姉を殺された不遇姫、復讐の化身となる　〜殺戮将軍と大都督。二人に愛された私は、黒幕を盤上から駆逐する〜

姉の命を奪ったのは、敵国の王太子だった——。
復讐の刃を胸に秘め、白楊国の不遇姫・玉蓮（ぎょくれん・１６）は修羅の道を選ぶ。

彼女がその身を投じたのは、自国の英雄にして敵味方から恐れられる『殺戮将軍』・赫燕（かくえん・２５）。
冷酷非情な彼の「闇」を利用しようとした玉蓮だったが……。

「覚えておけ。お前の首輪は、俺が持つ」

戦場での冷徹な顔とは裏腹に、夜の天幕で見せるのは、全てを焼き尽くすような独占欲と、蕩けるような甘い熱。
彼の狂おしいほどの愛が、玉蓮を強く美しい女へと覚醒させる。

だが、運命は彼女をさらなる流転へと導く。
出会ったのは、敵国・玄済国の最高権力者にして『天才軍師』の大都督・崔瑾（さいきん・２４）。

「私の想いは、あの桃の木の下で告げた通りです」

赫き炎のような将軍と、蒼き水のような軍師。
立場も性格も違う二人の英雄が傾国の公主に囚われる。

玉蓮に託されたのは、一本の匕首と、国を滅ぼすための証拠。
悲劇の姫はもういない。
彼らの「愛」と「策」を継いだ玉蓮は、諸悪の根源である黒幕へ、最後の盤上遊戯を挑む！

——闇を抱く白菊。天命の盤。復讐姫は、二人の英雄の腕の中で咲き誇る。

涙と愛が交錯する、中華大河ロマンファンタジー。