行く人来る人
和馬は、江戸の動きを徳内衆に知らせる役目を持ちます
徳内村周辺は、平和ですが江戸表はこの頃から激動を迎えます
徳内の部屋、島本屋からの手紙を読んでいる
「うどん職人が見つかった、ほー、越中氷見の在か。」
高岡の港に寄った船頭が、独立したがっている職人を見つけたらしい
なんでも、次男で氷見では独立するなら別の商売にしてくれ、と言われてる
しかし、本人は培った技術を活かしたいそうだ
氷見うどんは、冬の間に風通しの良いところで自然乾燥させるとの事だった
「冬の間の、仕事ができるな。」
「油を使わないっても良い。」
「一之進を通じて、人別に加えてもらう必要があるな。」
それは昨年の秋の事だった。
春から動き出した北前船に乗って一組の夫婦が、箱館に着いた
和馬はこの春から、玄武館に入門することになった
箱館の奉行所の道場では、もう彼に敵うものは無かった
ゆいの影響か、和馬は武道に強い矜持があった
武士とは戦う者、と予々ゆいに言われていた
もう一つの理由は、自分は学問に向かないと言う自覚だった
江戸にいた時は、そこまで思ってはいなかった
が、徳内村に一緒に来たりんを見ていると、自分の非才がよく判った
とは言え、江戸に着いたら塾に通う事は決まっている
和馬の江戸での居所は、ゆいの実家となった。
旗本とは言え、分家の一之進では江戸に屋敷をもつことなどかなわなかったからである
箱館から出港して、新潟の港でおり、後は江戸おもてまで徒歩の計画だ
ゆいと一之進との別れは、徳内村で済ませてある
新潟行きの船に、乗り込んだ
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