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異世界税関の日々  作者: あかべこ


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異世界税関と試練の日2

21人分の荷物検査は三日に渡って行われ、持ち込み不可と判断されたものは全部で70点以上に上った。


護身用と思われる未申請の隠し武器や、大麻入り紙巻きたばこセット、隠し持っていた金品などなど。


「これ全部リスト化するんですか?」


「種類ごとに仕分けてリスト化したあと、金品と武器は追加申請か没収、大麻系は全部没収になるかなあ。許可申請手続き間に合わないだろうし」


「大麻って許可申請出せば持ち込めるんですか?」


「うん、本来は麻薬取締部に出入国2週間前に申請出すんだよ。ただまあ今回は必要書類が揃わないだろうから没収という事で」


紙巻きたばこの持ち主は大曲さんにばっさり切り捨てられたので諦めて頂きたい。


立ち合いに来てくれた外務省の担当者も大変そうにあっちこっち電話をかけたり、現地へ連絡に行ったりとずいぶん大変そうだ。


「じゃ、僕と丸山さんで押収品の一覧表づくりやろうか」


「嫌です」


「気持ちはわかるけど諦めてねー、扇君は追加申請と没収時の対応準備お願い」


「分かりました」


そうして命じられるがままに押収品のリストを完成させた頃には、私はすっかりグロッキーになっていた。


何もしたくなさ過ぎて天井をぼーっと見詰めるだけの生き物と化した私に声をかける者はいない。


と言うかみんな自分の仕事があるのでそっちが優先なのである。


ひょっこりと私の顔を覗き込んできたのは三角さんだった。


「お疲れさんやね、飴ちゃん食べる?」


「たべます」


「お疲れさんみたいやし口入れたるわ」


口に放り込まれたパインアメの甘さが疲れた心に優しく染みわたる。


でもこのまま上向いてるとのどに詰まらせそうなのでさすがに体は起こしておこう。


「押収品のリストちゃんと出来とるね」


「やれって言われたので」


途中で大曲さんがお偉いさんに呼ばれて出て行ってしまったので、半分ぐらい私が作ったようなもんだ。


「それが出来れば十分やわ」


三角さんが優しく褒めてくれる。


声や雰囲気から滲み出る三角さんの母性は今まで感じたことの無い感情を私に与えてくれた。


全力で甘え倒しても今なら許してくれそうという直感と、抱きしめられていい子いい子されたいという衝動。




「……これがオギャりティ?」




バブみとかオギャるとか全然ピンとこなかったけど、これがそうならば納得する。


「何の話?」


「三角さんの母性の話です」


「私こんな大きい子ども産んだ記憶ないねんけど」


「子どもいるんでしたっけ」


「居るよ、中学生と高校生の男二人」


「年齢的にはともかくわたしよりサイズデカそう」


そんな話をしながらパインアメを食べきるまでの休憩を満喫するのであった。

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