第5話 特典報酬と重大発表と告白成功
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『深淵の回廊』をクリアしたことにより、特典報酬を贈呈するとアナウンスが入る。
〈おお!特典報酬か!〉
〈Sランクダンジョンともなると、どれだけの報酬が入手できるんだ?〉
〈Aランクでもびっくりするくらいの報酬がもらえるって聞くよな〉
〈ちょっとドキドキするよな……〉
コメント欄を見る限り、かなり貴重な報酬がもらえるみたいだが……
俺って配信してただけでアイリーンさんが一人でボスを倒しちゃったんだけどなぁ。
ちょっと罪悪感を抱いてしまうのだが……
『踏破者:アイリーン・スカーレット』
獲得経験値 300000 ※レベル上限に達しているため、蓄積されます。
獲得金額 50000000円
獲得アイテム 【深淵の炎珠】 【深淵の闇衣】 【ラストエリクサー】×3
『踏破者:草薙ハヤト』
獲得経験値 300000 ※獲得経験値によりレベル1⇒レベル32
獲得金額 50000000円
獲得アイテム 【深淵の羽根ブーツ】 【神式配信セット】 【ラストエリクサー】×3
「ええええ……」
想像以上の恐ろしいほどの報酬を頂いてしまった……
まず経験値を大量に獲得したがために、レベルが一気に32まで上昇した。
確かレベル30で一人前の冒険者とか研修で言ってたなぁ。
そうか、俺も今日で初心者は卒業か……
そして、獲得金額5千万円はおかしい。
ちょっともらいすぎて怖いわ。ダンジョン夢ありすぎだろう!
後は獲得アイテム、こちらはそれぞれ端末で鑑定してみるか。
【深淵の羽根ブーツ】 Sランク神器、スキル【神速】の持続時間を無制限にする。
【神式配信セット】 如何なる攻撃、魔法によるダメージでも破壊されない究極の配信セット
うわぁ、何これ、俺が配信者として成功するためのアイテムじゃないか。
ここまでいくと神様も俺に配信者になれって言ってる気がするわ。
〈いや、すげぇ、Sランク神器を2つも持ってる冒険者とかまずいないぞ〉
〈それにレベルが一気に32とか〉
〈俺一瞬で抜かされたわ!〉
〈俺も!それに5千万ももらえるんだな。Sランクダンジョン半端ないわ〉
〈それにダンジョンから配信セットとかドロップするんだな。これで『紅蓮の魔女』の配信もさらにしやくすなるんじゃないか?〉
その通りだ、この【神式配信セット】があれば、アイリーンさんの炎でも破壊されることはないだろう。
後は俺が『神速』でアイリーンさんの炎を回避さえ出来れば配信体制は盤石と言えるだろう。
〈それにしても『紅蓮の魔女』ってレベルカンストしてるんだな〉
〈Sランク冒険者って超級職だろう?それをカンストさせてるってどれだけの経験値が必要なんだ?〉
〈彼女ってギルドに所属していないフリーの冒険者だろう?フリーでそんなこと出来るんだな〉
〈まあそれも含めてSランク冒険者って規格外の存在ってつくづく実感させられるっていうか〉
コメント欄はもっぱら俺への報酬の驚きと、アイリーンさんの件で持ちっきりだ。
「あの、アイリーンさん、今回は本当にありがとうございました」
「いえいえ、私も楽しかったです」
「もしよろしければ、これからも……」
『それでは、今回Sランクダンジョン『深淵の回廊』が踏破されたことにより、グランドダンジョン『星崩の大魔宮』が解放されます』
〈は?〉
〈はい?〉
〈はいい!?〉
〈今何て言った!?グランドダンジョンだって?そんなもん初めて聞いたぞ!〉
〈いや、Sランクダンジョンそのものが元々数えるほどしか存在しないんだから、そのクリア報告なんて初めて聞いたしな……〉
〈ひょっとして今までクリア済みのSランクダンジョンにも……〉
〈クリアした者だけにグランドダンジョン解放が告知されていたかもしれないな……〉
〈何気に歴史的配信じゃね?〉
