表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
盾にされた私、異世界ではただの猫です  作者: 蛇目菊 欲狐
第1章
59/74

52-連携、進化

【レオンハルト視点】


強化個体の魔物に対しても、第二、第三騎士団は連携を崩さず、新たに習得した魔法戦術を織り交ぜて対応していた。


無理のない戦い方。

消耗も最小限に抑えられている。


――順調だ。


誰一人として無駄な動きをしていない。

各々が役割を理解し、最適な位置で戦っている。


これならば、問題なく奥地へ辿り着けるだろう。


やがて、森が途切れ、視界が開けた。


「……これは……」


思わず、言葉を失う。


本来なら木々が生い茂っているはずの場所は、枯れ果てた大地へと変わり果てていた。


生命の気配はない。


あるのは――


無数の魔物と、頭上を覆う濁った黒雲。


「異様、ですね……」


ローガンも低く呟く。


だが、


「……呆けている場合ではないな。排除する」


足を止める理由にはならない。


そうして一歩踏み出した、その瞬間。


――ヒュンッ


鋭い風切り音。


咄嗟に盾を構える。


甲高い音を立てて弾かれ、地に突き刺さったそれは――羽。


見上げる。


空を埋める、鳥型魔物の群れ。


「ウインドバードか……」


やはり、一筋縄ではいかん。


「レオンハルト様、ご指示を」


「私と第一騎士団で中央突破。

ローガン、お前はこれを持て」


恩猫様より預かった、虹色に輝く魔法石を渡す。


「合図で起動しろ。広範囲殲滅に使う」


「はっ!」


「第二、第三騎士団は援護だ。各自連携を崩すな」


「はっ!!」


「――行くぞ!」


号令と同時に、地を蹴る。


それを合図に、魔物たちも一斉に動き出した。



「その辺は任せろ!」


ブラムが斧を振るい、迫る魔物を薙ぎ払う。


エルリックが影のように滑り込み、足を止める。


その隙間を縫うように、第一騎士団が中央へと切り込んでいく。


だが――


空から、無数の羽が降り注ぐ。


「させません!」


カイが手を掲げる。


無数の氷の針が生成され、空へと撃ち出された。


羽と氷が空中で激突し、砕け散る。


だが、ウインドバードは止まらない。


風を纏い、突撃してくる。


「その距離は――不用心ですよ」


マティアスが静かに呟く。


砕けた氷が、水へと変わり、空中で収束する。


水流が鳥型魔物を包み込み、その動きを鈍らせる。


「カトレア!」


「はい!」


光が放たれる。


水と融合したそれは、浄化の檻となり、魔物を拘束する。


「今です!」


第二、第三騎士団の矢が一斉に放たれる。


的確に、急所を貫いた。


次々と魔物が崩れ落ちていく。


――見事な連携だ。


以前とは比べ物にならない。


魔法の扱い、戦術、判断。


すべてが洗練されている。


(恩猫様の影響か……)


思考を巡らせながらも、足は止めない。


中央へと突き進む。


その時――


死角から、数体のウインドバードが急襲してきた。


「させん」


地面に手をかざす。


土が隆起し、鋭い杭となって突き上がる。


空中の魔物を貫き、地に叩き落とす。


そのまま、中央へ――


到達。


「ローガン!やれ!」


「――了解!」


魔法石が起動する。


「グラビティ」


空間が歪む。


瞬間、すべての魔物が地へと叩きつけられた。


本来なら、数体にしか作用しない力。


だが、魔法石がそれを“戦場全体”へと拡張している。


「よくやった。あとは――」


地面が震える。


無数の土杭が一斉に突き上がり、魔物を貫いた。


抵抗する間もなく、すべてが消滅する。


――終わった。


静寂が訪れる。


「……終わった、か」


誰かが呟く。


張り詰めていた緊張が、ふっと緩む。


確かな手応え。


このまま進めば――


勝てる。


そう思えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