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第108話

夏のバカンスへ!

 エミリア達がリリネット王国を訪問してから1週間後、エミリア、アルベルト、アルフォード、アラタは有給休暇を貯めていたらしく、オズワルドの提案で皆を連れて、アルテミシア王国が出資者の1つとなっているリゾート島へバカンスする事となった。

 そして現在、乗っている魔導式飛行船で、バカンス衣装となっている一同は寛いでいた。


「お姉様~!私、空飛ぶ乗り物には初めて乗りました~!」


「ユフィったら、はしゃいじゃって」


「まぁまぁ、リゾート地でのバカンスなんだし、仕方ないさ」


「そうね。私も楽しみだわ~」


 と、シャルロットもアルベルトに寄りかかる。


「皆でいっぱい楽しもうね、アルフォード君!」


「俺はお前らが余計な事しないかが心配だけどな…」


 と、アルフォードもシャーリーとネムに渋い顔をする。


「まさかアンタらまで来るとは…」


 と、アラタもバカンス衣装のアトラ、リアナ、ミザリーに目をやる。


「いや~、私達もお前達と同じく有給を貯めてたからな」


「それで私達も乗っかる事にしたんだよ~」


「ほら、隊長。此処なら良い眺めでお茶出来るわよ」


「はいはい、今行きますよ」


「何で私まで付き合わなくちゃならないの~?」


「お前が部屋でゴロゴロしてばっかりだからだろ」


 と、その場にバカンス衣装のジルティナ、ケール、ヴァーリ、ファム、セネリア、ウェインまで現れ…。


「すみません、隣のテーブル使います」


「あっ、はい、どうぞ!…って」


『ん?』


 ジルティナがエミリアの隣のテーブルを使おうとした所でお互いに気付く。


「ジルティナ!?貴方、何で此処に!?」


「私達は休暇でバカンスに来ただけですよ!」


「お前らまで俺達と同じ理由なのか…?」


「えぇ、そうです。私も団長に有給を貯めてる事を指摘されましてね。ですので、我々も貴方方と事を荒立てる気はありませんので、ご安心を」


「って、よく見たらヴァーリとファムとウェイン、シャーリーお姉ちゃんが言ってた影のマスクの女までいる。それと、そっちは初対面よね?」


 と、エミリアはセネリアの存在に気付く。


「セネリア…。"天の笛"の死霊術師(ネクロマンサー)…」


「彼女は基本ダウナーですので、お気になさらず」


「カイトさん、あの方達が」


「うん。でも、あぁ言った話は律儀な方だから安心して」


 と、警戒しているリーゼロッテをカイトは窘める。


「まさかそっちも同じ理由で来てるだなんて思わなかったわ」


「我々だって1人の人間なのですよ。休暇の制度くらいちゃんとありますよ。そちらだって、大方オズワルド王辺りに指摘されてバカンスに来たのでしょう?」


「うぐっ…!」


 と、エミリアも図星を突かれて、たじろぐ。


「うわーい!お空を飛んでる~!」


「ちょっ、ミオちゃん、はしゃがないの!」


「やれやれ…」


 と、その場をミオが走り回り、ベアトリスも追いかけ、レーナが歩いてくる。


「あの3人まで…」


「まぁ、騒がしいのは多少は勘弁して下さい…」


「…へぇー、あれがハルトマリーやエミリア達が言ってた連中か」


 と、シェーラも興味深そうに見つめていた。


「まぁ兎に角、お互い事を構える気がないなら、一緒に過ごすか?」


「そうですね。その方がお互い楽ですし、そうしましょうか」


「それじゃあ、そっちも余計な事しないでよ?」


「それはお互い様です」


 と、一同を乗せた飛行船は、目的の島へ向かって行くのだった。




 リゾート島「ルーミシア島」に降り立った一同は、停泊所周辺を見渡していた。


「うわー、綺麗~!」


「市場の方もすっごい充実してる~!」


「あらゆる場所から出資を受けて、島全体を観光地化してるから、その分賑わっているのよ」


「あら、エミリア様?」


 と、声の聞こえた方へ振り返ると、そこにメノウがいた。


「奇遇ですね、こんな所で皆さんお揃いで」


「私達は休暇でやって来たのよ。そう言う貴方は?」


「私は父の代理でこの島の査察に来たんですよ。ほら、うちも出資者の1人なので…」


 と、エミリア達の傍にいるジルティナ達に気づいたメノウは言葉が止まり、冷や汗をかく。


「あぁ、彼女達は偶然同じ船に居合わせて、折角だから一緒に観光しようって話になったの」


「へぇー、そうなんですか…」


「お姉様~!」


「アンタ達も来なさい!面白いお店を見つけたわよ!」


「あっ、ごめん。ちょっと待ってて!」


 と、エミリアもユフィとフィーナの下へ駆けて行った。


「どういう事だよ、隊長!?」


「我々も貯めていた有給を使ってバカンスに来た所に、偶然彼女達に出くわしたのです。どうやら彼女達も同じ理由だった様で」


「だとしてもマズくねぇか!?冒険老君(シルバー・ガイド)、迷宮の心臓(ラビリンス・ハーツ)、千里の貴婦人(レディ・アイズ)までいるんだぞ!?」


「あの3人だって、我々が余計な事をしない限り、大丈夫です。ですので、貴方も我々との関係を悟られない様に」


「へいへい」


 と、エミリアが戻って来た所で、メノウも挨拶して別の場所へ向かった。




 こうして、一同がホテルのチェックインを済ませた後、アトラは港へ釣りに、アルベルト、シャルロット、アルフォード、シャーリー、シェーラ、リアナ、ミザリーはバーへ昼の酒を飲みに、レオニー、アリア、ネム、ヴァーリ、ファム、ウェイン、レーナ、ベアトリス、ミオは島周辺の散策に、エミリア、アラタ、カイト、ハルトマリー、スバル、ユフィ、フィーナ、リーゼロッテ、ジルティナ、ケール、セネリアは海へ泳ぎに行く事にした。

