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『紅蓮の魔女』と『神速の配信者』  作者: 我王 華純
第一章 誕生『神速の配信者』
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第5話 特典報酬と重大発表と告白成功

日間ランキング31位!


ありがとうございます!!!

この調子で頑張りますので応援よろしくお願いします!!!

 『深淵の回廊』を踏破したことにより、特典報酬を贈呈します――。


 ダンジョン内に、無機質なアナウンスが高らかに響き渡る。


 〈おお! 特典報酬きた!〉


 〈Sランクダンジョンの報酬ってどれくらいなんだ?〉


 〈Aランクでも人生変わるレベルって聞くしな〉


 〈これは期待しかない!〉


 コメント欄も一気に盛り上がる。


 ……とはいえ、正直なところ、俺は複雑な気持ちだった。


 今回、ボスを倒したのは完全にアイリーンさんだ。


 俺は逃げ回りながら配信していただけ。


 そんな俺まで同じ報酬を受け取っていいのだろうか。


 そんな罪悪感を抱いていると、アナウンスが続く。


 『踏破者:アイリーン・スカーレット』


 獲得経験値 300000

 ※レベル上限に達しているため蓄積されます。


 獲得金額 50,000,000円


 獲得アイテム

 【深淵の炎珠】

 【深淵の闇衣】

 【ラストエリクサー】×3


 『踏破者:草薙ハヤト』


 獲得経験値 300000

 ※レベル1 → レベル32


 獲得金額 50,000,000円


 獲得アイテム

 【深淵の羽根ブーツ】

 【神式配信セット】

 【ラストエリクサー】×3


 「…………え?」


 思考が止まった。


 いやいやいや、ちょっと待て。


 待ってくれ。


 まず経験値、一気にレベル32って何だよ。


 確か研修では『レベル30で一人前の冒険者』って教わったぞ?


 つまり俺……


 今日で初心者卒業?


 いや展開が早すぎるだろ!


 そして――五千万円。


 「……五千万?」


 思わず二度見してしまう。


 桁がおかしい。


 ボスを倒したわけでもない俺が、五千万円?


 Sランクダンジョン……夢ありすぎだろ。


 恐る恐る端末を開き、獲得アイテムを鑑定する。


 【深淵の羽根ブーツ】


 Sランク神器。


 スキル【神速】の持続時間を無制限にする。


 「…………」


 無制限?


 つまり……ずっと『神速』を使えるってことか?


 え、強すぎない?


