挿話 劉明鈴の想い
香港で知り合った人たちの中で、明倫だけまだ子供です
無茶しないと良いのですが
劉明鈴は、自分が拾われた日を思い出していた
広東省の寒村に、明鈴は生まれた
貧しい家だったが、両親が健在なうちはそれなりに幸せだった
村の長老から、この子は明敏だから学校に行かせた方が良い
そう言われた時、両親は悲しそうな顔で首を振ったのを覚えている
両親が、疫病で二人とも死んでしまった
自分は、遠い親戚のある香港に送られた
わずかな荷物と、更にわずかな支度金を持たされた
親戚は、支度金を受け取ったが、それには意味はなかった
家事の手伝いをさせられ、残り物を与えられる毎日だった
その残り物の食事さえ、毎日ではなかった
食事が与えられない日が、三日続いた
思い切って家出をしたが、どこに行けば良いか分からない
疲れと、ひもじさで路地にしゃがみ込んでいた
その時、女の人の声が聞こえた
「大丈夫。怪我はない。」
「お腹が空いた。」と答えた
「お母さんと逸れたの?」
そう聞かれたので
「お母さんも、お父さんも死んだ。」
「親戚のうちに預けられたけど、ご飯食べさせてもらえない。」
と正直に話した
気が付くと、お屋敷の使用人部屋に寝かされていた
「起きた、ゆっくりこれを飲んで。」
と、重湯を渡された
路地で、声をかけてくれた女の人、りんお嬢様だった
看病を受けて、元気なったあと
お屋敷の大人の人達が、私をどうするか話し合う事になった
孤児院に連れて行かれるのが、決まりそうになった
その時、自分でも驚くほど大きな声で言っていた
「りんお嬢様といたい。」
涙が吹き出していた
その時、りんお嬢様に語りかけた婦人がいた
後から、この屋敷の奥様だと知った
「りんさん、こう言っているけど、あなたはどうしたいの?」
りん
「出来れば、そばに置いておきたい。」
奥様
「そう、ではメイドが足りないと思っていたから、メイド見習いとしてならおいとけるは。」
りん
「お願いします。」
この時、私のためにりんお嬢様は頭を下げて頼んでくれた
自分の命を助けてくれただけじゃない
私のために頭を下げてくれたんだ
こんな事を思い出したのは、奥様からもう直ぐ
りんお嬢様が故郷に帰ると聞いたからだ
奥様に思い切って、聞いてみた
「あの時、どうして私を雇ってくれたんですか?」
奥様は
「りんと一緒に住む様になってから、ショーンの態度が変わったの。」
「それまでは、自分の都合しか言わなかったのに、私の言う事も聞いてくれる様になった。」
「多分、りんのおかげね。」
「だから、りんのやりたい様にさせてあげようと思ったの。」
やはり、りんお嬢様は素晴らしい人だ
お嬢様の故郷に着いていく方法はないのかな
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