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7億円で、潰れかけのクラブを買いました ~数字しか見えない俺は、誰も数えない選手を集める~  作者: 猫の飼い主
第四章 予防 ―― 誰も、礼を言わない

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50/165

第50話 【朗報】サントス、めちゃくちゃ守るんだが【掌返し】

【B.ONE】潮見ブルーホエールズ 応援スレ Part65


601 名無しの潮見サポ

開幕、見たか

勝った

64-51


602 名無しの潮見サポ

>>601 見た

点、取れてないのに勝ったな

64点は、少ない


603 名無しの潮見サポ

でも、相手を51に抑えた

去年、この相手に前半で20点差つけられてたんだぞ


604 名無しの潮見サポ

サントス、点は6点だった

地味


605 名無しの潮見サポ

>>604 でもゴール下、ずっと立ってた

相手のドライブ、全部そこで死んでた

「壁」って感じ


606 名無しの潮見サポ

去年との違い、見てて分かったわ

去年は、ベイカーがゴール下を空ける→東が一人で埋める、だった

今年は、サントスがゴール下、東が外

二人で締めてる

東が、一人で二人ぶん走らなくてよくなった


607 名無しの潮見サポ

Part63で「点誰が取るんだ」「外したら最下位逆戻り」って言ってたやつ


608 名無しの潮見サポ

>>607 俺だわ

……すまん

点、取れなくても勝てるのな

守れば


609 名無しの他クラブサポ

おじゃま

正直に言う

Part63で「去年より弱く見える」って書いたの、俺だ

弱くなかった

点を捨てて守備を取る、って、こういうことか


610 名無しの潮見サポ

>>609 素直で好き


611 名無しのアンチ

まだ一試合だろ

たまたまだ


612 名無しの潮見サポ

>>611 それがな

開幕から、ずっとこれなんだよ

三試合やって、全部、相手を60点以下に抑えてる

守り勝ち、三連勝


613 名無しのアンチ

>>612 ……


614 名無しの古参

Part1から見てる古参だけどな

Part63で俺、こう書いた

「郷田が自分で選んだ駒だ、筋は通ってる」って

……通ったな


615 名無しの潮見サポ

郷田が、自分で獲った守備の駒で、郷田のバスケやってる

そりゃ、はまるわ

八年、それができなかっただけだ


616 名無しの古参

去年の掲示板で言われてたやつ、思い出す

「編成が、現場の邪魔してた」

今年は、邪魔されてない

現場が、駒を選べてる


617 名無しの潮見サポ

点取れる26点の外国籍を切って、無名の守備型を郷田に選ばせる

去年の俺なら、絶対反対してた

なのに、勝ってる


618 名無しの潮見サポ

>>617 獲ったのは郷田だろ

地元紙にそう出てた


619 名無しの潮見サポ

>>618 それはそう

郷田が選んだ

……けど、"郷田に選ばせた"のは、誰なんだろうな


620 名無しの古参

>>619 さあな

そこは、表に出てこねえよ

いつも通りだ


━━━━━━━━━━━━



「掲示板、静かになりました」


浜口が事務室で言った。


「静かっていうか……手のひら返しです。ベイカー放出、絶賛ですよ」


「そうですか」


浜口は少し笑った。


「オーナー、うれしくないんですか」


「郷田さんが、勝たせたので」


要はそう言った。それ以上は言わなかった。



だが、要が見ていたのは、勝ち星ではなかった。


開幕から、三連勝。守り勝ち。


その三試合、要はずっと、東の脚を見ていた。


今日の東はまだ走れている。サントスがゴール下を埋めているからだ。


だが。


去年、郷田は言った。「東は、あと半年ももたねえ。壊れる」と。


サントスが来て、東の負担は、半分になった。


半分になっただけだ。


シーズンは六十試合ある。連戦がある。遠征がある。半分の負担でも、六十試合を走れば、膝は減る。



要はパソコンを開いた。


去年、海外リーグの映像を漁ったのと、同じ時間だった。


だが今日、要が開いたのは、映像ではなかった。


数字だった。


他クラブの選手の、出場した試合数。離脱した日数。故障で消えた若手のその後。


どのクラブも、その数字を、あまり気にしていない。選手が壊れるのは、運が悪かったからだ、と思っている。


運じゃ、ない。


壊れないようにする仕事が、どこかに、あるはずだった。



一つ、目に留まった数字があった。


ある中位のクラブだけ、この数年、主力の離脱が、異様に少ない。


偶然かもしれない。だが要は、偶然という言葉を、あまり信じなかった。


その数字の裏に、たぶん、一人、いる。


そして、その一人は、たぶんどこかで、安く見られている。

――最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

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