第6話:フライパンの音は鈍器の音
なんか通知来てんなーって見てみたらランキングされてて何かの間違いじゃないかと思った。(笑)
『――チュートリアル完了。プレイヤーをオンライン大集会所【グランド・コンコース・アセンブリ】へ転移します』
頭上に鳴り響くファンファーレとともに、キョウ。の視界を包んでいたのどかな平原が一瞬で切り替わった。白大理石の床、美しい青空、そして何万人ものプレイヤーのアバターが行き交う熱気。
ここからは、ついに他のプレイヤーと同じ空間を共有して遊べる「オンラインモード」の始まりだった。そして同時に、キョウ。の視界の右側で、ずっと白紙のままフリーズしていたコメント欄が、溜まっていたマグマが噴き出すように爆速でスクロールを再開した!
「うお、おおお!? コメント欄が動いたァァァァァ!! ネットが繋がったぞお前らァァァ!!」
【コメント欄:合流直後】
・キョウさんおかえりいいいいいいいいい
・ ネット開通おめでとうww 画面が生きてるww
・孤独なチワワ介護スカイダイビングお疲れ様でしたww
・あ! 前方にピカキンとセンキンおじさんいるぞ!!!
「え? マジ? ピカキンさんとセンキン先輩いる!?」
キョウ。が人の波をかき分けて進むと、大集会所の噴水前で、爽やかな白ブルーのジャケットを着たピカキンと、落ち着いた茶色のジャケットを着たセンキンが、並んで手を振っているのが見えた。
「あ! キョウ。さん! やっと合流できましたね!」
「おうキョウ! 待たせやがって、お前どこ行ってたんだよ!」
まともな人間の声。まともな仲間たち。過酷なチワワ介護の旅を終えたキョウ。は、感極まって2人に駆け寄った。
「ピカキンさぁぁぁん! センキン先輩ぃぃぃ! 聞いてくださいよ俺のチュートリアル!! 隔離された上に床が抜けてスカイダイビングが始まって(――ッ)」
ピタッ。
キョウ。が勢い余って大声を上げた瞬間、空間の音声が完全に消失した。ピカキンとセンキンの目の前で、全身漆黒のジャケットを着たキョウ。が、金魚のように激しく口だけをパクパクと動かしている。
「え? ……キョウ。さん? 急に口パクになっちゃいましたけど、フルダイブのバグですかね?」
「なんだぁ? 声が全く聞こえねえぞ? あいつ何言ってんだ?」
【コメント欄】
・ 早速佐藤さんのプログラム(大声ミュート)作動してて草
・合流1秒で音を消される男wwwwwwww
・ ピカキンたちの画面だと「急に黙って激しく口パクする不気味な黒ずくめ」なの無理ww
・ あ、足元のくろが2人のズボンをクンクンしてるぞw
「(ハッと気づいて小声になる)……あ、ごめん、今ミュート入ったわ。運営に奇声を検知すると自動で消音にされるパッチ当てられたわ」
「アハハハハ! お前どんなやらかししたら待機画面の時点でそんなパッチ当てられんだよ!」
「……あ、あれ? キョウ。さん、その足元にいるのって、チワワですか? めちゃくちゃ可愛いですねぇ!」
ピカキンがしゃがみ込み、くろの頭を撫出ようとした、その時。
くろ「……グルルルルル」
「うわっ!? なんか、可愛い見た目なのに、フルダイブの感覚で『ガチの威圧感』が伝わってくるんですけど!? 怒ってませんこれ!?」
「あ、ピカキンさん触っちゃダメ! こいつさっき俺にずっと踏まれてた上に時速200キロで地面に激突させられたから、今世界中のすべてを憎んでる状態だから!! あとこれ、ペットテスターの試験運用データらしくて、死んだら始まりの街(安全圏)に入るまで復活しないルールなの!!」
