交易開始前の準備とドタバタ香港サイド
蝦夷地もドタバタしてましたが、香港も同じようにドタバタしてました
ショーンは、三者契約の作成にかかった
口のかたい弁護士と経理士に、依頼した
「とは言え、どっかから漏れるだろうな。」
「今頃、マルースのところは大忙しだろうな。」
「それはさておき、英語の原文から中国語と、日本語に訳さないといけない。」
「日本語は、りんさんに頼むしかないが、中国語訳は何処が良いやら。」
景文
「早速、くいついて来たところがあるな。」
「毒蛇が紛れ込まないよう、マルースの所にも監視が必要だな。」
「しかし、王大人はあの娘の何処が気に入ったのだろう?」
王大人、長崎の報告書の束をひっくり返している
「りんと言う娘の噂は、何処にも無いな。」
「長崎の連中がボンクラなのか、長崎に来たのが最近なのか?」
「あの娘の知識は異常だが、それ以上にちゃんと自分で考えている。」
「いくら出来の良い娘と言っても、それを伸ばせる土壌がなければ意味がない。」
「日本の島本屋か?」
「それとも、さらにその奥に秘密があるのか?」
マルース、自身の商会の応接間で商人と対応している
(一人に流せば、次の日は三人、その次の日は十人)
(これだけでも、利益が出るね)
(しかし、あの娘の奥には何があるんだ?)
マルースの店に行くようになってから、少し経った時からだった
りんはフィッツジェラルド商会の事務を手伝うようになっていた
「金銭の出納に関しては、流石に他人は見せられないわね。」
「でも、出納関係のやり方もせっかくだから覚えなきゃ。」
「ショーン様から、事務長さんにお願いしてもらってよかった。」
「やはり本で読んだだけじゃ、分からないこともあるものね。」
「この複式帳簿という仕組み、日本にも取り入れないといけないな。」
「実際にお金が動かない取引が多くなると、売り買いだけじゃわからなくなる。」
事務長以下事務員も、その覚えの早さもさることながら
出納業務をするお嬢様、という事態をどう理解すべきかわからなかった
りん
「和右衛門様にも、今度この仕組みをお知らせしないと。」
マルース、自身の執務室で
「最近事務処理が楽になったな。」
「王公司のものが、うちの商会の出入りを見張っている。」
「誰が来たかは、押さえているだろさ。」
「しかし、話しの内容迄は分からない。」
「景文あたりが、もう直ぐ来るだろう。」
「王大人その人って事は、無いな。」
台北の王公司の支店支配人
「景文様から、石炭ヤードを拡張しろと指示が来た。」
「どこから持って来るんだ?」
ショーン、商会の執務室で確認作業
「箱館で石炭と、指定された商品を交換する。」
「金額に差異があれば、為替で決済する。」
「台北で石炭を下ろして、為替で決済する。」
「台北で仕入れた物と、請け荷を積んで香港で為替を交換所に持ち込む。」
「後はこの逆周りだな。」
「しかし、島本屋の最初に注文が懐中時計と言うのは、意外だった。」
王公司の執務室
王大人
「いよいよ、日本との初取り引きか。」
「景文、蝦夷地の特産物と出炭地の調査は済んだか?」
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