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交易開始の一ヶ月後
蝦夷地と香港を中心とする東アジアとの交易は、うまく回り始めました
この権益について、周囲も勘づき始めます
ショーンは事務長が、りんが来て以来遠くを見るような眼をすることが多くなった、と感じていた
とは言え、事務そのものは順調に回っているので、さほど気にしてはいなかった
むしろ、事務員や使用人の雰囲気が柔らかくなった様に感じた
その原因の一つは、蝦夷地との交易が上手く回り始め
いきおい、ショーンの機嫌が良い事もあるだろう
直接的な売上・利益の向上も当然あるが、他の商会より蝦夷地の相場がいち早く知ることができるのも、大きな利点だった
台北の王公司支配人は、急に仕事が増えて疲労感を感じていた
日本とアジアの中継港としての荷が、今までのものに上乗せされたからだ
今までは、乾貨が直接日本から来る事はほとんど無かった
今や、石炭と乾貨は日本から来る物産の双璧になっていた
マルース、自身の執務室で
「最近事務処理が楽になったな。」
「王公司のものが、うちの商会の出入りを見張っている。」
「誰が来たかは、押さえているだろさ。」
「しかし、話しの内容迄は分からない。」
「景文あたりが、もう直ぐ来るだろう。」
「王大人その人って事は、無いな。」
彼女の予感が当たっていた
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