「なんだそれ!? チュートリアル終わったのに、お前だけまだ変なイベント引きずってんのかよ! アハハハハ!」
その瞬間、3人の目の前に【初期職業の選択ウインドウ】がポップアップした。選べる職業は「剣士・魔術師・錬金術師・鍛冶屋」の4つ。
「お、職業選択ですね! 僕は王道の『剣士』で行きます! 前衛でみんなを守る盾になりたいですからね、よし、剣士になったので、まずは『救助装備販売所』に行って、霧や吹雪でも使える『誘導灯』と『救助用ランタン』を買いましょう! これでいつでもメンバーを救助できます!」
「俺は『錬金術師』にするわ! アイテムの合成画面で素材を限界まで詰め込んで決定ボタンを連打したら、サーバーのアイテム管理データがバグって増殖したりしないかな? ガハハハハ! よし、フリマ通りに行って、まずは『階層素材ジャンク』をカバンがハチ切れるまで買い占めるぞー!」
「(小声でコソコソ喋る)……おい、お前ら分かってねえな。俺は『鍛冶屋』一択だわ。なんでかって? 鍛冶屋ってことは、武器を自分で叩いて強化できるんだろ? ってことは、さっき商業区画のマップで見つけた【フライパン(武器兼用)】を鍛冶屋の技術で極限まで強化したら、最強の鈍器が完成するじゃねえか!!」
【コメント欄:職業選択中】
・鍛冶屋になった理由が「フライパンを鍛えるため」www
・神話級のフライパンとか作る気かよwwww
・ 漆黒のジャケット着てフライパン持った鍛冶屋、見た目が不審者すぎる
・ あ、キョウさんがフライパンの妄想でテンション上がって大声出した!
「これ絶対強いって! スライムの頭をフライパンでパコーン!ってひっぱたくわけよ! よっしゃ今すぐ食糧エリアに行ってフライパン買ってくるわお前らァァァ(――ッ)」
ピタッ。
テンションが上がって大声(やかんの沸騰音)が出た瞬間、プログラムが容赦なく作動。キョウ。の音声が完全消滅し、フライパンを振り下ろすジェスチャーのまま静止する。
「あ、キョウ。さんまたミュート入っちゃいましたね……。とりあえず、キョウ。さんはフライパンを買いに食糧エリアへ、センキンさんはフリマへ、僕は救助装備を買いに行きましょう!」
くろ(キョウ。の腕の中で、商業区画の『高効率保存食(お肉)』の看板を見つめながら、いつでも突撃できるように前足をパタパタさせている)
「(小声で焦る)おい待てくろ!! 前足パタパタさせるな!! それは敵じゃねえ!! 敵じゃなくてただの美味そうな『お肉の看板』だから!! 突撃してもダメージ『1』すら入らねえから!!」
【コメント欄:お肉発見時】
・チワワが完全にロックオンしてて草
・チュートリアルで覚えた突撃をここで使うなww
・お肉の看板にポカポカしに行こうとしてるww
・キョウさん大声出せないから必死の小声で止めてるのウケる
「(必死にチワワをホールドしながら)ピカキンさん! センキン先輩! 買い出し行く前にちょっとあそこの『食糧・調理エリア』付き合って!! こいつのご機嫌取らないと、今から行くダンジョンでガチのボイコット(ソロ配信化)が始まるからァァァァ(――ッ)」
ピタッ。
またしても語尾で熱くなって「やかん音」を検知され、佐藤さんのプログラムが非情に作動。キョウ。の音声が完全消滅し、チワワを小脇に抱えて虚空を指差したまま画面が静止する。
「あ、キョウ。さんまた音消えちゃいましたね……。でも、くろちゃんがお肉の看板を見てパタパタしてるのは分かります! よし、それじゃあ一旦みんなで食糧エリアに向かいましょう」
