表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
盾にされた私、異世界ではただの猫です  作者: 蛇目菊 欲狐
第1章
65/74

閑話-抗えぬ災厄

【ローガン団長視点】


死ぬ覚悟はできていた。


腕を失い、意識も朦朧とする中――

それでも、あの瞬間までは、まだ戦っていた。


レオンハルト様の号令と共に、我々はヴェイルガストへ挑んだ。


エルリックが闇魔法で拘束を試み、

第二・第三騎士団が翼を狙い、弱体化を図る。


だが――通じない。


拘束は容易く引き裂かれ、

矢も魔法も、すべて風に薙ぎ払われた。


ブラムの斧も届かない。


私が足場を作り、炎を纏わせた一撃を放たせるも、

尾の一振りで弾き飛ばされる。


後方ではマティアスとカトレアが治療に当たっていたが、

そこへ容赦なく攻撃が向けられる。


辛うじて防ぐも、消耗は激しい。


さらに――竜巻。


すべてを巻き上げ、粉砕しながら迫る暴力。


レオンハルト様の土壁で防ぐが、限界が見えていた。


だから私は、魔法石を使った。


「グラビティ」


重力が叩きつける。


ヴェイルガストが初めて、大きく怯んだ。


――今だ。


全員で攻撃を叩き込む。


確かな手応え。


……勝てるかもしれない。


そう、思ってしまった。


だが次の瞬間。


竜が咆哮を上げた。


周囲の穢れが、吸い寄せられるように集まり――

その力が、跳ね上がる。


「……まずい」


直感が叫ぶ。


次の瞬間、すべてが吹き飛んだ。


圧倒的な暴風。


抗うことすらできない。


辛うじて防いだ私とレオンハルト様。


だが――


風刃が、来る。


防げない。


「っ――!」


腕が、宙を舞った。


遅れて、激痛。


握っていた魔法石が転がる。


拾おうとした、その瞬間。


尾が振り抜かれ――


魔法石は、砕けた。


……終わった。


周囲を見渡す。


誰も動かない。


戦える者は、もういない。


ヴェイルガストは興味を失ったように、

街へと視線を向ける。


放たれた一撃は、森を薙ぎ、

遠くの防壁を――破壊した。


――まずい。


ここで倒れている場合ではない。


歯を食いしばり、立ち上がる。


レオンハルト様もまた、立ち上がる。


睨み合い。


絶望的な距離。


その時――


「――皆っ!!」


振り返る。


そこにいたのは。


黒く、小さな――恩猫様だった。


(なぜ……来てしまった……!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