17 噂好き下女・セイラン
「レイレイ。出世おめでとうっ!!」
「って、別に出世はしたけどさ、あくまで妃の捨て駒になっただけだって…何回も言ってるでしょ?」
「だから、それでもすごいってばっ!!」
「えぇ…」
とまあ、これは一体どういう状況なんでしょうか?? って、作者が分かってなければ、当然読者の皆さんも分からなくて当たり前である。いや、ちゃんと今から説明するから安心したまえ。
前回までのあらすじ――市井のごくごく普通の娘であったレイレイ。ある日、ひょんなとこから後宮に売り飛ばされ、新米下女として退屈な日々を過ごします。なんやかんやあり、手習い所での事件を解決したレイレイは宦官・リンシに認められ、賢妃・コウリン妃の元で毒見役として仕えることになるのでした。
そして、このレイレイ。今、後宮の中庭でとある一人の下女となにやら話をしています。始めに言っときます。この下女は新キャラです。名をセイランと言い、噂好きで活発なレイレイと同い年の少女です。
背は低めであり、茶髪の切りっぱなしボブに丸い目といった元気はつらつな見た目をしています。
「レイレイ。あの噂知ってる?」
「いや…あの噂ってなにさ??」
早速、この噂好き少女ってヤツはレイレイに噂を持ち込んできたようです。まあ、その噂の内容ってヤツを聞いてやりましょう。
「そのさ。今度は湯殿で女官が死んでるのが発見されたらしいよ」
「って、えぇ?! なにそんなことサラッと言ってんのさっ!!!」
とまあ、急な事件発生ってヤツであるっ!! いやはや、なんでこんなにもテンポよく事件が起きるんだよと、そうツッコミたくなる気持ちも分かるが、そうしないと物語としておもんなくなるってのも分かっていただきたい。てな訳で、だ。早速、レイレイとセイランはその噂の現場――湯殿へ向かった。
「ここが例の湯殿ってトコか」
「初めて来たけど広いね。それに、良い入浴剤の匂いがするよ」
入浴剤の匂い――セイランの些細な一言が、レイレイの耳にはなにか引っかかるのであった。