「ガハハハハ! お前合流してまだ3分なのに何回ミュートにされてんだよ! よし、俺も食糧エリアで『圧縮携帯食』を上限まで爆買いしてストレージの負荷テストしてくるわ!」
(必死に激しく口パクしながら、フライパンを叩くジェスチャーをして『ついでに武器用のフライパンも買わせろ!』と必死に訴える黒ずくめ)
3人がゾロゾロと商業区画の食糧エリアに到着すると、そこは様々な保存食や野営道具が並ぶ、賑やかな商店街だった。
「(小声に戻る)……ふぅ、やっと音戻ったわ。おい、くろ。お前の負けじ魂に免じて、この『高効率保存食(高級ステーキ味)』を10個買ってやるからな。これ食ってダンジョンでは大人しくしてろよ……。……って、おい、お前ら見ろ。その隣の棚」
キョウ。の目が、調理器具コーナーの一角でギラリと光った。
そこには、今回のゲームで彼が最も目を付けていたアイテム――【フライパン(武器兼用)】が、鈍い鉄の光を放って並んでいた。
「あったわ……。本来は野営調理セットで使うやつだけど、武器ステータスがちゃんと付いてる。これを今から俺の『鍛冶屋』の技術で限界突破まで叩き上げて、神話級のフライパンに進化させるわけよ……」
【コメント欄:フライパン発見】
・ついに念願のフライパンきたあああ
・漆黒のジャケット着てフライパン買う鍛冶屋、見た目がただの不審者
・はよそれで魔物ひっぱたいて「カーン!」って音聞かせてww
「よし、購入! これで俺は最強のフライパン戦士(――ッ)」
ピタッ。(本日4度目の完全消音、虚しくドヤ顔を決めるキョウ。)
【コメント欄】
・はい様式美wwwwwwwww
・プログラム優秀すぎて腹痛いwwww
・フライパン買っただけで音消されるトップ実況者ww
「(慣れた手つきでスルーしながら)よし、キョウ。さんも無事にフライパンとくろちゃんのお肉を買えましたね! センキンさんも高カロリーパックを爆買いしましたし、それじゃあ僕は、ちょっと【救助・安全区画】に行って、救助隊の装備を揃えてきます! 10分後に【階層転送管理局】の前で合流しましょう!」
◇数分後◇
「はい! というわけでキョウ。さんとセンキンさんとは一旦別れて、僕は救助隊の装備を揃えに『救助・安全区画』へ来ました! 見てください、この【救助外套(蛍光仕様)】! 長袖の初期ジャケットの上から羽織るんですけど、オレンジと白の蛍光カラーがめちゃくちゃ眩しいです! これならどんな霧の中でも目立ちますね」
【ピカキン枠のコメント欄】
・ おおおお!! レスキューピカキンめちゃくちゃ格好いい!!
・蛍光オレンジがプロっぽくて最高だわ
「よし、外套はこれでバッチリ。……お、皆さん、この『救難要請管理所』の受付NPCに話しかけると、なんとここで【救助隊】に正式加入できるみたいです! さっそく加入手続きしちゃいましょう!」
ピカキンが受付にタッチすると、ファンファーレとともに『救助隊バッジ』が支給され、彼の胸元にキラリと装着された。
「よし! これで僕も正式な救助隊員です! ジャケットの胸スロットにバッジがカチッと表示されました。このまま『救助装備販売所』で、霧や吹雪でも使える『誘導灯』と、ピンチの時に自分の居場所を周囲に伝える『位置固定マーカー』、あと『フレアガン』も1丁買っておきます。よし、完璧! このままギルド区画の『調査用ジャケット改造工房』に向かって、防水加工のロック条件でも確認してきます!」
【ピカキン枠のコメント欄】
・買い物の手際が良すぎて公式のPVかと思ったww
・ 剣士で救助隊とか完全に正義のヒーローじゃん!
