家族の問題(ショーンの場合)
景文の嫁は、りんではありません
明日をお楽しみに
ショーンはベットの中で、中々寝付けなかった
その日、妻との論争の種であった息子の進路問題に決着がついた
息子の希望通り、スコットランドに戻って
エジンバラ大学で獣医を目指す事となった
話し合いが済んだ後、妻に言われた
「あれほど商人の後を継げと言ってたのに…」
「でも、ありがとう。」
息子には、
「エジンバラ大学は入りたいと思っただけで、入れるところではないぞ。」
と、一層勉学に励むことを誓わせた
ショーンは、りんの父であるジョーンズを思い出していた
「彼も商人になるのを、嫌がってたな。」
「もし、商人になってなかったら、りんは生まれなかったのか。」
皮肉なもんだと、ショーンは思った
彼が息子が学問の道に入ることを許したきっかけは
二人の商人の存在だった
「マルースと景文相手なら、自分は十分勝負はできる。」
「息子も、きちんと修行すればこの二人とならやりあえるだろう。」
「しかし、王大人のような人脈と懐の深さを持った相手には、歯も立たないだろう。」
「実際、自分も王大人の手のひらで転がされたようなものだ。」
「そして、りん。」
「彼女はいつの間にか、人の真ん中にいる。」
「決して損得勘定ができない訳ではない。」
「しかし、誰もが彼女の前で暴利を貪ろうとしない。」
「子供の頃、半分両親から捨てられたような境遇で、なぜ彼女はそう育ったのか?」
「できる事ならば、彼女の育ての親、最上夫妻と会ってみたいものだ。」
「今日の私の決断を、どう評価されるかな?」
そんな夜を過ごした翌日
フィツジェラルド商会に、王公司から手紙が来た
上海の商人を紹介したいから、都合を教えて欲しい
来られる際は、リン嬢も同行願いたい
「上海の商人も、日本市場に目をつけたか。」
まさか、それが景文の嫁取りとも関わっている事をショーンは知らなかった
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