 海で水着に着替えた一同はと言うと、リーゼロッテは浅瀬でカイトをリードしながらはしゃぎ、ハルトマリーとスバルとユフィはビーチバレー、ビーチパラソルの下でセネリアがだらけてその頭の上にフィーナが乗り、エミリアとアラタは海を眺めながら談笑、ジルティナは荷物番をしていた。


「あら、エミリア王女ではありませんか?」


 と、そこにゼシカとデュークがやって来た。


「それによく見たら、ジルティナ?何で貴方まで?」


「あぁ、実は彼女達も私達と同じで休暇中だから、安心して頂戴」


「そうなのですか。なら構いませんわ」


「そう言う貴方達こそ、どうして此処に?」


「えぇ、フィルビアもこの島に出資しているので、査察ついでにバカンスを楽しんでいるのです」


「あぁ、そう言えば色んな国もこの島に出資しているから当然か」


「それに、ブレジアン、セフィラ、メルティの王子王女方もこの島に来ていますよ。ゼイン王子はレシアンさんと共に海を遊泳、フリード王子とミーシャ王女はライフセーバーの仕事、ミコノ王女とイクト王子はこの浜辺で行われるライブのスタッフをやっていますよ」


「あぁ、そう言えばケールが此処でラーナのライブをやるって言ってましたね」


「彼女、アイドル好きなの?」


「えぇ、一応…」


 ジルティナが濁した返事をした所で、歓声のした方に目を向けると、そこではステージ上で水着姿のラーナがライブでパフォーマンスをしている所だった。


「折角だし、俺達も行くか?」


「そうね。行きましょうか」


「荷物なら私達が見ておきますので」


 と、エミリア、アラタ、ゼシカ、デュークもライブステージへ向かって行き、途中で気づいたカイト、ハルトマリー、スバル、ユフィ、リーゼロッテも合流する事となった。




 浜辺の大きな岩の影で、水着姿のラフィニアが足元の砂を白い体液で濡らしていた。


「はぁ~、やっぱり夏の海はあちこちの水着姿ですぐおっぱいが大きくなっちゃうわね。さぁ、私もラーナのライブに行かないと…ん?」


 と、ラフィニアはすぐに立ち止まり、怪訝な顔を浮かべる。


「この島の精霊達がざわついている…?どういう事なの?」




 島周辺を散策している者達も、その行動はまばらであった。

 レオニー、アリア、ネムは商業エリアへ行って色んな店を回り、レーナ、ベアトリス、ミオはアトラクションエリアで全年齢対象の乗り物に乗っていた。

 ウェインとヴァーリ(ファムと合体中)は、港市場を歩いていた。


「全く、姉さんったら、何か面白い物を見つけたら起こしてねって言って合体してくるだなんて」


「本当、ファムの気分屋にも困ったものだ」


「本当だよ。お陰で顔を姉さんの帽子で隠さなくちゃならないし」


 ヴァーリの横を全身をローブで隠した人物が通り過ぎ、2人も目を向ける。


「何だ、あの格好?観光には見えないし、明らかに場違いだぞ」


「確かにそうだが、ウェイン、お前気付いてるか?」


「あぁ、勿論」


 ローブの人物は路地裏に入ると屋根の上へ跳んで、そこから屋根伝いに移動していく。


「…かの勇者と姫の下へ会いに行かねば…!」


「それって、エミリア王女とアラタ・ホシミヤの事か?」


 声のした方へ振り向くと、ウェインとヴァーリが並走していた。


「お前、僕達がこの島に来た時からずっと覗き見してた奴だろ?」


「エミリア王女やジルティナ隊長と言った人達も気づいていたが、害はなさそうだから放っておけと言ってたから放置していたけどな」


「まさか最初から気づいていたと言うの!?」


 ヴァーリが一足飛びで距離を詰めて足払い、ローブの人物を川に落とし、大きな波も立った。

 ローブの人物が岸に上がるとフードが取れて、青いストレートロングの女性の顔が露わになり、彼女が息を整えている所に、ウェインとヴァーリが降り立つ。


「ヴァーリ、いきなり蹴り飛ばすか、普通?」


「敵の可能性を考えて先手を打っただけだ」


「いや、隊長達も害はないって言ってただろう。…で、悪いけどちゃんと要件言ってくれないか?大丈夫、内容次第で悪い様にはならない筈だから」


「…お願いします!私と一緒に着いて来て下さい!これから起きる厄災を止める為に!」


 と、女性はその場で土下座で頼み込む。

 バカンスに来た一同だったが、これから予期せぬトラブルに巻き込まれる事となった。

新たな戦いが起きる…!

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