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赤翼物語  作者: ヤタガラス
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隻眼の巨兵

ストレスヤバい

急いで第三格納庫の扉を開け内部を確認したが。

「あぶねぇ」

「急にとま―何であの機体があるんだよ」

中に居たのは大戦で使われたモノアイカメラと戦車を彷彿とさせる装甲と外見を持つアメリアのAR、m43マスタングだ。

「どうやってここまで侵入したんだ?」

「コナーさん」

「君たちが来るまで気絶していたから何があったのかは分からない、すまない」

「墜落から一時間後に格納庫の方に大きな音がなっていたのでその時に侵入したのでしょう」

連れのオートマが答えた。名前聞いてなかったなぁ。

「成層圏からの落下でコンテナが破損するのか?」

「事例が無いので分かりませんが墜落時のアナウンスにコンテナの破損の物が流れなかったのでそれは無いはずです」

「とにかくあれをどうにかしないと、対装甲火器は…持ってきてなかったなそういや」

まぁ今回はエネルギー源の結晶の回収及び原因調査だししょうがないが。

「どうする?これじゃ回収所の話じゃないぞ」

「この船の積み荷には結晶以外に何がある?」

「確か歩兵用火器にARの武装とオプション装備が積まれたはずだ」

「船外活動用のパワーアーマーもありましたね」

確か広く使われているのは乗り込み式の奴だよな、だったら。

「…よしPA(パワーアーマー)でアイツに挑む」

「この状況で頭がイカれたのか?」

「ARのオプションならPAでも使えたはずだ、ガレリアの話で聞いた」

「だが無謀だぞ!」

「このまま俺達の物資が反乱組織に渡るんだぞ、それにこの星の人の命に関わる!」

出発前に説明されたように今回の輸送艦にはこの星のエネルギーに関する物資が積まれている、これを手放せば少なくない命が亡くなる。

「君達は派遣されて来たんだろ?それなら母艦から援軍を呼べばいいんじゃ」

「それが出来たら苦労はしませんよ、さっきからノイズが激しくて通信が利かないんですよ」

「太陽風の影響かな」

「あれって成層圏だけなんじゃ」

「その先聞いて無かったのか?強い奴だと星の磁気を突き破って来るんだよ」

そう言えばそうだった、あんまり使わない知識だしなぁ。

「けど太陽風はもう過ぎ去ったハズなんだがなぁ」

「まぁ気にしていてもしょうがない、さっさと動くぞ!」

「あいよ」

「しゃあねぇ、やるか」

この中で素早く動けるのは俺で内部に詳しいのはオートマだから。

「俺とオートマでPAを探し残りはARの武装の確保及び敵の探索を頼む」

「合流は?」

「出来れば広い所がいいけどあのARや他の敵に見つかるかもしれないから…」

「第6格納庫はどうでしょう、あの場所なら武装もありますし後部艦橋近くなので艦橋の機器から船体後方の隔壁を動かせます」

「PAも後方の方にあったハズだ」

「それでいこう」

二手に別れあのARをどうにかするために動いた。


「まさかこっちが占領されてるとは」

「幸いPAは使われてないようです」

よく見たら占領しているのは機械歩兵だ、船内に侵入した奴と同じ奴だろう。

「グレも使いきったし不味いな、これじゃらちが明かない」

「私の装甲でもあの弾幕は厳しいですからね」

ふと足元に違和感を感じた為下を向いた、目の前で弾幕をはっているあの人形の残骸があった。

「次のカバーまでコイツらを盾にするぞ!」

「確かに、対人重視の銃を装備している奴らの装備では抜かれることは無いでしょう」

アメリアの制式小銃は対人に特化した小光景の物で装甲物相手にはかなり厳しい、まぁ携行弾数の増加や装備の重量を押さえるのも視野に入ってるから一概にも否定はできない。

「…こっちの制式小銃を防げる装甲なら突破できるんじゃなかったのか?」

「先の戦闘で服の下にあった装甲は使い物にならなくなってしまいましてね、意外にも脆いのですよ。貫通の低い弾とは言えあの数を撃たれればこっちが先にスクラップです」

「一体何を相手にしたんだ」

「持ち込まれた物には12.7mmの重機関銃もありましたね、それら全て我々オートマがどうにかしましたが」

「わぁお」

重機関銃の陣地に突っ込んだのか、想像するだけで身震いする。

「話は終わり、これを盾にしてコイツらを突破するぞ!」

「了解」

残骸になっているあの人形、暗いしマズルフラッシュで確認しずらかったが頭部の格納機能や各部の装甲の多さから見るに大戦後期で使われたHO-55のようだ、こんなのが入ってきたのか。

思ったより重いが背中に装備を懸架するためのパーツがあった為盾にして持つのは難しくない。

「しっかしなんであんな場所にこいつの残骸があったんだ」

「後部艦橋とは言え人が居ましたしその人達が出来る限りの抵抗をしたのでしょう、もう死体になっていると推測できますが」

「よーしそれ以上言う」

喋るとは言え機械の人に対する物言いが少し心臓に悪い。

「よし着いた、まぁ抵抗したならここにもあるよな」

「次はどのタイミングで?」

「また相手の弾倉交換の時、レートの遅さと長い発射時間からLMG(軽機関銃)だろうからその隙に攻め込む」

「了解、私もついていきます」

さっきも交換時に次のカバーまで突破したが相手は学習していないようで全員が弾倉交換に入った、リベントの喋らないオートマでも学習するぞ。

「今だ!」

小銃を装備している奴もいたが一つ二つ程度、それも装甲盛って動きの遅い人形の照準じゃこちらに当てられない。

距離にして15m程、ジャンプキットの加速も合わせた走りはすぐに過ぎ去る距離である、艦橋に着いた頃にはまた装填中で反撃できない人形を9mmライフル弾が貫いた。

「後は居ないか?」

「手足がもげてますけとこれもやりますか?」

「コイツって自爆したかなぁ…分かんないしやるか」

名前や外見は知ってるけど仕様や作りは分からないからな。

「よしPAは無事、艦橋の機能も生きてる。それより動力炉まだ生きていたのか」

「再起動をしたのでしょう」

「多分人形に制圧させた後に人間が来て起動させたのかな?後はまた人形に任せたのか」

えーとPAの解除はどれを弄れば。

「失礼」

「何する_わぁ!」

オートマの左手が接続端子に変形しコンソールにアクセスした。

「驚いた、そんな機能があるのか」

「我々、特に貴殿方と話せる個体は階級が与えられるので機器の操作の為の機能があります。私は古いのでこうするしかないです

が」

「え、階級あるの?」

「軍曹ですね。ついでに名前も伝えてませんでしたね、コータスと言います短い間ですがよろしくです」

「あ、はい俺はタカミヤ・リュウジと言います、呼びやすい方で結構です」

なんか勢いで名乗ってしまった。



HO-55:アメリアが開発した局地戦闘用軽量人型兵器。頑丈にそれでいて安くするための工夫がされており大戦時にはアメリアの同盟国に大量にばら蒔かれ(当時の)歩兵火器では破壊が難しい本機はかなり活躍した。安く済ませるため搭載されているAIはかなりお粗末だが射撃能力だけは敵国の物と互角、だがその重い重量のせいで近距離で高速で移動する物体には弱い。


人類はありのままの姿が志向であり頂点だ、亜人と戯れるあの国は理解しかねる

―アメリア連邦兵器技術者―

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