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赤翼物語  作者: ヤタガラス
20/42

ライブファイヤ

20話に突入。よく続いたもんだ

小気味良い金属音が鳴り響いた。

「あの距離の的を当てられるのね」

確かに250mの的を当てられたのは自分でも驚いたよ。

「狙撃者に比べたら格下もいいところだよ」

本職の人は感覚で当てるからホントどうかしてるよ。

「貴方は何が得意な銃はあるのですか?」

「得意な物があると言うより苦手な物が少ないって所かな、一通り扱える自信はあるけど」

苦手な物と言えば擲弾砲ぐらいか?あ、歩兵用光学火器も慣れてなくて苦手だったな。

「凄いですね」

「昔は訓練ぐらいしか娯楽しか無かったしな」

「…一応戦後生まれですよね?」

「終戦直後に生まれて今年で17だな」

ゲームなんて興味無かったしもっぱら本とARと軍事訓練の日々だったな。

「今は色々趣味が出来たから昔に比べれば腕は落ちてるかもね」

「向上心はないのですか?」

「必要なのは取って後はほっとく癖があるからなぁ、まぁ必要なら練習するし状況に応じて臨機応変に事を進めるよ」

今度は移動目標にするか、職員に頼んでデコイを出してもらった。昔はいくらでも使えるデコイなんて居なかったらしいからな、便利だな。

「先程と同じ距離ですけど大丈夫ですか?」

「一発で当てられないし練習だよ」

止まって居るならスコープのメモリを参考にして撃てば大体やれるが動いていると弾着までの時間と相手の速度を考えてやらないと当たらない。偏差射撃と言う奴だね。

「ありゃ」

「外れ」

「今度こそ…当たった」

当たるもんなんだな、まぁマークスマンやスナイパーになるつもりは無いし適度にやるか。


「マリーは…スティールチャレンジか」

近くに居たマリーが居なかった為気になったがスティールチャレンジか。確か5個ぐらいの的をどれだけ速く撃ち抜けるかの競技だったな、SGでやるのか。

「ポンプで大丈夫なのか?」

「本当ならレバーですが生憎(あいにく)修理に出していましてね、ですが大丈夫です」

遠距離射撃の為に伏せから立ち上がってマリーに聞いたがポンプよりレバーの方が早いのか…あれコッキング事に構造を痛めるらしいし別の構造に比べて耐久性が無いから殆ど出てないんだよね。スピンコックはカッコいいけどな。

「見学いいかな?」

「どうぞ、流れ弾には気をつけて」

たまには見学も良いだろう、出来ればその技能を見て覚えたいし。

判定役には機械人形がやってくれるらしくマリーが銃を構え用意したら開始の合図が鳴った。的との距離は15m程でまずは真ん中から撃ち抜き素早くコッキングし次の的も撃ち抜いた、すぐさま3つ目四つ目を撃ち抜き流れるように最後の的に当てた。

「タイムは…そこそこですね」

「あれでそこそこなんだ」

「これに特化した人はもっと早いですからね、私はこれ(SG)でしたが」

本来はハンドガンだったハズだからそれのタイムと比べても意味は無いのかな。

「やってみます?」

「早撃ちは苦手なんだよね」

長物(ライフル)でしっかり狙うのが染み付いているからさっと狙うのが少々苦手。一応軍で早撃ちはあんまり無いから大丈夫なハズ。

「アウグスが射撃場の中に!」

そんな声が射撃中だった人達にも聴こえてたらしく警戒を始めていた。この射撃場は当たり前たが居住区から遠くに建設された施設の為、原生生物が乱入してくる事がある。まぁここに居るのは銃の扱いに慣れた者達が集まる場所、アウグス程度は。

「大した事は無かったな」

「残りはこれで最後か?」

「一応周りの探索を頼む」

もう終わってるよ…。

何故か20mm砲やらミニガンがあったりするし下手したら軍よりも銃器の数が多い、武器庫かな?どうやら討伐には15mm重機関銃が使われたらしい。あれは確か200年以上前に設計されたすっごい古い奴だよな、エドガーが見たら涎垂らすぞこりゃ。

「あんなのがまだ、しかも稼働可能なのがまだあったのですね」

「うちの館長が古い銃のマニアでね、あの銃含めて古い銃は全部専用の技師に見てもらって稼働状態を維持してもらっているんだ」

後ろから昆虫人種の職員が話ながら出てきた。

「銃の博物館かな?」

「最新の銃もありますしあながち間違っていないですね、多分置いてない銃は無いでしょう」

「すげぇ」

この星にそれだけの銃を集めて尚且つ射撃場まで運営しているのか、すごい。

「銃を見てるだけでも楽しいのでこの星に来てからはずっとここに通ってますね」

「こんな所があるなんて知らなかったよ」

「この星にも幾つか射撃場はありますし大体が居住区に近いですからね、移動の容易さや安全性でここに来る方は少ないですけどね」

それでも射撃場の利用より銃の見学者の方が多いとボソッと言った、やっぱり射撃場だから銃を撃ってほしいらしい。

「良いところを知ったし友人にも教えるかな」

「是非教えて下さい、その際は丁寧におもてなししますよ」

対応やサービスも良かったし広めてもいいかな。いや人が増えれば面倒なのも湧くし、うーん。


「時間なので終わりにしますか」

「てっきり夜までやると思ったぞ」

午後5時ぐらいか、今は秋あたり(四季は存在しない、例えだ)だしもう暗い。結構明るくなる照明があるし射撃する分には問題はないがどうしてだ。

「家の事情で帰る事に」

「いっつも絡んで来るから忘れてたけど貴族だったな確か」

貴族と言っても自分勝手できる特権を持ってるわけではなく軍事関連の偉い人達の事だ。大体高い階級の軍人がここにあたる。

マリーの養父、コンウェイ大佐はネシア連邦の軍人で古くから続く古い家系らしい。今は確かネシア主力艦隊の一つの司令官だったよな。シャルルの経歴を調べてる時に知った。

「叔父様は優しいので大丈夫なのですが兄が…」

シスコンの仕業らしい、自由にしてやれよと思うが家族を心配する気持ちも分かるしあんまり否定は出来ない。

「けど妹であるマリーを思っての事だろうし頃合いを見て自分から言ってみたらどうだ?」

アイツが苦手なのもあるが自立することも大事だ。

「…分かりました、今までは私から言う事がありませんでしたが言ってみます」

「おう、納得してくれるといいな」

シスコンだし多分行けるだろ。




昆虫人種。いわゆる亜人と呼ばれる人達で外皮が昆虫に似た外骨格で覆われており胴体を覗く部位はモノコック(モナカを想像したら簡単)構造で出来ている種族で環境適応能力が高い。喉の構造は喋るのに適していないハズだが何故か話せるらしく未だ理由が分かっていない。希に純血種(普通の人間)に近い姿で産まれることもある

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