表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/10

第4話:有名人が大集合(アインを除く)

ヒカ○ン様→ピカキン

セイ○ン様→センキン

キ○。様→キョウ。(黒猫から黒犬になっておりブレーキ音がヤカンの音となっております)

「ついに発売か」


「やりましたね」


「特に何もないといいだけどなぁ〜」



 ‘発売30分前’



「江口さんやりました。大人気動画配信者を中心に大勢のプレイヤーが待機しています。おそらく待機画面の時点で配信ができるようにしたおかげです」


「しかも現在トレンド1位です」


「まじか」


「ついでにアインさんはいません」


「作戦が効いたのか。よかった〜」


「抽選資格をアインが絶対に持てないように設定しましたから」


「陰湿だろ」


「うっせ。頑張って作ったゲーム壊されたんだぞこっちは」


「早く自分が再現した味を味わって欲しいです」


「残り20分です」


「ちなみにアインは?」


「OBTをひたすらログインしてますね。できませんけど」


「それ大丈夫?」


「仕様です。とは言えないように完全に別にしましたから」



 ◇その頃のアイン◇



 サーバーが見つかりません。


「流石にできないか」


 コメント欄

 ・出来てたまるか

 ・流石に対策してたか

 ・5回抽選落ちてるの天罰だろ



 ◇とある配信者◇



 開始を待っています。


「残り10分です」


 コメント欄

 ・ワクワク

 ・今頃アインが必死にOBT開いてるの笑うw

 ・設定でジャケットの編集をできたけどいつ着られるのかな

 ・それは草www

 ・ピカキンも今ライブしているぞ

 ・まじか



 ◇運営◇



「はい。ピカキンさんがライブを始めました」


「「「絵ぇ?」」」


「何ならセンキンさんもライブしています」


「マジ?」


「マジです」


「ついに運が向いてきたか」


「しかもキョウ。さんもいます」


(震え気味)「落書きみたいな黒い犬の人?」


「そうです」


「ヤカンの音の人?」


「はい」


「「声にならない悲鳴」」



 ◇待機中の配信者たち◇



「ブンブハローVRMMO!いやー、ついに来ましたね!世界初のフルダイブ型VRMMO『アルカディア・プロジェクト』のリリース10分前です!画面には『開始までお待ちください』って文字が出てるだけなんですけど、設置で見れるジャケットの質感が凄いです。あ、設定画面から長袖を半袖に……あ、色もパレットから変えられますね!」


 コメント欄

 ・待機画面キターーーー!!

 ・ピカキンの初期アバター、本人に似すぎて草

 ・ジャケットのグラフィック細かすぎだろ

 ・今日は誰かと一緒にやるの?


「はい、今日はですね、なんと隣のエリアにセンキンとキョウ。さんがいます!おーい、二人とも聞こえますかー?」


「よし、繋がったな!今設定を色々見てるんだけど、これアバターの身長は現実のままで固定されてるわ。フルダイブだから肉体と感覚のズレが出ないようにロックがかかってるんだね。さすがにしっかり作られてるわ。……じゃあ、いじれるのはこのジャケットのフードと色だけか」


 コメント欄

 ・さすがセンキン、まず仕様の確認から入る男

 ・身長ロックはガチのフルダイブ設定で良いな

 ・ジャケットの色何色にするの?

 ・キョウさんの方、なんか犬の鳴き声聞こえない?ww


「色?カラーパレットがこれ、かなり自由にドラッグして選べるから……ちょっと試しにパッパッと変えてみるわ。あ、ピカキン聞こえる?今日よろしくねー」


「よっしゃあああ!!お前ら見えてるか!!世界初フルダイブ!!おいピカキン!センキン先輩!聞こえてっか!!まだ待機画面だけど俺の心臓はバックバクだからな!!おい、つーか見てこれ!俺の足元に黒い犬がいんだけど!!めちゃくちゃ可愛くない!?」


 コメント欄

 ・うるせえええええええええええ

 ・開始10分前なのに音量メーターが真っ赤で草

 ・黒い犬かわいい、マスコットキャラ?

 ・キョウさんマイクの感度ちょっと高すぎない?w


「あ?マイク感度?これ設定パレットの『マイクブースト』ってやつをちょっと上げればいいの?……よし、上限までスライダー上げとくわ!これで俺の美声がフルダイブ環境に響き渡るわけよ!おい、くろ(3秒で考えた犬の名前)、お前も挨拶しろ!(無茶振り)」


 時計の針が【残り5分】を指した瞬間、システム音がロビーに鳴り響いた。


『――初期設定を保存しました。アバター装備を生成します』


 デジタル粒子の光が3人の体を包み込み、次の瞬間、各自が設定したジャケットと長ズボンが一斉に装備される。


「おおお! 変身しました! タイツ姿から一瞬でジャケットと長ズボンになりましたよ皆さん! 凄い、ズボンを履いた瞬間に、足元がデニムのしっかりした生地に包まれる感覚がリアルに脳に伝わってきます!」


 コメント欄

 ・おおおおお! 着替えエフェクトかっこいい!

