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元家老、一線を越える
江戸時代の鎖国の裏口は主に三つありました、蝦夷地からアイヌ経由で大陸へ、対馬からちゅせん半島へ、薩摩から琉球へ
しかし、流石に兵器類は幕末の薩長連合まで記録はありません
薩摩藩は琉球を、松前藩はアイヌを隠れ蓑にして貿易をしていた
オランダから出島経由以外で買ったものでも、薩摩藩は琉球から買ったと言う、松前藩はアイヌから買ったと言う
逆もまた真なりで、薩摩藩は売りたいものを一旦琉球に売る。
松前藩は、一旦アイヌに売る
その先誰が買おうと、知らぬ存ぜぬだ
基本的には、真の買い手と顔を合わす事はない
しかし、元家老は今ロシア人と直面していた
物が物であるからだ
ロシア人の商人(?)が言った
「アトサヌプリ(硫黄山)からとれる硫黄が欲しい。」
硫黄が火薬の原料である事を、知らぬ元家老はない
しかし、元の商圏の3分の2以上奪われている松前藩にとって、それは魅力的な取引だった
彼は小さく呟いた
「お役御免になった男が暴走したと、いざとなったらそうすれば良い。」
そして、相手に返答した
「分かった。」
それは越えてはならぬ、一線のはずだった
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