第4章 辿り着くは理想郷か 3
今日も、レベル上げ。今までの頑張りの末、第9層ボスまで進めた。巨大蛙、大狼、ジャイアントオーク、毒蛇。その1つ1つが、楽勝だった。回復薬2個程度使うだけで倒せる。
「もしかして俺にはこの手の才能があるのかな」
レベルはぐんぐん上がっていく。武器や防具も強くなっていく。
その間に、いろんなパーティから誘いがあった。
パーティを組むメリットは十分にあったが、経験値が山分けということなので、断った。ソロプレーヤーにかっこよさを見出していたのかもしれない。周りの人に合わせるというのが苦手だった。そんなコミュニケーション能力は持ってない。
第10層のボスはドラゴンだった。ゴリゴリの竜。いつかのトラコンの成れの果てだ。少しは手こずらせてくれるだろう。
ーーそう思っていた。
だが所詮、第10層。まだまだ序の口だった。
火は吹いてくるけど当たらない。遅い。知力もない。大技もない。今の俺には、トラコンと同等の強さと思えてしまう。時計回りに回転しながら間合いを詰めていく。
そして戦闘終了。楽勝だった。回復薬1つしか使ってない。
イージーモードか?それとも俺が強いのか?
「あれ? 経験値うまいな、ここ」
9層の2倍近くもらえる。破格だ。そんなに難しくないのに、大量の経験値が入る。無駄にタフだからスキル熟練度も上げられる。報酬もなかなかだ。こんなに効率の良い場所はない。
ーーそしてまた、レベル上げ周回が始まる。
ドラゴンを切り、
ドラゴンを倒し、
ドラゴンにスキルを打ち、
ドラゴンを殺し、
ドラゴンを切り、
ドラゴンを倒し、
ドラゴンにスキルを打ち、
ドラゴンを殺し、
少し休憩して、
ドラゴンを切り、
ドラゴンを倒し、
ドラゴンにスキルを打ち、
ドラゴンを殺し、
ドラゴンを切り、
ドラゴンを倒し、
ドラゴンにスキルを打ち、
ドラゴンを殺し、
ドラゴンを切り、
ドラゴンを倒し、
ドラゴンにスキルを打ち、
ドラゴンを殺し、
飯を食べて、
ドラゴンを切り、
ドラゴンを倒し、
ドラゴンにスキルを打ち、
ドラゴンを殺し、
ドラゴンを切り、
ドラゴンを倒し、
ドラゴンにスキルを打ち、
ドラゴンを殺し、
ドラゴンを切り、
ドラゴンを倒し、
ドラゴンにスキルを打ち、
ドラゴンを殺して、
ドラゴンを切り、
ドラゴンを倒し、
ドラゴンにスキルを打ち、
ドラゴンを殺した。
それくらいに俺は、ゲームの世界に飲み込まれていた。




