってことも知らず、このコウリン妃って人は彼女にマッサージとかいうご褒美を与えてしまうなんて、気の毒かつ不憫でならない。
レイレイはというと、鼻の下を伸ばし、すぐさまマッサージを引き受けた。コウリン様は早速、着替えなさった。マッサージ用の布面積の少ない衣に着替え、いつにも増して色気がある。
「レイレイ。特に肩を重点的にマッサージなさい」
「はいっ!! コウリン様っ!!!」
とまあ、いつにも増して張り切ってるじゃねぇか、この変態。と、そんなことはさておき、事件の解決はどうなったんだよと、そうツッコミたくなる気持ちも分かる。
まあ、こんな変態的なサービスシーンなんて話の展開に関わりそうもないし、早よレイレイには事件の解決に専念してほしいというその読者の気持ちも分からなくはないが、実はこのシーン、重要なのであると、後に分かるので今は許して差し上げろ。
――そう。コウリン妃の身体に隠された、とある秘密。
「やっぱりな。おかしいと思ってたんだ」
「レイレイ…貴方には、いつか伝えなければならないと、そう思っていたわ」
――そう。レイレイはずっと思っていた。コウリン様の幼いわりに大きな胸部。これはおそらく、何か理由があるに違いない、と。
「まず結論から。私は一度、死んでいるのよ」
って、えぇ?! 衝撃の事実を言い放つコウリン妃。一体、どういうこと?!




