丸山莉乃はバイク乗り
6月も終わりになると、バイク通勤には厳しい季節になる。
ぎちぎちに詰め込まれているような電車は嫌いだが、通勤途中に降り出した雨で視界が悪くなってるの下での通勤は気を遣うから好きになれない。
「三角さんだ」
「おはようさん、今日はちょっと遅れてもうたわ」
いつもは私より先に来ている三角さんが珍しく遅めにやってきた。
「あの三輪のバイク、丸山さんのやったんねえ」
「そうですよ。トリシティっていうバイクで、もう4~5年は乗ってますかね」
高校で二輪免許を取ってからずっと原付や小型バイクを乗ってきたが、今は大体このヤマハ・トリシティでほぼ事足りてる。
サブでスズキ・アドレスも持ってるけど小一時間走らせるにはちょっと不安なので、今はもっぱらコンビニ行くとき使ってる。
「うちの上の息子がバイク欲しい言うんやけど、バイクって事故起きた時大変やから心配なんよね」
「そこは本人の意識と投資次第じゃないんですか?プロテクターとメットはケチらないでおけばある程度は守ってくれますし、それにどんな乗り物でも死ぬときは死にますし」
「ケロッとしてるわあ、親御さんとか言われんかったん?」
「あー……うちはまず原付取ってから1年無事故無違反でやれたら小型二輪、18まで無事故無違反なら自動車でも大型二輪でも好きにとっていいぞって言われました」
結局小型二輪があれば大体のことは事足りてしまうからそれ以外の免許は取らなかったが、実際この方式のお陰で安全意識は身についた気がする。
……まあ、大型二輪への憧れがないわけではないが。隼とかニンジャは憧れるけど触らせてもらった時重すぎて起こせる気がしないので止めた。
「なるほど、その方法ならええかもな」
「たいていは原付か小型二輪と普通自動車免許取れば事足りますし、それ以外の免許取るなら自分の金で取れってことでいいんじゃないですが?」
「ほんならそうしてみよかな、ありがとねー」
新しいバイク乗りがこの世に一人生まれたところで仕事の時間だ。
駐輪場に自分のバイクを止めて鍵をつければ、また今日が始まる。
丸山「ちなみに三角さんって何通勤なんですか?」
三角「うちは電車よー、京成線で通っとる」
菱刈「わたくしも電車通勤ですわ」
丸山「へー、ちなみにカタッポは何通勤?」
平野「近くに2人で住める家借りて散歩がてら徒歩通勤してるー」