俺がアイリーンさんに大事な話をしているのを遮るように、突如アナウンスされたグランドダンジョン『星崩の大魔宮』の解放。
その存在に一気に沸き立つコメント欄。
この配信をきっかけに世界中でグランドダンジョンなる存在が認知されることになり、その影響が様々な事態を巻き起こすことになるのだが、それはまた別の話だった。
『それでは今から踏破者を地上に転送させて頂きます。お疲れ様でした!』
アナウンスが終了すると、俺とアイリーンさんの体が仄かに輝き始める。
どうやら地上に転送してくれるらしい。
……次の瞬間には、ダンジョンの入り口の辺りに転送されていた。
『深淵の回廊』はとある町の外れに存在しており、入り口は洞窟のような作りになっている。
その洞窟の入り口の目の前に転送された俺たち。
気付くと周囲にはたくさんの人々が待ち構えていた。
どうやら配信を見て急遽駆けつけた人々らしい。
俺たちの姿を確認したギャラリーたちは一斉に拍手喝采、大歓声を送り始めた。
「いいぞー!」
「『紅蓮の魔女』凄かったぞ!」
「こうやって見るとやっぱり可愛い!」
「やっぱり俺たちの女神様は存在したんだな……」
「『神速』さんも良くやったぞー!!!」
「よっ!名コンビ!!!」
「今度の配信も楽しみにしてるからなー!!!」
皆が思い思いの声援を送ってきている。
割合的にはアイリーンさんへの声援がダントツで多いが、中には俺への声援も混じっている。
そして、その中でもたまに聞こえてくる声がある……
俺とアイリーンさんの正式なコンビ結成を望む声だ。
「あらあら、皆さん、うふふふ」
笑顔を振りまきながらギャラリーたちの声援に応えるアイリーンさん。
そして、その隣で俺は再び大事な想いをぶつけることにする。
「あの……アイリーンさん!」
「はい?どうされましたか?」
ギャラリーたちに手を振っていたアイリーンさんが不思議そうな表情を浮かべながらこちらを見る。
俺の剣幕に少し戸惑っているようにも見えるが、これから伝えることには気付いてはいないだろう。
「……おい、『神速』さん、まさか」
「ああ、そのまさかだな。おおい!みんな静かにしてくれ!!!」
「これから『神速』さんが大事な話をするんだぁ!!!」
「何だって!?おーい!みんな静粛にしろぉ!!!」
ギャラリーたちが俺たちの様子に気が付き、一斉に静まり返る。
……いや、やりにくいわ!告白するみたいになってるじゃん!
アイリーンさんは相変わらずニコニコとこちらを見て微笑んでいる。
周囲には俺の言葉を聞き漏らすまいと耳を澄ます大勢のギャラリーだ。
……はあ、どうしてこうなった。
でもなぁ、このチャンスを逃したら一生後悔しそうなんだよな……
――やるしかないか。
決心を固めた俺は一度深呼吸をした後で、アイリーンさんの目を真っ直ぐ見つめ、全力で想いを伝える。
「アイリーンさん!俺と……正式にコンビを組んで下さい!よろしくお願いします!!!」
もうこうなったらどうにでもなれ!
腹の底から大声を出しながら頭を下げ、右手を差し出す。
心臓が口から飛び出そうなほどにバクバクと音を鳴らす中、数秒の静寂が訪れる。
「……はい、こちらこそよろしくお願いします」
穏やかなアイリーンさんの声と共に俺の右手を握る感触がした。
「……あ、ありがとうございます!!!」
その瞬間、ギャラリーたちの方から爆発するような大歓声が鳴り響く。
「おめでとー!!!!」
「キャー!素敵ー!!!末永くお幸せにー!!!」
「アイリーンさんを泣かしたら承知しないからなー!!!」
何ていうか、盛大に勘違いされているような気もするが……
俺の想いはアイリーンさんに無事届いた。
この瞬間、『紅蓮の魔女』と『神速の配信者』と呼ばれる伝説の名コンビが誕生したのだった。
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