・キョウが絶対にすぐ遭難するから助けてあげてねww
◇センキン側◇
「よし! 俺は『フリーマーケット通り』にやってきたぞ! 錬金術師になったからにはさぁ、まずは素材を大量に集めないといけないんだわ。見てこれ、プレイヤーが出品してる『階層素材ジャンク』。これ、一括購入ボタンを限界速度で連打したらどうなると思う?……ほら見ろ! カバンがハチ切れそうになってストレージの容量警告が出たわ! アハハハハ!」
【センキン枠のコメント欄】
・錬金術師センキン(ただしやってることは転売ヤーの買い占め)
・開店初日からジャンク品をカバンに詰め込むおじさんww
・警告画面出てんのにアハハハハじゃねえのよww
「よし、ジャンクは回収したから、俺も『調査用ジャケット改造工房』に行って、特定の気象に遭遇しないと増えないメニュー画面を高速でカチカチ開閉して負荷テストしてくるわ!」
◇キョウ。側◇
一方その頃、全身を光の反射率0%の『漆黒』で塗り潰した鍛冶屋(キョウ。)は、小脇に大人しくなったくろを抱え、右手には買ったばかりの『フライパン(武器兼用)』を握りしめて、近くの作業台の前に陣取っていた。
「(小声でコソコソ喋る)……よし、やっとミュート戻ったわ。お前ら見ろ、これが初期装備のフライパンだ。これを今から、俺の職業『鍛冶屋』の初期スキル【簡易研磨・叩き直し】で限界突破まで叩き上げて、神話級のフライパンに進化させるわけよ。よし、いくぞ……オラァ!」
カンッ! カンッ!
鍛冶屋のハンマーがフライパンの底を叩くたびに、火花が飛び散り、武器の耐久度と攻撃力がほんの少しだけ上昇していく。
【コメント欄:フライパン強化中】
・フライパンをカンカン叩くトップ実況者ww
・ 画面の絵面がただの鉄屑加工所で草
・漆黒のジャケット着てフライパン鍛えてるのシュールすぎる
・これ、あんまり叩きすぎたら音でミュートされるんじゃない?ww
「(小声)大丈夫大丈夫、叫ばなきゃ佐藤のクソシステムは作動しねえから! よし、さらにパレットの強化スライダーを上限までガチャガチャ上げて、一気にプラス5まで持っていってやるぜええええ(――ッ)」
ピタッ。
またしても強化の成功エフェクトにテンションが上がり、「やかん音(奇声)」の周域に達した瞬間、佐藤さんの組んだ対策プログラムが非情に作動。キョウ。の音声が完全消滅し、フライパンを頭上に掲げて「ガッツポーズ」をしたまま画面が静止する。
【コメント欄】
・はいミュートwwwwwwww
・ 強化するだけでミュートされる男wwお腹痛いwww
・結局4回目www学習能力皆無かよww
「(ハッと気づいて小声になる)……あぶね、すぐ音消されるわ。よし、フライパンの攻撃力も上がったし、俺もギルド区画の『調査用ジャケット改造工房』に行って、ピカキンたちと合流するわ!」
◇約束の10分後◇
ピカキン、センキン、キョウ。の3人は、ギルド区画にそびえ立つ【調査用ジャケット改造工房】の前で、狙いすましたかのようにばったりと合流を果たした。しかし、お互いの姿が視界に入った瞬間、3人はその場に硬直することになる。あまりにも、装備のベクトルがバラバラすぎた。
「あ! お二人とも! 買い出しお疲れ様です!……って、ええええ!?」
「アハハハハ! お前らなんだその格好は! 特にキョウ、お前それ何持ってんだよ!」
「(小声でコソコソ喋る)……いや、それは俺のセリフだわ。おいピカキン、お前の羽織ってる【救助外套(蛍光仕様)】、オレンジと白が眩しすぎるんだよ! お前のせいで俺の光の反射率0%の漆黒ジャケットがちょっとライトアップされちゃって中二病のグラフィックが台無しなんだけど!!」
【コメント欄:工房大集合】
・3人揃ったら画面の凸凹感が限界突破してて草
・ 蛍光オレンジのプロ救助隊ピカキン
・カバンからジャンクはみ出してる錬金おじさんセンキン
・ 右手にフライパン、左脇にチワワの漆黒鍛冶屋キョウwww
