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すべての生きとし生けるモノ達へ  作者: みゃ~むら
オニカド編

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思わぬ再会 sideアレン(part14)

早朝のデンドロビウムとの試作兵装のテストや様々な確認事項をあわただしくこなし、遅めの朝食を摂ったのち。気づけば時間はすでにお昼に近い時間だった。


いよいよ明日、未知の領域へと出港するための最終ブリーフィングが始まった。

案内されたのは、前回、人間領との遠隔会議でも使用したあの重厚な中央会議室。

円卓を囲むように、機械国が誇る3機神であるギア、デンドロビウム、エデン、そして鬼族のセツナさんが座る。

対面には俺とセシル、フェリクセン。そして――なぜか俺たちのすぐ隣に、見慣れない「もう一人」がちょこんと腰掛けていた。


その少女の装いは、可憐さと無骨さが奇妙に同居したものだった。

ボリュームのある淡い水色のロングヘアが目を引き、爛々と輝く新緑の瞳がこちらを真っ直ぐに見つめている。頭部には猫耳「風」のセンサーと思われるシャープなデバイスが、可愛らしく施されていた。

彼女が纏っているのは、機能美を極めた戦闘ドレスだ。白ベースのノースリーブトップスの下には、身体のラインに吸い付くようにフィットしたダークグレーのメカニカルスーツ。一見するとしなやかな布地のようだが、よく目を凝らせば、微細な発光ラインや精緻な可動パーツが随所に組み込まれているのが分かる。両腕の運動性能に特化したそのスーツの上から、ショート丈の白いジャケットを羽織り、首元には鮮やかな赤いネクタイを小さく揺らしていた。

腰回りの硬質な白い装甲ベルトの下には、ブルー、白、黒で彩られたフレア形状のミニスカート風装甲が広がる。丸みのあるスタイっリッシュなカッティングのアウタースカートの隙間から、真っ黒なインナースカートが覗く精緻なレイヤード構造だ。足元はバーニア(噴射口)が内蔵された重厚な白いメカニカルブーツで、優れた脚さばきと圧倒的な機動性を予感させた。


