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マルースの予感があたる

景文とマルースの会話劇です

景文とマルース

りんが毎週来るようになってから、一月後

マルースの商会に、王公司から一通の手紙が届いた

面会のアポイントを、求めたものだった


マルース

「ご丁寧なことだ、いつもの連中はアポイントなんて取らないで押しかけるのにね。」

「正式な手順を踏むとなると、来るのは甥の景文だろうな。」

「多分リン嬢がらみの話だろうな。」


面談の約束の日、マルース商会の応接室

景文が座って待っているところに、マルースが入ってくる


マルース

「お待たせしました、当商会にわざわざお越しいただくのは、初めてですね。」


景文

「お忙しいところありがとうございます。」

「今日は二つほどお話があります。」


マルース

(ここは率直に行くか)

「一つは、リン嬢の事ですか?」


景文

「流石にお見通しのようですね。」

「この店で、リン嬢の素性を探っている人間がいるでしょう。」

「誰が、どんな事を聞いてきたか、教えていただきたい。」


マルース

「あなたの嫁取りですか?」


景文、苦笑しながら

「残念ながら、それは違います。」

「彼女は、仕事が済んだら故郷に帰るつもりです。」

「私は香港を離れる訳にはいきません。」


マルース

「最近リン嬢と食事に行かれたと、小耳に挟みましたが。」


景文

「ええ、そこで故郷で妹のように可愛がっている、娘二人の話をたっぷり聞かされました。」

「しかし、これは私の個人的な話ではなく、新しい販路を守るためです。」


マルース

「日本との販路ですね。」


景文

「今が大事な時期ですからね、余計な嘴を挟まれてくない。」


マルース

「それは良いですが、私の報酬は?」


景文

「それが二つ目の話です。」

「マルースさん、商業情報紙を出しませんか?」

「費用は、王公司が持ちます。」


マルース

(金を積むより、関係性を深めて縛るつもりか)

「情報紙の発刊号に、ロシアの商会が日本への信用状発行の要望を、王公司へ持ってきている。」

「それを書いても良いのなら。」


景文

「良いですよ、ただし私へのインタビュー記事としてならね。」

(どうせ、すぐに広まる話だ)

(下手に隠すより、どう公表するかの方が重要だ)


一見、win-winの話しようだが、両者の思惑は少し異なっている

いずれにせよ、中堅商会のマルース商会と大手の王公司が手を結ぶと言う噂は

直ぐに、香港中に知れ渡った


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