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すべての生きとし生けるモノ達へ  作者: みゃ~むら
オニカド編

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幕間:今は遥か遠き sideコスモ

ラグナが去り、再び静寂の檻へと戻った、どこまでも果てのない真っ白な空間。

その虚無の中心で、白髪の少女――世界の創造主であるコスモは、ただ一人ぽつんと佇んでいた。

その姿は儚げな子供のようでありながら、その瞳に宿る深淵は、人間種には想像も及ばない遥か太古の記憶を静かに内包している。


彼女は、この世界とは違う場所で生まれ落ちてから今まで、数え切れないほどの永い年月を数え、果てしのない次元の旅を続けてきた。

そこには、星の数ほどの数え切れない旅があり。

数え切れないほどの瑞々しい出会いがあり。

そして、それと同数の、胸を締め付けるような切ない別れがあった。


永すぎる孤独の旅の果て、コスモはいつしか、己のすべてを注ぎ込める「自分だけの世界」と、その閉ざされた熱と孤独を分かち合える「友」を切望するようになっていた。

だからこそ彼女は、己の全能の魔素をかき集め、自身の理想のすべてを具現化した奇跡の箱庭――この世界『コスモス』を作り上げたのだ。


最初からすべてが上手くいったわけではない。

荒唐無稽で壮大な創造を思いついてから、現実に世界を結晶化させるまでには、星がいくつも生まれては消えるほどの果てしない年月を要した。それは言うまでもないことだろう。

暗黒の虚無に最初の光を灯し、太陽を浮かべ、逆巻く海で全てを満たし、確固たる大地を築く。一つひとつの営みを、それはそれは丁寧に、愛おしそうに慈しみながら作り上げていった。


そして世界の仕上げとして、最後に「命」を吹き込んだのだ。

その子らと、ただ対等に仲良くしたい。共に楽しいことを分かち合いたい。

ただそれだけの無垢な想いから、世界に彩りを添えるべく、人間種以外にも獣人種、海人種、竜人族といった様々な愛らしい種族を創造した。

神としての彼女は、自らの手で完成させたこの多様性の庭に、この上ない満足を覚えていたのだ。

だからこそ――その愛した子供たちから、背後を刺されるようにして「裏切られた」あの日は、少しばかり予想外の出来事ではあったのだが。


千年前のあの日。

その裏切りの現実を突きつけられた時、コスモの心を満たしていたのは、裏切られたショックなどでは毛頭なかった。


彼女はむしろ、身震いするほどの猛烈な「歓喜」に包まれていたのだ。


誤解しないでほしいが、神たる彼女は、決して生命同士が血を流し合う悲惨な闘争そのものを求めていたわけではない。それは天地に誓っても言えることだ。

だけれども。


自身の手によって捏ね上げられ、生み出されたはずの、自身よりも遥かに脆弱なはずだった種族たちが。

彼ら「独自の価値観や考え」を抱き、あろうことか創造主の喉元を噛みちぎろうと行動を起こしたのだ。

その事実に、ただ魂が打ち震えた。


それはまさに、生まれ落ちた生命たちが私の手から完全に離れ、己の足で自立した「歴史的瞬間」であったとも言えよう。


これが人間のいう「親心」というものなのかは、神である彼女には永遠に判らない。

けれど、心から愛した我が子たちから容赦なく反旗の刃を向けられ、この真っ白な檻へと追いやられ、眠りにつくあの瞬間。

コスモは生まれて初めて、自分という存在の内に確固たる「自我」が強烈に芽生えてくれたような、あるいは未知の親心に触れたような、至高の感動を味わったのだ。

それは彼女の気の遠くなるような生涯において、最も記念すべき祝福の瞬間だった。

――正直、少しの寂しさが胸の奥にくすぶっていたのも、事実だけれど。


だからこそ、私の独善的な理想に反旗を翻し、命を賭して立ち上がった千年前の猛者たちを、彼女は今でも心の底から祝福していた。


そして――。

先ほどまでこの空間で、呪縛の痛みに喘ぎ苦しみながらも、生意気にも創造主に牙を剥いて啖呵を切ってきた人間の少女、ラグナに対してもそうだった。


今、コスモは人生で二度目の――神たる自身に「人生」というちっぽけな単語が適しているかは不明だが――魂の輪郭が激しく打ち震えるほどの、圧倒的な感動を覚えていた。


目の前で自分を親の仇のように激しく睨みつけ、私の愛した世界ごと、神の理想を完璧に壊してみせると宣言した、あのちっぽけな人間の少女の烈しい拒絶。

神である自身には、人間のようなドクドクと脈打つ心臓も、思考を巡らせる脳といった不完全な肉体組織も、生きるために不可欠な内臓などは存在しない。純粋な魔素の結晶体が、少女のカタチを模しているに過ぎないのだ。

だが、それにもかかわらず今、この形を持たない胸の奥底から、うるさいほどに湧き上がる激しい「高鳴り」の正体は、一体何なのだろうか。


神は決して万能ではない。

ありとあらゆる万象の因果も、そのすべての選択がもたらす無数の結末も、流転し変転し続ける運命のすべてを完璧に把握しているわけではないのだ。


少なくとも、コスモという神はそうだった。

だからこそ、自身の手で生み出したはずの愛しい駒たちが、自分の想定した予定調和の枠を、因果の鎖を軽々と飛び越えて、己の強靭な意思で私に牙を剥こうとする――この瑞々しくも生々しい感慨深さは、何者にも代え難い至上の喜び、最高の娯楽だった。


本心は平和を望み。

しかし、そういった裏切りの事象には感動を覚えている。

我ながら、矛盾しているかもしれないな、と思う。


溢れ出る極上の愉悦を隠そうともせず、白髪の少女は、誰もいない真っ白な世界で、ただ一人だけの妖しくも美しい笑みを浮かべた。

「やっぱり……少しばかり寂しいわね」

物理的な距離など意味をなさない神の天庭で、その呟きは静かに霧散していった。



かつて、私は皆を導いた。

そう――「かつて」、だ。


既にこれは、私の物語ではなくなったのだろう。

導き手としての私の役割など、とうの昔に終わりを迎えていたのかもしれない。

もう、私が舞台に立つ幕など無いのだ。


――だとしても。

私の希望。願い。理想。魂。そして、引き継がれる意志。

たとえ時代が移ろい、紡ぐ者が変わろうとも。

この胸に抱き続けた想いだけは。

どうか……絶えることなく、届いてほしいと願ってしまうのだ。

どうも&初めまして!

みゃ~むら、と申します!

今回もお読みいただき、誠にありがとうございました!

感想やレビューお待ちしております。


皆さんは最近ハマっている事はありますか?いわゆるマイブームってやつですね。

私はあります。ここでカミングアウトするのはどこか恥ずかしいので、しませんが。

ハマっているものがあると、すごく楽しく無いですか(語彙力皆無)。


具体的にいうと、仕事終わりとか休日とか。

それこそ、食事や寝る間も惜しんで何かに没頭できますよね!?ね?ね?(同調圧力

もしなければ、まだまだこの世界には色んなコンテンツやアクティビティが存在しているので、

怖がらずチャレンジしてみてほしいなと思います。

ちなみに自分は、どハマりしてしまう事が目に見えていたので手を出していませんでした。

けどネットのフレンドさんがやってみなよと進めるから、「じゃあ、してみるか〜」って軽い気持ちで手を出してものの見事にどハマりです。

おかげさまで、まともに執筆する時間がとれt……あ、なんでもないです。気にしないで下さい。


皆さんのマイブームに私の小説も入れるぐらいになれる様頑張っていきます〜。

次回もお楽しみに!

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