 続いてもう一つ。


 【神式配信セット】


 いかなる攻撃・魔法によっても破壊されない究極の配信装備。


 「…………いや、神様?」


 思わず空を見上げた。


 ここまで来ると、神様が俺に向かって、


『お前、配信者になれ』


 と全力で背中を押しているようにしか思えない。


 〈うわああああ!〉


 〈Sランク神器二個!?〉


 〈そんな冒険者ほとんどいねぇぞ!〉


 〈レベル32って一瞬で俺追い越されたんだが!?〉


 〈俺もだわ……〉


 〈五千万もヤバいけど神器がエグい〉


 〈神式配信セットって完全に『神速』さん専用じゃね?〉


 〈これなら『紅蓮の魔女』の配信も余裕じゃん!〉


 その通りだった。


 これならアイリーンさんの炎でも配信機材が壊れることはない。


 後は俺が『神速』で避け切ればいい。


 これ以上ないほど相性がいい装備だった。


 〈ていうか『紅蓮の魔女』レベルカンストしてるのか〉


 〈世界トップってやっぱり化け物だな〉


 〈しかもフリー冒険者だろ?〉


 〈規格外すぎる〉


 コメント欄は相変わらず大盛り上がりだ。


 俺は端末をしまい、改めてアイリーンさんへ向き直る。


 「あの……アイリーンさん」


 「はい?」


 「今日は本当にありがとうございました。」


 「いえいえ。私もとっても楽しかったです」


 柔らかい笑顔。


 その笑顔を見た瞬間、今しかないと思った。


 この人となら……もっと色んな景色を配信してみたい。


 そう口を開こうとした――その時だった。


 『これよりSランクダンジョン【深淵の回廊】の踏破を確認しました。』


 『新たなるグランドダンジョン――』


 『【星崩の大魔宮】を解放します。』


 一瞬、世界が静まり返った。


 〈……は?〉


 〈え?〉


 〈グランドダンジョン!?〉


 〈初耳なんだけど!?〉


 〈Sランクの上があるの!?〉


 〈待て待て待て!!〉


 〈歴史が変わったぞ!!〉


 〈これ世界初公開情報じゃね!?〉


 コメント欄が爆発した。


 この日『星崩の大魔宮』という存在は、俺たちの配信によって初めて世界へ知れ渡ることになる。


 『それでは踏破者を地上へ転送します。』


 『お疲れ様でした。』


 俺たちの身体が淡い光に包まれる。


 視界が白く染まり――


 次の瞬間、俺たちは『深淵の回廊』入口前へ転送されていた。


 ダンジョン入口には、信じられないほど大勢の人々が集まっていた。


 どうやら配信を見て駆け付けたらしい。


 俺たちの姿を見つけた瞬間――


 「うおおおおおおおお!!」


 大歓声が夜空へ響き渡った。


 「『紅蓮の魔女』最高ー!!」

 「本当に可愛かったー!!」

 「神回だったぞ!!」

 「『神速』さんもお疲れー!!」

 「最高の配信だった!!」

 「またやってくれー!!」


 アイリーンさんは少し照れくさそうに笑いながら、大勢の観衆へ手を振る。


 「あらあら……ありがとうございます」


 その笑顔だけで歓声がさらに大きくなる。


 やっぱりこの人はすごい。


 実力だけじゃなく、人を惹きつける何かがある。


 ……だからこそ、俺は覚悟を決めた。


 「あの……アイリーンさん!」


 「はい?」


 周囲の観客も何かを察したようだった。


 「おい! 静かにしろ!」


 「何か言うぞ!」


 「みんな黙れー!!」


 あっという間に辺りが静まり返る。


 ……いや、やりづらいっすわ。


 完全に公開告白みたいになってるじゃねぇか!


 俺の心臓は破裂しそうなくらい暴れている。


 それでも、このチャンスだけは逃したくなかった。


 大きく息を吸い込み、アイリーンさんの瞳を真っ直ぐ見つめる。


 そして、腹の底から声を張り上げた。


 「アイリーンさん!」


 「俺と――」


 「正式にコンビを組んでください!!」


 深く頭を下げる。


 震える右手を差し出した。


 ほんの数秒だったはずなのに、永遠にも感じられる時間が流れる。


 やがて――


 そっと温かい手が、俺の手を握った。


 「……はい」


 「こちらこそ、よろしくお願いします」


 その柔らかな笑顔を見た瞬間、胸の奥にあった緊張が一気に溶けていく。


 「ありがとうございます!!」


 その瞬間だった。


 「うおおおおおおおお!!!!」


 会場が爆発した。


 「おめでとーー!!」

 「最高のコンビだ!!」

 「末永くお幸せにー!!」

 「アイリーンさんを泣かせたら許さねぇぞ!!」

 「結婚じゃねぇんだから落ち着けー!!」


 ……何だか盛大に勘違いされている気もするが、そんなことはもうどうでもよかった。


 この日、世界最強のSランク冒険者『紅蓮の魔女』アイリーン・スカーレットと、世界最速の配信者『神速の配信者』草薙ハヤト。


 二人は正式にコンビを結成した。


 後に世界中のダンジョンを踏破し、数々の伝説を生み出すことになる最強コンビ――


 その歴史は、この日、この瞬間から始まった。

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正に刻まれた伝説の瞬間、これは間違いなく盛り上がりますぜ!
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