りんの決心と更なる旅立ち
今回で長崎編を終わり、次回からは香港編が始まります
シリアスな本編に加え、りんちゃんの冒険日記を別だてで連載始めます
ショーン
「話を為替の決裁に、戻しましょう。」
島本屋
「日本じゃ異国の為替は割引けない。」
「香港で、日本の為替を割り引いてもらう方法があるか?」
ショーン、考え込む
「それには口座を開く必要があります。」
「その場合、代表者が行く必要があります。」
「英語が分かって、ちゃんと帳簿も契約も理解できる必要があります。」
そう言って、ショーンは黙り込んだ
島本屋も、意味を察して口を開かない
りんは、うすうす何かを悟った様子
大月良庵が、りんに向かって優しく言った
「助けを求められて、自分に助ける力があるのなら、助けてあげなさい。」
「でも、決して自分を犠牲にしてはいけないよ。」
次に島本屋とショーンを向いて
「お二人とも、りんの安全は保証できますか?」
「その場しのぎの言葉は入りません、誓えますか?」
島本屋とショーン、目を合わせ頷きあう
「誓いましょう。」
りん、二人に向かって
「3年、3年で私を徳内村に返してください。」
りんの香港行きが決まった瞬間だった
いよいよ後一月で、箱館と小樽で取引が始まる頃
箱館から長崎に向かう、島本屋の船に乗った
島本屋和右衛門も、その船に乗っていた
船頭は、アシリレプだった
沖合で西洋船と落ち合った
その船には、ショーンが乗っていた
西洋船からボートが降ろされ、島本屋の船に着けた
りんは、覚悟を決めてボートに乗り移ろうとした時だった
アシリレプが、メノコマキリを差し出した
一瞬戸惑うりん
アシリレプ、やや動揺しながら
「これはそういう意味では無い、トォレとスズがりんが遠くに旅に出てしばらく帰れないと聞いて、渡してくれと預けられたものだ。」
「守り刀として持って行ってくれ、二人ともおまえが帰ってくるのを待っている。」
りん、礼を行って受け取りボートに乗り込んだ
アシリレプと和右衛門は、船が見えなくなるまで見送った
和右衛門
「本当はそんな意味だったんじゃないか?」
アシリレプ
「大旦那、勘弁してください。」
「徳内村の大人衆を納得させる自信はない。」
「それにそんな事をしたら、コタンの若衆に矢をいかけられる。」
りんは、無事香港に着いた
本人とっても、日本にとっても大きな変化の始まりだった
誤字・脱字の報告コメントお願いします




