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文武平等  作者: 風紙文
第二章
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同時刻、パズル部の部室にて


……一方その頃、


「へぇ~、そんなことがあったんだ」

パズル部の部室には、武川を除いた全員が揃っていた。

「でも、まっちーとみゃーさんが仲良くなるのはボクとしても嬉しいかな、たけやんの他にもお話し出来る人が増える訳だし」

「ん……」

「そうか、そういう考え方もあったんだな」

「へ? それが目的じゃなかったんですか」

「あー、実はな…」

大和先生は押川に武川と月乃についてを説明した。

「なるほど~、でもつきのんはどうしてそんなに部活の勧誘してるのかな?」

「そう、そこなんだよ」

「そこ?」

「そこがよく分からねぇんだけど……なんか、引っ掛かるんだよな」

「んー、ボクもつきのんの眼帯については知らなかったし。そうだ」

押川は鞄の中から携帯を取り出し、操作してどこかへと送信した。

「……」

その状況を、七ヶ橋はじっと見ている。

「どうした、三夜子?」

「……」

「携帯……あ、そういや」

「あ、もしもし? ひょうちゃん?」

押川の電話が繋がる。

「うん、実はね、つきのんについて聞きたいんだけどさ……」

それから数分、押川は電話先の主との会話を続ける。その間、先生は何の気なしに電話の相手が誰かをあだ名から考えていた。

ひょうちゃん、てことは名前か名字にひょうが入っている生徒だよな……居たかな、そんな生徒。

ん? 待てよ、例えばひょうと読む別の漢字とかなら。

「うん、ありがとうひょうちゃん、それじゃあ……え? うん、今部室だけど。うん、パズル部の部室…みゃーさん? 隣にいるけど……うん、分かった、ちょっと待ってて」

携帯の発信口を手で抑えて押川は七ヶ橋に顔を向けた。

「ねぇみゃーさん、ひょうちゃんがみゃーさんと話してみたいって」

「……私と?」

「うん」

「……話すことなんて」

「大丈夫だよみゃーさん、ひょうちゃんは話題が豊富だから、大体のことは話せる筈だよ」

「……」

七ヶ橋は長考した結果、

「……分かった」

首を縦に振った。

「はい、もう繋がってるから」

携帯が七ヶ橋に渡される。

「……もしもし?」

『もしもし? あなたがみゃーさん? リリから話は聞いてるよー、私は表方睦黄。リリとは陸上部仲間でね、まぁよろしくね』

「……ん、よろしく」

「なるほど、表方のことだったのか」

「先生、ひょうちゃんのこと知ってるんですか?」

「知ってるんですか? ってコレでもこの学校で数少ない家庭科教師だぞ、生徒の名前ぐらい把握してるさ。で? 表方は月乃のことを何だって?」

「えっとですね…」

押川が大和先生に今しがた聞いたことを話している間、七ヶ橋と表方は電話越しに会話を続けていた。

『覚えてる? 一年生の時、私もみゃーさんやリリと同じA組だったんだけど』

「……覚えてない」

『ありゃ、まぁ無理もないか、リリ以外と話してるところ見たこと無いし、目立ちたがりでもないしね。でもみゃーさんって運動神経いいよね? 100メートル走の時リリと同じぐらいの速さだったし』

「……運動は嫌いじゃないだけ」

『それにしてもスゴいよ、陸上部と同じ速さって』

「……そう?」

『うん、それにね、自分では気づいてたかは知らないけど、みゃーさんって結構有名だったんだよ?』

「……私が?」

『ありゃ、やっぱり知らなかったか、みゃーさんっていつも、いつでも傘持ってたじゃん?』

「……今も持ってる」

机に立て掛けてある傘に目を向ける。

『そーそーそれそれ、噂になったんだよ、その傘は何なのかって』

「……」

『でも、こうして話してみて分かったよ、みゃーさんは悪い人じゃないってね』

「……」

『もし良かったらさ、私ともリリみたいに気さくに話せる仲になろうよ、ね?』

「……うん、分かった」

『おっけー、じゃあ早速だけどみゃーさんの携帯番号教えてくれない?』

「……それは」

『ん?』

そこで、大和先生が七ヶ橋から携帯を取った。

「もしもし? 表方か?」

『え? 大和先生? 何で?』

「実はな…」


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