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3年目の春

りんは、帰る気満々ですけど、香港で知り合った人たちはどう感じているおでしょうね

りんが、香港に来て3年目の春が来た

上海の詩燕の店との交易も、軌道に乗ってきている


(そろそろ、帰る準備をしないと)


この丸2年、充実した生活をりんは送っていた

徳内村で育まれた才能が、一気に開花した時間だったと言える


(張・楊・李の3人にはどこまで言うべきかしら?)

(詩燕には、景文さんから薄々伝えているみたいだけど)

(明鈴は私にべったりだから、伝えるのは難しいわね)


本人は意識していなかったが

香港に来た時は、まだ子供ぽかった容姿は

もう、少女ではなく立派な職業婦人の卵となっていた


りんはこれまでの日記を読み返した

それは、むしろ紀行と読んだ方が良いものだった


(無我夢中で、飛び込んだ香港だった)

(思った以上に、多くの人と巡り会えた)

(そのおかげで広い世界を見ることが出来た)

(帰ったら、この事をちゃんと報告しなきゃ)


そう考えながら、りんは手元の本を見た

(紡績機というものを使えば、羊毛も糸にできるのね)

(今の徳内村では、毛糸しか作れない)

(細い糸が作れれば、布を折れる)

(事実、西洋では羊毛から作った布で服を作っている)


(でも、図面と説明だけではよく分からない)

(本物を、一台で良いから徳内村に持っていけないかしら)


(そうそう、色々種も送ったけど、他に欲しいものがある)

(苗木は持って帰れるかしら?)


候補になりそうなものを、日記に書き込むりんだった

「トォレとスズは、大きくなったかな?」

「二人とも、約束通り日記を書いているかな?」


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