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盾にされた私、異世界ではただの猫です  作者: 蛇目菊 欲狐
第1章
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48-静まり返る森の奥で

【第1騎士団ローガン団長視点】


森に分け入り、暗雲立ち込める奥地を目指す。


レオンハルト様を先頭に、第1騎士団、続いて第2、第3騎士団、そして数十名の冒険者達が後に続いている。


今回の作戦は、森の中層に入る手前で、事前に物資を運び込んでいた情報屋ギルドと冒険者達の待つ簡易拠点で合流。その後、中層へ進み、奥地を目指す流れだ。


万が一、魔物が街へ向かう事態に備え、他の部隊は別拠点で同様に合流し待機している。


本来であれば、魔物が闊歩する中層手前での合流など行わない。だが、今回はそれほどまでに異常だった。


「…団長、いつもの森と様子が違いすぎます。魔物と遭遇しない。あまりにも静かです」


浅瀬から中層に差し掛かったところで、カトレアが声を掛けてきた。


「魔物がいなけりゃ、ただの穏やかな森に見えるが…普段を考えりゃ、逆に不気味だな」


ブラムが低く同意する。


本来、この辺りであれば最低でも1~2体は遭遇するはずだ。それが、魔物の出現が増加していたはずの森で、一切姿を見せない。


あり得ない状況だった。


「…何があるか分からない。警戒は怠るな」


そう告げ、慎重に進む。


――だが。


そのまま、何事もなく簡易拠点へと到着してしまった。


「……あっさり辿り着きましたね。いつもこうだと助かるのですが」


マティアスが苦笑混じりに呟く。安堵と同時に、拭えない違和感が残る。


拠点にいた冒険者と情報屋ギルドの者へ近づく。


「お、騎士様達だ!早かったな。魔物が出ねぇから真っ直ぐ来れたみたいだな」


「どうだ、森の様子は」


問いかけると、冒険者が肩をすくめる。


「何にもねぇな。魔物の一匹も出てきやがらねぇ」


だが、情報屋ギルドの者が続ける。


「……ですが、奥地の方で若干の動きが確認されています」


「どういう事だ」


レオンハルト様が問う。


「詳細は不明です。ですが、魔物の一部が動き出しています」


「しかも通常個体ではありません。纏う穢れの量が異常……強化個体と推測されます」


その言葉に、空気が一気に張り詰めた。


「強化個体……厄介ですね」


カイ副団長が表情を歪める。


さらに報告は続く。


「他の魔物は依然として動かず、その場に佇んでいます。そして――魔物の穢れは薄くなっています」


その言葉に、背筋が冷える。


本来ならばあり得ない。


魔物が集まりながら、穢れが薄いなど――。


異常は、明らかに一箇所へと集約されている。


――奥地の“何か”へと。

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