 ・タイツ姿から一気にスタイリッシュになったww

 ・ピカキン、青の身頃に白の袖、ズボンは純白か!

 ・公式のパッケージイラストに慣れそうな完成度


「ズボンは白にしてみました! 青と白のコントラスト、めちゃくちゃ爽やかじゃないですか? ……って、うわ、隣のセンキンさん! ジャケットだけじゃなくてズボンまで大変なことになってますよ!?」


「よし、変身完了だな! 俺はジャケットのパーツをバラバラに点滅させてたけど、この長ズボンも右足と左足で別々の色を最速ドラッグしてたんだよね。……ほら見ろ! 上半身も下半身も、全部のパーツが別々の速度でチカチカ発光して、俺の存在自体がバグったエレクトロニカルパレードみたいになったわ! アハハハハ!」


 コメント欄

 ・ 目がァァァァ! 待機ロビーがチカチカするwwww

 ・ゲーミングおじさん完全体

 ・右足が赤で左足が緑に点滅してんの狂気すぎる

 ・あ、処理落ちでセンキンの右腕に続いて左足も消えかかってるぞ


「パーツごとの描画更新が多すぎて、フルダイブの視覚処理が追いついてないわ。今、点滅がなくなった。歩けないわこれ。アハハハハ! ……あ、おい、キョウ。お前その格好何だよ!」


「よっしゃあああ!! タイツ姿の屈辱からの解放!! お前ら見ろ!! フード、襟、右袖、左袖、胴体、そして長ズボンにいたるまで、パレットの限界限界の『黒』で埋め尽くした、完全一色・漆黒の魔王がここに降臨したぞ!! 影のグラフィックが良すぎて、もはや俺の輪郭が背景の闇と同化して……あ、待て」


 コメント欄

 ・全身真っ黒ww腹抱えて笑ったwwww

 ・手足の分割線すら見えなくて草

 ・生首と手足が浮いた謎の黒い塊になってるぞ

 ・ あ、足元のくろが、え……?


「おい! ジャケットだけじゃなくて、ズボンまで真っ黒にしたら、足元にいたはずの『くろ』が俺の下半身の影と完全に同化して消えたんだけど!! くろ!? どこ行った!? お前そこにいるのか!? 鳴け! はよ鳴けぇぇぇぇ!!(ピーーーーーーッ!! ※マイク上限解放によるやかんの沸騰音)」


 隔離空間(通称:ぼっち空間)


「――おい待て待て、ピカキンとセンキンが消え――って、え!? どこここ!?」


 背景のサイバーなロビーが一瞬で消え去った。視界のすべてが、目を開けていられないほど真っ白な「無の世界」。そして、右側のコメント欄。さっきまで弾幕のように流れていた視聴者の声が、完全にピタッと止まり、白紙のままでフリーズしている。


 コメント欄

 ・え???????????????

 ・ 画面真っ白になって草、何これバグ!?www

 ・ キョウさんガチで焦って生首キョロキョロさせてて面白い


「…………。え? ……もしもし? ピカキンさん? センキン先輩? ……コメント欄、動いてないよね? あ、これ俺のフルダイブ側だけネット遮断されてるわ。配信画面の方は生きてんのこれ!?」


 本人のフルダイブ視点では、完全なる無音。しかしその時、ピンポーン、と間抜けな電子音が響いた。誰もいないはずの白紙のコメント欄に、見たこともない【真っ黒な太文字】のテキストが、ダイレクトメッセージのように直接ポップアップしたのだ。音声はいっさい無い。ただ、文字だけが静かに打ち込まれていく。


 《【公式】『アルカディア・プロジェクト』運営チーム:キョウ。さん。まず最初に言わせてください。シンプルに、普通にうるさいです。待機画面なのに【やかんの沸騰音】みたいな奇声を上限突破で出すのやめてください。周辺プレイヤーの鼓膜保護のため、強制隔離させていただきました》


 コメント欄

 ・待機画面でうるさすぎて追放されるトップ実況者ww

 ・周辺プレイヤー(ピカキンたち)の鼓膜保護のため強制隔離ww

 ・ 「はよ始めろやァ!」の音量が完全にやかんだったからなw

 ・お、待って、コメント欄に黒文字で公式キターーー!!

