コタンの日常
この世界線では、アイヌは松前藩の圧政と搾取に苦しめられず、和人と共存しています
トォレとスズが、コタンの子供達と徳内村から帰ってきた
道の整備が進んだので、冬でも交通が容易になった
最初は、春から秋までの寺小屋通いだったが、今年から冬にも行くようになった
とは言え、危険を感じたら徳内村に留まるように教えてある
トォレもスズも年下の子供の面倒をよくみる
すみは思った
「これも、りんちゃんの影響かね。」
トォレがすみに包みを差し出した
「これ、ふでさんから」
包みを開けると、南瓜と根菜だった
「保存がきくから、秋にとっても冬の間食べられるって、ふでさんは言ってた。」
「それと、これは寒さに強い野菜だって。」
「村で食べさせてもらったけど、甘かった。」
最近、村で栽培を始めた甜菜だった
「なんか、これから砂糖が取れるらしいって、滝川先生が調べてた。」
すみは、ふでからの注意書きを読んだ
「南瓜は硬くて乾燥しているから、じっくり煮込む。」
「甜菜は、さっと湯通しくらいでも食べられる。」
「今晩、頂くとしようか。」
シノッが帰ってきて、夕食になった
オハウの中に、南瓜とジャガイモが煮込まれていた
味付けには、味噌が使われていた
シノッ
「徳内先生が来てから、すっかり舌が肥えてしまった。」
「あの人が、コタンに初めて尋ねてきた時は、まだ親父も元気だったな。」
すみ
「あの時持ってきた米、なけなしのものだったんだよ。」
シノッ
「和人であんなに柔らかい人は、あの時が初めてだった。」
「まさか、こんなに行き来が多くなるとは。」
オハウを食べて
「甘いな。」
「トォレ、美味しいか?」
トォレ
「うん。」
シノッは、多くの幸せを徳内がもたらしてくれた事に感謝した
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