村の母二人
りんちゃん、自分の心を初めて打ち明けました
一之進の左右に徳内と青島
向かい合って、ゆいとふで、その奥にりんが座っている
「りん殿に、その様な危うい事はさせられません。」
「忘れているかもしれないけど、りんちゃんは預かり物だよ。」
普段は対立する事も多いゆいとふで
何故かりんのこととなると、手を結んでガードする
どうやら、二人ともりんの事を娘と思っているらしい
りんも、人生の大事を相談するなら、長崎の実母よりこの二人と思っている
最初は困惑した、ゆいの薙刀稽古、ふでの帳面の付け方の授業も、今や無い日はなんだか忘れ物をした気になる
一之進
「奉行からの直々の依頼じゃ、断るわけにはいかぬ。」
青島の心の声
(俺がなんでここに座っているの)
徳内
「何かあったら、わしと滝川先生だけで責任をとる。」
お互いにしばらく睨み合い
りん、指をついて頭を下げる
声は最初は抑え気味で、最後は吐き出すように
「りん様、ふで様、お気持ち嬉しゅうございます。」
「しかし、りんはこの話受けとうございます。」
「りんはこの村に来て初めて、腹から笑いました。」
「この村の為になる事なら、りんにやらせてください。」
りんの手に涙が落ちる
振り返って息を呑む、ゆいとふで
正面に振り返って、ふで
「なんか合ったら、あんたが責任取るんだよ。」
同じくこちらは、指をつき頭を下げるゆい
「りん殿のことは、御奉行様にはどうぞ内密に。」
固まる三人
ちょっと引き攣った声で一之進
「あいわかった。」
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