 ・運営に直接ガチギレされてて草、言い訳不可避じゃん


「うおっ!? 公式が直々にキレてきた!! 画面に直接メッセージ打ってくんのやめろや!!」


 キョウ。が黒文字に突っかかると、間髪入れずに次のテキストが打ち込まれる。タイピング速度がめちゃくちゃ速い。


 《【公式】:ですが、ちょうどよかったです。あなたをこの隔離部屋へ飛ばしたのは、他プレイヤーに知られずに『ある説明』をするためでもあります。おめでとうございます! あなたは世界で一人だけの【ペットテスター】に選出されました!》


「……はぁ!? ペットテスター!?」


 《【公式】:あなたの足元にいる【くろ】ですが、これはどこかの大型アップデートで実装予定の『自律思考型ペット』の試験運用データです。今後の運用のために今回強制同期させていただきました。ルールを説明します。》


 《チュートリアル:ゲームが始れば、自動的にあなたの戦闘をサポートします。くろのHPがゼロになった場合、街(安全圏)に到達するまで、絶対に復活しません。》


 コメント欄

 ・ペットテスター!? 何そのシークレット任務!

 ・あのチワワ(くろ)、ただの消し忘れデータじゃなかったのか!

 ・「死んだら街に着くまで復活しない」って縛り重すぎだろww

 ・もし死んだら街までずっとソロ配信になるの過酷すぎw

 ・キョウの撮れ高(ソロ登山)がチワワの命にかかってるww


「え? 街に着くまで復活しない? ……ってことは、もし最初のチュートリアルエリアとかでこいつが死んだら、街に着くまでずっと一人のぼっち配信になるの!? 撮れ高ゼロじゃねえか!!」


 《【公式】:はい。ただそれだけです。それではサービス開始まであと5分。なお、メッセージは以上ですが……キョウ。さん、さっきからずっとくろを踏んでます。かわいそうなので退いてあげてください。――健闘を祈ります》


 ブツッ、と音がして、公式の接続が切れた。


「え? 踏んでる? 俺が? 誰を?」


 キョウ。はおそるおそる、右足をちょっと浮かせてみた。


 くろ「キャン」


「うわああああっ!? いたァァァ!! くろ、お前そこにいたのかよ!!」


 ずっと探していた相棒は、チワワサイズの小さな体のまま、キョウ。の漆黒のズボンの影と同化して、彼の右足の裏でみっちりと踏んづけられていた。


 コメント欄

 ・ずっと足元で「キャン」って鳴いてたの踏まれてたからかww

 ・ ジャケットもズボンも漆黒すぎて自分でも気づいてなくて草

 ・ 公式に「かわいそうなので退いてあげてください」って言われるの最低すぎるw

 ・ チワワ踏み実況者

 ・ あと5分間、コメントも読めずにチワワとタイマン張るの面白すぎる


「ごめんごめんごめん!! 黒すぎてマジで床の一部だと思ってたわ!! よしよし、痛かったな……って、おい公式!! 接続切るな!! あと5分もあるのに、コメント欄も真っ白なままじゃねえか!! 俺、サービス開始までこのチワワと2人きりで何すればいいんだよ!!」

【おまけ】キョウ。が隔離されていた頃の、他配信者たちの待機画面


キョウ。がうるさすぎて虚無の白い部屋へ強制連行され、チワワの「くろ」に必死の言い訳を続けていた、あの運命の5分間。元のサイバーロビーに残されたツートップは、キョウ。という暴風雨が去った後、極めて穏やかな時間を過ごしていた。


【ピカキン・ライブ配信画面】

「あ、皆さん、キョウ。さんが急に消えちゃいましたね……。え? コメント欄情報によると、声が大きすぎてシステムに『ノイズ汚染物質』として処理された!? 隔離部屋に飛ばされたんですか!? 待機画面で出禁になるの、さすがキョウ。さんですねぇ。あ、センキンさん、発光止まりました?」


コメント欄

・開始5分前に隔離されるキョウまじで草

・キョウの枠、真っ白な部屋でチワワにガチ謝りしててシュールすぎるww

・センキンのジャケットようやく通常色に戻って安心したわ


「よかった、センキンさんのジャケットも落ち着きましたね。フルダイブの網膜に直接ストロボ浴びてるみたいで本当に目がチカチカしてたんで助かりました。さあ、サービス開始まであと少し、普通に大人しく待ちましょう!」


【センキン・ライブ配信画面】

「アハハハハ! キョウのやつ消されやがったわ! あいつマジでうるさかったからなぁ! ……お、運営から画面に警告メッセージが来たわ。『それ以上カラーパレットを高速連打するとグラフィックボードが燃えるのでお控えください』だって。しょうがないから発光止めるわ!」


コメント欄

・運営からガチのストップかかってて草

・センキンようやく大人しくなったww

・画面が静かになって急に「待機画面」らしくなったな

・あと1分でサービス開始だ!!ピカキンとセンキンはまともに始まれそうでよかったww


「よし、ジャケットの色は落ち着いた茶色で固定な! いやー、フルダイブの待機画面って本当に静かだと未来感あるなぁ。キョウがいないだけでこんなに平和になるとは思わんかったわw」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