代官が村にやってくる
やっと村が動き出しました
ダメ息子の一馬あらため一之進
徳内と青山のタッグはどうするか?
数馬が母親に引きづられるように帰ってから、9年が経った春。
徳内は慌てていた。
徳内村は、アイヌ風と和風を混ぜたような家が並んでいる。
土間には竈門、煙突は床下と外に突き出す2系統。
ペーチカは全戸には付けられないので、学者先生、大工が工夫して作り出した床暖房。
滝川先生が、どこかでオンドルの記述を見つけて工夫したらしい。
家に入って徳内
「ふで、大小と裃は大丈夫か?」
「裃はちゃんと虫干しをかかさなかったから、大丈夫ですよ。」
「それよりあなた、大小の手入れはしていたの?」
奉行所配下という事をわすれているような青島から、来月代官が来る事を知らされたからである。
徳内慌てて太刀を抜くが、錆びている
「こりゃ、竹光で凌ぐしかないな。」
青島、呆れた顔をしながら毒を吐いている。
「見捨てるなら、見捨てたままで良いのに」
「まさか毛皮取引がばれたのでは?!」
「代官の名前は、酒井一之進か」
代官到着の当日
徳内と青島、大小裃姿で出迎える用意
近隣アイヌ代表として、今や族長を継いだ息子くん(シノッ)もいる
籠から代官が降りてくる
面を伏せたまま、徳内が挨拶をする
代官が笑いを堪えた声で返答した
「徳内さん、私ですよ」
面をあげる一馬徳内と村の集
「一馬じゃないか!!」
声がハモって全員コケる
青島相手が上席であることも忘れて
「一馬、嫁はどうした」
一馬あらため一之進
「江戸に置いてきた」
「いや〜〜、口うるさいし、猪肉を焼くと臭い臭いうるさいし」
「蝦夷地勤務でできた新しい御用、誰も手を挙げないので名乗り出た」
徳内、やや砕けた口調で
「村の年貢はどうなるんだ?」
「米の取れる土地じゃないんで、運上金の形になる」
徳内、青島に目配せしながら
「青島、明日帳簿を見せて差し上げろ」
一之進の方に向き直り
「一馬、いや一之進様今日はお疲れでしょうから、今日は歓迎の宴を開きますのでごゆるりと」
一之進
「様づけは良いですよ、なんなら昔みたいに数馬でも良いですよ」
ふで。一之進の袖を弾きながら
「江戸では肉を焼くのも苦労したとか、今日は鹿肉が手に入っております」
一之進、舌なめずりをして
「う〜〜ん、美味いんだよね〜〜」
徳内と青島、こっそり表帳簿と裏帳簿を確認する
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