「だ、誰なんだ……?」


隣に座るフェリクセンがコソコソと俺にしか聞こえない様に耳打ちする。だが俺もフェリクセンと同じ感想だ。


「分からない。今回の作戦の追加メンバーってことじゃないか?」

「変な話かもしれないけど……なんか妙に既視感ないか……?」

「そうかぁ……?」

フェリクセンが眉をひそめて囁き、俺も小声で応じる。

「アレン、あなたちょっと聞いてきなさいよ」

話が聞こえていたのかセシルに背中を小突かれるが、正直誰だか分からない相手に声をかけるのは躊躇われる。

当の本人は、こちらが困惑している事に気づき、ニコニコと楽しそうに横目で見つめていた。

見た目の年齢は俺たちの2、3歳下に見えるが、この子にも歳などという概念は存在しないだろう。

その洗練されたボディの質感からして、彼女が機械人であることは間違いなかったからだ。


「じゃあ、さっそく始めようか」


ギアが淡々と進行を始めようとする。

俺たち3人がまだ戸惑っている間に、ブリーフィングの幕が上がってしまった。

「……と言いたいところだが、3人はどうしてもその子が気になって集中できないようだね」

ギアがディスプレイから視線を外し、俺たちを見てフッと電子音混じりの息を漏らした。

「ええ……あの、こちらの方は一体?」

俺は恐る恐る、その金髪の少女へ視線を向けながら尋ねた。

すると、彼女はふわっと金髪を揺らしながら、身体をこちらに向けた。

「え〜、わかんない? ちょっとショック〜!」

ぷくーっと頬を膨らませて怒りの表情を見せる。その仕草といったら、デンドロビウムさんのように人間と見紛うほどに豊かだ。

「アレン君、本当にわかんないの?」

彼女は席を立ち、座っている俺へと距離を詰めてきた。こちらを見下ろすように、覗き込んでくる新緑の瞳。

「俺、ですか……?」

図らずも敬語になってしまう。

本当に身に覚えがない。じーっと至近距離で見つめられると、その可愛らしい容姿と声も相まって、どうしても気恥ずかしさが勝ってしまう。おのずと顔が熱くなるのを感じた。


「アレン、鼻の下が伸びてる。照れてる」


セシルにジト目で睨まれるが、これは俺が悪いのだろうか。俺だって男だ。こんな可愛らしくも愛嬌のある女の子に至近距離で見つめられれば、照れもする。

「全く、何をしてるんだ。時間が惜しい。悪ふざけはやめて早く種明かしをしてやれ」

エデンが腕を組んで呆れたようにため息をつき、鋭い声を出す。その様子を面白そうに眺めていたデンドロビウムさんが、いひひと悪戯っぽく笑った。


「そこにいる子は、ピピだよ」

「「「!?」」」

「そうです! じゃじゃーん、ピピでしたっ。てへっ」


俺たち3人は、そのセリフをにわかには信じられなかった。

当の本人は、パチンとウインクしながら可愛らしくピースしてみせる。デザインラインの方向性が変わりすぎていて完全に別人なのだが、本当にあのピピなのだろうか。

「いやぁ、ただ修理するのも味気なかったからね。フルでリワークさせてもらったよ!」

デンドロビウムさんが自慢げに胸を張る。

「いや、最早改修っていうレベルじゃなくて別人じゃないですか!?」

「ふふん、デンドロビウムさん監修の元、お顔もバッチリ可愛くしてもらいました( ゜∀゜)!」

「……なるほどな。中々面会させてくれなかった理由はこれだったのか」

フェリクセンが納得したように深く腕を組んだ。セシルはといえば、目を輝かせてピピの隣に身を乗り出している。


「ピピちゃん、すっごく可愛いーー!」

機械国の技術力、恐るべし。たった数日でこんなにも全てが変わるものだろうか。外装のボディも髪型も、何もかもが一新されている。

「前回のデザインは少々挑戦的すぎた設計だったな。実験機としては面白かったが」

エデンの言葉に、ギアが静かに頷いた。

「思いついた時は先進的で面白いと思ったんだけど……初期の仕様はみんなとのコミュニケーション面でちょっと困らせちゃうことも多かったからね。ピピちゃん自身にも不自由をさせちゃったと思ってさ」

「いえいえ、あれはあれで楽しかったですけどね!」

ピピはニコッと楽しそうに微笑む。何か新鮮だ。

「ふむ、今後の貴重な開発課題の一つだ」

「本当に中身はピピのままなんですか……?」

リワークと言っていたが、外見だけでなく振る舞いまでここまで変わると、やはり不思議な感覚だった。何か内部的に性格を変更していないのだろうか。

「アレンさん! 元から私はこれくらい元気です!」

「言われてみれば、ハキハキした話し方とかの芯の部分は一緒かも……」

「セシルさん、さすがです! よく分かっておられる!」

意気投合した二人は、なぜか席を立って謎のハグを交わしている。女性同士(?)仲が良さそうで何よりだった。


どうも&初めまして!

みゃ~むら、です!

お読みいただき、誠にありがとうございます。

感想、レビューお待ちしてます!


皆様は最近、新しいことを始められた事がありますか?

ここでいう新しいことっていうのは趣味、嗜好的な意味合いです。

自炊を始めてみたとか、前から気になっていたアウトドアに手を出してみたとか、なんでも良いです。

話題の本を読んでみた、なんてのも良いですね。

特段そこまで大きなことでなくても良いです。

料理であれば作ったこと無いジャンルの料理を作ってみたでも良いですし、最近できた近所の小料理屋さんに入ってみたでも本当になんでも良いです。


普段から私たち、特に日本人(私もそうですが)結構引っ込み思案というか、守りに入りやすい事が多いのでは無いかと思います。いつもの馴染みのお店、みたいな事ですね。

いえ、それも大変素晴らしい事だと思います。

そこでできた関係性は唯一無二ですから。


でもたまには。

好奇心を働かせて、色々な事に挑戦していきたいなぁ、と常日頃思いながらも。

いつも行っているラーメン屋さんに入ってしまう私なのでした。

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