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盾にされた私、異世界ではただの猫です  作者: 蛇目菊 欲狐
第1章
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40-異変の兆し

――やっぱり、何かできることはしたい。


冒険者ギルドを後にして、改めてそう思う。


感謝されて終わりではない。

今もなお、魔物は増え続けている。


ならば――

それに対して、自分にできることを見つけなければならない。


ここまで温かく受け入れてくれたこの領地が、魔物に侵されるなど――

見過ごせるはずがなかった。


先ほどのような使命感や義務感ではない。


これは――

自分の意思だ。


だからこそ。


今の自分にできることを、見つけなければならないと強く思う。


「……逆に張り切らせてしまったな」


エルリックさんが何かを呟いているが、気に留める余裕はなかった。


何ができるだろうか、と考える。


魔法石への魔力補充。

使い切られたものに、光だけでなく、水、土、火の魔法を込めれば――戦場での助けになるかもしれない。


あるいは、ポーションや薬の素材。

まだ手持ちに残っているものもある。それを渡すのもいい。


そんなふうに思考を巡らせていた、その時だった。


「おい……なんだ、あれ……」


街の住民が、驚愕の表情で空を指差す。


その視線を追い、顔を上げる。


――どす黒い雲が、渦を巻いていた。


あの方向は――森だ。


気づいた瞬間、身体が先に動いていた。


――あれは、何……?


即座に鑑定をかける。


……ただの雲じゃない。


穢れを纏っている。

それも――異常なまでに濃い。


領地の防壁へと辿り着く。

風魔法で一気に駆け上がり、森の様子を見渡した。


穢れを帯びた雲は、森の奥地で渦巻いている。


幸い――

今のところ、こちらへ流れてくる様子はない。


だが。


魔物たちの動きがおかしい。


まるで吸い寄せられるように、森の奥へと向かっている。


――……どういうことなの……?


「……異常発生」


気づけば、隣にエルリックさんが立っていた。


険しい表情で、雲を睨みつけている。


「……領主様に報告。危険――恩猫様も離れる」


短くそう告げると、私を抱え上げ、そのまま駆け出した。


腕の中から、振り返る。


森の奥で渦巻く、あの黒い雲。


――一体、何が起こっているの……?


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