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『紅蓮の魔女』と『神速の配信者』  作者: 我王 華純
第一章 誕生『神速の配信者』
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第7話 いざグランドダンジョンへ ~まずはギルドで上級職になろう~

 Aランクダンジョンのボス『アルティメット・ビートル』を退治した俺たち(正確にはアイリーンさんだけだが)は、特典報酬を受け取った後、いつも通りダンジョンの入り口へ転送された。

 

 「よっ!待ってましたー!!!」

 「お疲れさまー!!!」

 「今回も良かったよー!!!」

 「次回も楽しみにしてますのでー!!!」


 『愚蟲の樹海』の入り口にはたくさんのギャラリーたちが待ち構えていた。

 そのギャラリーたちから惜しみない歓声や拍手が巻き起こる。


 ……俺も偉くなったもんだなぁ。


 まあ、ほとんどアイリーンさんのファンなんだろうけどね!


 実は、『深淵の回廊』踏破後からアイリーンさん見たさにダンジョンの入り口への転送を狙った所謂『出待ち組』が一気に増えてしまったのだ。


 アイリーンさんのファンは日に日に増加し続け、その勢いは止まる所を知らない。


 その内、何か碌でもないことが起こりそうな気がしないでもないから、いつか何か対策を練らないといけないかもな。


 さてと、今回の踏破の特典報酬を確認したらさっさと退散しようかな。


 ちなみにAランクダンジョンの報酬は……


 獲得経験値 100000

 

 獲得金額 10000000円


 後はアイテムのみだった。

 俺が獲得したアイテムは『バグスカメラ発生装置』というAランクの神器だった。

 腕時計型の神器で自らの意思によって、蟲型の小型カメラを一匹だけ出現させることが可能とのことだ。

 小型の蟲だけあって、耐久力は低くすぐに壊れてしまうみたいだが、これはこれで役に立つ場面があるに違いない。


 経験値は、俺のレベルが現在カンストしているため、蓄積された。

 後で上級職へクラスチェンジした時に、一気に加算されレベルアップするのだろう。


 後は1千万円も頂けちゃいました。

 Aランクダンジョンは1千万円もらえるらしい。

 5つのAランクダンジョンをクリアした俺はもちろん5千万円もらっている。


 その前のSランクダンジョン『深淵の回廊』でも5千万円もらったので、実に1億円稼いでしまったことになる。


 この前まで必須アイテムすら購入する余裕が無かったこの俺が……

 人生わからないものだなぁ。


 しみじみとしていると、アイリーンさんが話しかけてきた。


 「ハヤトさん、これでAランクダンジョンを5つ踏破の条件はクリアしましたね」

 「はい、後は俺が上級職になればOKなはずです!」

 「そうですね、それじゃあ早速冒険者ギルドへ向かいましょうか」

 「はい!それじゃあ摑まってて下さいね!」


 俺はアイリーンさんをしっかりと担ぎ上げ、『神速』を使用して一気に走り出す。


 「あっ!まただ!」

 「いくら『神速』さんでもそれは許さんぞ!」

 「アイリーンさんは置いていけ!」

 「何てうらやま……いやけしからん!!!」


 俺が走り出した瞬間、ギャラリーの中のアイリーンさんのファンから怒号が飛びまくる。

 これはどこまでも追いかけてくるギャラリー対策の一環として前回から取り入れた行動だ。


 並の冒険者であれば『神速』のスピードについて来れるわけがない。

 そのため、どれだけファンが追いかけてこようとも一気にぶっちぎってしまえるというわけだ。


 ちなみに、アイリーンさんを抱きかかえるという行為に関してだけは、とてつもなく叩かれた。

 もう怖いくらいにね。

 当のアイリーンさんが全く気にしていない様子なので問題はないのだが。


 

 ……そうこうしているうちに、拠点の町に到着した。

 町の入り口の辺りでアイリーンさんをそっと降ろし、そのまま冒険者ギルドへ向かうことにした。


 この町の冒険者ギルドはショッピングセンターの一角に設置されている。

 このショッピングセンターには冒険者用の店も数多く、武器や防具の装備から回復アイテムまで、ダンジョンに関係があるものならば、ありとあらゆる店が揃っている。

 そのため、この周囲には冒険者で溢れているのだ。

 その冒険者たちの好奇な眼差しに晒されているのをヒシヒシと感じてしまう。


 【『紅蓮の魔女』と『神速の配信者』】なんていう物凄くピーキーな配信コンビを組んでいる身からすれば、その色物を見つめる視線に対しても心当たりしかないのだから仕方がない。

 

 アイリーンさんは視線そのものを全く気にしていないため、にこやかな笑顔を全く崩さないまま、冒険者ギルドへ向かって歩いている。

 

 ……あの辺はちゃんと見習わないとなぁ。


 俺も今や登録者数10万人越えの配信主だ。

 こんな状況はこれからいくらでもあるだろう。


 そんなことを考えているうちに、冒険者ギルドへ到着する。


 俺はアイリーンさんと並んで冒険者ギルドへ入っていった。


 まずは、カウンターで受付をする。


 「はい、それではハヤトさんは上級職へクラスチェンジですね、少々お待ちください………………はい!これでクラスチェンジ完了です、お疲れ様でした!」


 想像の何倍もあっさりとしたクラスチェンジに驚きながら端末を確認すると、俺のジョブがしっかりと『上級配信者』になっていた。

 今のでクラスチェンジ出来てしまうんだな。


 ちなみにさっきのダンジョン踏破報酬分の蓄積されていた経験値が加算されたみたいで、一気にレベルが11になっていた。


 「お待たせしました、これで晴れて上級職になれました」

 「はい、良かったですね。それでは次は、政府機関に許可をもらわないといけませんね」

 「そうですね、それじゃあ今から行っちゃいましょうか?」

 「ええ、行きましょう」


 Aランクダンジョン5つ踏破に上級職へのクラスチェンジ、政府機関から出された条件はこれで両方ともクリアすることが出来た。


 後は、政府機関へ出向き、正式に許可をもらえればグランドダンジョンへ挑戦することができるのだ。


 俺はアイリーンさんと一緒に政府機関が入っている場所まで向かうことにした。


 


 

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まさにトントン拍子で条件クリア!! ハヤトとアイリーンのコンビは無敵か!? アイリーンの超火力もさることながら、その余波をかわせる神速のハヤトもかなりのもの。 それにしてもこんな短期間でみんなに注目さ…
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