表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
盾にされた私、異世界ではただの猫です  作者: 蛇目菊 欲狐
第2章
71/72

4-王都散策

――そして、現在。


私はレオンハルト様と第1騎士団の皆さんと共に、王都へやって来ていた。


王都へ到着して早々、レオンハルト様には王城からの使者が訪れた。


「辺境伯レオンハルト様。国王陛下がお待ちです」


どうやら、すぐに登城するよう命が出ていたらしい。


本来なら、私も同行するべきなのだろう。


そう思ったのだが――


「恩猫様は長旅でお疲れだ。今回は私のみでの参上で許していただきたい」


「後日、改めてお連れしよう」


レオンハルト様がそう取り計らってくださった。


無礼にならないだろうかと不安になったが、使者の方も穏やかに頷く。


「国王陛下より、まずはレオンハルト様のみお呼びするよう仰せつかっております」


「恩猫様には、後日改めてお会いしたいとのことです」


その言葉に少し安堵し、有難く屋敷で待たせてもらうことになった。


……とはいえ。


落ち着くかと言われれば、全然そんなことはなく。


慣れない王都。


初めての王城。


後日に控えた国王との謁見。


色々考えてしまい、そわそわと屋敷の中を歩き回っていた。


最終的には猫姿になってうろうろしていたところ、


「……王都の街、行くか?」


と、エルリックさんが声をかけてくれた。


そんな流れで、王都の街へ出掛けることになった。


ただ、猫姿のままではかなり目立つ。


なので、守鈴の力を使い、人の姿へ変化する。


さらに髪と瞳の色も、茶色へ変えていた。


どうやら、この世界には黒髪に金の瞳は存在しないらしい。


……もっとも。


私自身、金の瞳になっていたことには驚いた。


前の世界にいた頃、私の目は普通の黒色だったはずなのだ。


ローガン団長の話では、ヴェイルガストと対峙していた時には、既に金色へ変わっていたらしい。


改めて、不思議だなと思う。


そんなことを考えながら歩く王都の街は――とにかく、人が多かった。


辺境伯領とは比べものにならないほど賑やかで、活気に満ちている。


商人の呼び声。


露店から漂う香ばしい匂い。


大道芸に、人形劇。


……まさか、あんなものまでやっているとは思わなかったけれど。


先ほど見た“恩猫様の人形劇”を思い出し、思わず苦笑する。


そんな中、ふと果物屋が目に留まった。


色鮮やかな果物が綺麗に並べられている。


「……果物、食べるか?」


エルリックさんが尋ねてくれる。


「お願いしてもいいですか?」


いくつか選ぶと、店主が朗らかに笑った。


「毎度あり!」


「いやぁ、助かるよ。最近ちょっと売れ行きが悪くてねぇ。おまけも付けとくよ!」


その言葉に、少し首を傾げる。


「……こんなに新鮮なのに、ですか?」


「そうなんだよ」


店主は困ったように肩を竦めた。


「果物なんて、そのまま食べるか、飲み物にするくらいしかないだろ?」


「だから飽きられやすくてねぇ……」


その言葉に、少し驚く。


……そういえば。


辺境伯領でも、果物は切って食べるかジュースにする程度だった気がする。


前世では当たり前にあったものが、この世界にはまだ無いんだ。


もし、食べ歩き向けにするなら――


「……フルーツ飴とか、食べたいな」


ぽつりと零した瞬間。


「……お嬢ちゃん。その“フルーツ飴”ってのは何だい?」


店主がぴくりと反応した。


しまった、と思いながらエルリックさんを見る。


すると、エルリックさんも興味深そうな顔をしていた。


……なんだろう。


前にも、似たようなことがあった気がする。


だけど、ここまで来たら誤魔化すのも難しい。


私は観念して、おずおずと説明を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