51-覆された戦いの常識
【カイ副団長視点】
「まずいですね…私とは相性が悪い」
私は水属性――それも氷。
スノウベアとは最悪の相性だ。
「いや、大丈夫だ。ブラム、エルリック!やれるな?」
「おう!」
「御意」
二人が迷いなく飛び出す。
「団長!あの二人で本当に――」
「見ていろ。あいつらの成長は凄まじいぞ」
その言葉に、私は黙るしかなかった。
「エルリック!足止め頼んだ!」
「了解」
放たれる氷のブレス。
だが二人は左右に分かれて回避。
背後へ回るエルリック。
振り下ろされる巨腕。
「その腕、邪魔」
風を纏ったナイフが突き刺さる。
だが次の瞬間――
「…まだ終わってない」
弾かれたはずのナイフが、再び動いた。
「なっ…!?」
「見ろ、ナイフの軌道を」
ローガン団長の声に、目を凝らす。
「闇魔法…!?風で偽装しながら、影で操作しているのか…!」
あり得ない精度。
「恩猫様の教えだ」
その一言で、すべてが繋がった。
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「影縫い」
魔物の動きが止まる。
完全な拘束。
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「ブラム、準備できたぞ」
「待ってたぜ!」
炎を纏った斧。
蓄積された魔力。
「ぶっ飛べぇ!!」
冷気を――斬る。
そのまま肉薄。
「終わりだ」
炎が氷を砕き、巨体を断ち切った。
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崩れ落ちるスノウベア。
消えていくその姿を見ながら、私は言葉を失う。
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「…二人で、あの魔物を圧倒するとは…」
常識が、覆された。
「恩猫様の影響は…ここまでか」
確信する。
――この戦力なら、奥地へ辿り着ける。




