002
追記:私の都合により再投稿です。
「目立ちたくないからです!」
...ん?
嫌われている...とか...ではない...?
目立ちたくない....から...?
全く予想していなかった回答...どう答えるのが正解だ...?
「婚約破棄した方が目立つと思うよ。」
少し考えて出たのはこの言葉だった。
実際、間違ってはないだろう。
婚約破棄をした方が傷物令嬢として目立つ。
俺がそう言うと、レイラは痛いところを突かれたような顔をして(そんなとこも可愛い)言葉を発した。
「でも、貴方は王太子です!嫌でも表舞台に立たなくちゃいけなくなるでしょう?」
確かに俺は王太子という立場の人間だ。
俺と結婚すれば、嫌でも表舞台に立つことは避けられないだろう。
ただ、レイラは公爵家の令嬢。
俺と結婚するしないで表舞台に立つ場面が増減することは殆どないだろう。
そんなことを考えながら、俺はちょっと圧を含めた偽りの笑顔で聞く。
「じゃあ、レイラは俺と婚約破棄したら平民になるの?」
「……なれるなら、なりたい、です」
なれるなら、ね...。
罪を犯してる訳でもないのに...なれると思う?
「....レイラ、書類貸して?」
「え?あ、はい」
俺は先ほどからレイラが手に持っていた婚約破棄に関する書類を、レイラから受け取った。
俺は直ぐに書類の端から端まで目を通して...
「うん、承諾する訳ないよね。」
俺は書類を魔法で散り散りに燃やした。
「あああっ……!?」
俺が書類を燃やすと、レイラはとても焦っていた。
焦ってる顔も可愛いなぁ...じゃなくて!
「ねぇ、レイラ。理由はそれだけなんだよね?」
ねぇ、レイラ。
「理由は表舞台に立ちたくない」たったそれだけなんだよね?
「……そうですけど」
俺が書類を燃やしたからか、ちょっと拗ねたように言うレイラはとても可愛かった。
ただ...俺以外の男の前では見せて欲しくないかな。
そんなことを考えていると、部屋の扉が3回ノックされた。
時間...かな。
「そろそろ執務に戻らないとだから...レイラ、明日のパーティーでね。」
叶うことなら、執務なんてほっといてレイラと過ごしたいけれど...俺とて、そこまで常識が通じない人ではない。
流石に、執務の方が優先すべきだと分かっている。
俺は立ち上がると、レイラに手を振って部屋から出た。
◇◆◇
部屋から出ると、そこには俺の側近でレイラの兄のラジゲン・アグリスが立っていた。
ラズはレイラと同じで赤髪にエメラルドグリーンの瞳をしている。アグリス公爵家嫡男で跡取りだ。
令嬢たちからすれば、有料物件間違いなしなのだが...俺からすると超がつくほどのシスコンだ。
そんなことを考えながら歩いていると、王城にある自室に着いていた。
「殿下、明日の学園卒業パーティーについての資料です。」
部屋に入った直後、ラズから明日の学園卒業パーティーについての資料を受け取る。
ラズは、レイラが絡まなければ優秀で取り乱すこともなく次期宰相候補と言われるほどだ。
部屋にラズと俺の二人だけ(扉の外に近衛騎士は控えている)になると、堅苦しい殿下呼びではなくなる。
「カイン、レイラは書類を抱えて何を言ったんだ?」
「なんだろうね?」
「なんで疑問形なんだ!」
ラズは一応、昔からの幼馴染だからね。
堅苦しい呼び方は俺もあまり好きじゃないから、二人の時はカインで良いって言ってるんだ。
だから俺も素で喋っている。
「レイラから内容を聞いてないのなら、俺は話さないよ。」
「無駄に口が堅いな。普段は関心するところだが...今はその堅さが鬱陶しい。」
「褒めてくれてありがとう」
俺がそう言えば、ラズは顔に別に褒めていないと書いてあった。
レイラ関連になると、ラズは俺の前だと口が悪くなる。
まぁ、いくら問い詰められても婚約破棄のことを話す訳ないだろう?
それを言えば、ラズは喜んでレイラに味方するだろうからな。
「ラズ、明日の学園卒業パーティーについての最終確認をするぞ。話はその後だ。」
「...言ったな?」
「言ったとも。」
まあ、最終確認だとしても日が暮れるまで作業をしていたので話す時間など一ミリもなかったが。
こんにちは、雪華97です。
今回のカインは前回よりもちょっとクリーンだったかなと思います。
そして、今回魔法が出てきましたね。
少し、豆知識の方で説明させてください。
◇◆◇豆知識
この世界には、四大属性(風・水・炎・土)があり、光と闇は王族しか使えない。
四大属性は基本誰でも使える。
魔力量は血筋も関係するが、一番はどれだけ鍛えたかによる。
◇◆◇最後に
さて、この後書きもここまでですね。
この作品を見つけてくださり、ありがとうございます。
心瀬みみさんのほうで別視点が公開されています。
↓
「アルグランド王国物語 〜私は婚約破棄がしたい〜」