「これ『生存率を上げるための衣服』ですからね!? 霧の中でも絶対に見つけてもらえるプロの救助隊仕様なんです! 胸元を見てください、支給された【救助隊所属バッジ】もジャケットのスロットにカチッと表示されてるんですよ。 ……それよりキョウ。さん、その右手のフライパン、なんかさっきよりギラギラしてません!?」
「(小声でドヤ顔)フッ、よくぞ気づいてくれた。これ、さっき作業台で俺の鍛冶屋スキル【簡易研磨・叩き直し】を使って、限界までカンカン叩き上げてやったわ。初期状態より攻撃力がちょっと上がった『強化プラス5のフライパン』だわ。おい職人、よく聞け!」
キョウ。はそのまま、工房の職人NPCの顔の前にフライパンを突き出した。
「(小声)このジャケット、拡張装備として『ポケット追加モジュール』とか『収納ベルト接続』ができるって仕様書に書いてある。じゃあ、このジャケットのベルトの先に、この【フライパン(武器兼用)】を直接ガチャッと接続して、いつでもフライパンを取り出せる『フライパンホルスター』に魔改造することはできねえのか?」
しかし首を横に振る
「できない? なんでだよ!! 鍛冶屋の技術を舐めるなよ!!」
「できないに決まってんだろ! 初期状態のメニューじゃそんなのロックされてるわ! ほら、このホログラムウインドウ見てみろよ!」
センキンが工房のカスタマイズ画面を開き、メニューのタブを「カチカチカチカチ!」と限界速度で往復させ始める。
「ここ、仕様書によると、夜を生き延びたらヘッドライト解放、雨に遭遇したら防水加工解放って感じで、『使用経験』によって機能が解放される仕組み(履歴書システム)なんだよね。だから一度も雨を経験してない今の初期状態だと、ほら、全部ロックかかって画面がスカスカなんだわ! このスカスカの状態でUIを連打したら処理落ちするか試してんだわ!」
「ダメですって! 合流早々に工房のシステムに負荷テストかけないでください! 処理落ちしちゃいますから! 普通に大人しく待ちましょう!」
【コメント欄】
・必死にUI連打するおじさんと、フライパン専用ベルトを要求する不審者ww
・ ピカキンだけが唯一このゲームの正しい「生き残り方」の解説をしてる
・あ、キョウさんがフライパンの仕様を全否定されてまた大声出しそう!!
「だってフライパン腰にぶら下げてたら絶対にカッコいいじゃん!! なんで初期状態だと対応してねえんだよ製作者出てこいォォォォォ(――ッ)」
ピタッ。
テンションが上がって「やかんの沸騰音(奇声)」の領域に達した瞬間、佐藤さんのプログラムが一切の慈悲なく作動。キョウ。の音声が完全消滅し、職人NPCにフライパンを突き出したポーズのまま画面が静止する。
「(慣れた手つきでスルーしながら)……はい、キョウ。さんまたミュート入りましたね。それじゃあ皆さん、ジャケットの初期カスタムと解放条件も確認できましたし、いよいよ【階層転送管理局】へ向かって、最初の階層へ出発しましょう」
「おう、一回もエラー落ちしなかったわ! 運営もなかなかデータ処理頑張ってるなぁ! アハハハハ!」
(激しく口パクしながら、フライパンを掲げて『今すぐ運営の佐藤をここに連れてこい!』と必死にジェスチャーする黒ずくめ)
くろ(キョウ。の小脇で、ピカキンのオレンジ色の救助外套の裾を、誰も気づかないうちに静かにガブガブと甘噛みし始めている)
【おまけ】そのころの運営
佐藤:「江口さん大変です、キョウ。が【フライパン(武器兼用)】を+5まで強化しました!」
江口:「よりによって初期状態でそこまで叩き上げたか……。何がまずいんだ?」
佐藤:「いえ、フライパンの音が完全に重い【鈍器の打撃音(ドゴォッ!)】に変わったので、私の組んだ『やかん音対策プログラム』の周波数とは一致しません! 殴るだけならミュートは入りません!」
加藤:「安心。普通に戦う分には音響バグの心配はない」
江口:「よし、それなら一安心だな。……まあ、あいつが敵の強さにビビって『やかんの声』で叫んだら、その瞬間に一発で音は消えるんだがな」




