表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
100/103

第99話

ファルマータ編第2話。

 ファルマータ宮殿、アルテミシア用の客室

 オズワルドが部屋にいる間に、エミリアはアラタとアルベルトとアルフォードと共に訪れていた。


「…成程。確かにフォルソスのきな臭い話は私も聞いている。が、難しいであろうな…」


「そうですね。これと言った証拠もなく、訴える事は基本的に不可能。下手したら、言われの無い罪を問われた事による損害賠償、最悪の場合、武力行使の口実に使われる場合も」


「そうですよね。こちらも国民に被害が出る様な真似は避けたい所です」


「確かに証拠が無い以上、憶測で判断する事は出来ませんし、明確な繋がりを確認した訳でもありません。ここら辺はフィーナにも指摘だってされるくらいですし。もしかしたら、別の国が嚙んでいるのかもしれません。ですが、私とアラタは"天の笛"の主力の1人ジルティナが、ヤードガン帝国出身だと言う情報も掴んでます。それと合わせて、お父様に頼みたい事があるのですが…。これから行われる初日の会議、お父様の方で、鎌をかけて貰えませんか?繋がりのある者だけでなく、心当たりのある者だって、何かしらのリアクションを見せる筈です」


「そう言う事か。…分かった、私の方でもそれとなく探ってみよう」


「ありがとうございます」


「会議については父上が参列、現場の警備等については、俺とアルフォードが引き受けるから、お前達の方は、宮殿を見渡すなり、街に出るなりして羽を伸ばして来い」


「はい、そうさせて貰います。行きましょう、アラタ」


「あぁ」


 と、エミリアとアラタは退室して行った。




 市街地、大通り

 外に出たエミリアとアラタは、早速街中でデートしていた。


「うわー、結構人が多いわね~!」


「昼から随分な賑わいだな」


「ユフィなら、すぐ迷子になりそうね。疲れて部屋で休んでいる時で良かったわ。一応、フィーナを傍に付けといたけど」


「確かカイトはシャーリーとネムに連れられて俺達と別の場所に出ているんだったな?」


「えぇ。後、ハルトマリーとスバルは宮殿の書庫に入れて貰って、レオニーはゼシカ王女に連れられている所よ」


「それじゃあ、俺達も俺達なりに、街中を楽しんでおくか」


「えぇ、行きましょうか」


 エミリアとアラタは手をつないで街中を歩いて行く。

 そしてその背後を何者かがつけていた。

 2人が露店を3軒程見た所で裏通りに入り、見つけた曲がり角を曲がっていく。

 尾行していた者がその先を見ると2人の姿はなく、驚いてすぐに、背後からエミリアとアラタが剣を突きつけた。


「スニーキングの技術がまだ全然低い。気配も全然消せてないし、視線も丸わかり」


「それ故に、こうして飛行魔法で逆に背後を取られる事になったんだ」


「何の目的で私達を尾行していたのか、ちゃんと聞かせて貰うわよ。…って」


 そして尾行していた者をよく見ると、リオンであった。


「リオン、貴方だったの?何で貴方が私達の尾行を?」


「そりゃあ決まっているでしょう?エミリア様の見せる乙女の顔の記録を取る為ですよ!エミリア様が男性との交際を始めたと聞いた時は私もどうしてやろうかと思いましたが、エミリア様がアラタ様の前で見せる乙女としての顔は本当に尊い物でして。それで時たま、こうしてエミリア様の乙女の顔の記録を取って、後でじっくり鑑賞を…!」


 リオンの見せる欲情丸出しの顔にイラついたエミリアは、リオンをしばき倒し、アラタと共に街中へ戻っていった。




 一方、レオニーはゼシカとデュークと共に酒場に入っていた。


「なぁ、ゼシカ王女。アタシら未成年だぞ?思いっきり場違いな気がするが?」


「酒場と言うのは、情報が入りやすい場所の1つ。それは当然、裏の情報だって例外ではありません。ですので我々の方でも、こちらで犯罪を始めとする裏情報を仕入れておきましょう」


「言いたい事は分かったけど、どうやって聞き出すんだ?相手の警戒心とかの都合上の問題だってあるだろう?」


「そうですね。レオニーさん、暗部の便利道具とかってあります?」


「ある訳ねぇだろう。アタシは未来の猫型ロボットじゃねぇぞ」


「そうですか。でしたら、デュークと一緒に、此処にいる女性達を口説いて…」


「嵐を呼ぶ5歳児でもねぇ」


「なら、ポーカー等言ったギャンブルの席に着いて…」


「極太繋がり眉毛の不良中年警察官でも、命を賭けたギャンブラーでもねぇよ!」


「まぁ、冗談はこのくらいにして」


「冗談だったんかい」


「レオニーさん、貴方も海賊だった時、どうやって情報を仕入れましたか?」


「え?そりゃあ、新聞を回収したり、ターゲットの懐に忍び込んで現地調査したり、金を積めば何でも喋ってくれそうな奴を見つけたり、軽く脅しを吹っ掛けたり…」


「そう、それですよ」


「いや、だからどれの事…って、まさか」


「この街の情報屋を見つけて、その方から情報を買うんです。金に汚い人間ってのは、どんなに街の人達が話したがらない情報でも、自分の利益や損得を優先して、どんな情報でもペラペラ喋ってくれる者ですから」


「そりゃあ、理にかなっているが、足元を見られると、すぐに金を更に吹っ掛けて来るぞ?」


「それについても、実際に痛い目に合わせて、ちゃんと立場を分からせておけば大丈夫。貴方だって、そうしてきた筈でしょう?」


「そりゃあ、まぁ…」


「と言う訳ですので、デューク、早速店主と話を付けて頂戴」


「はっ」


 そしてデュークが店主と少しやり取りすると、店主が奥の扉へ案内する。

 そして床下の部屋へ案内され、3人はそこにいる情報屋と対峙する。


「すみません。情報を買わせて欲しいのですけど。勿論、冒険者活動の稼ぎでお支払い致します」




 一方、カイトはシャーリーとネムによって、商店街へ連れ回されていた。


「カイト君、何処行きたい?お姉ちゃん、何処へだって付き合ってあげるよ!」


「あっ、ずるいですよ、お姉ちゃん!私だってお兄ちゃんと一緒に歩き回りたいんですから!」


「…早速こうなったか。って言うか2人が僕を引っ張り出したんだから、2人に合わせるって」


「もう~、カイト君もいけずなんだから!エミリアちゃんだってアラタ君といい感じになってるんだから、私達の方でもスキンシップをちゃんとやっておかないと!カイト君も甲斐性を磨いておかないと駄目だぞ!」


「いや、僕の方は別に気になる相手とかいないから…」


「そうも言ってられないよ?意外な所で素敵な出会いが起こる事だってあり得るんだから」


「そう言われてもなぁ…。イマイチ実感が湧かないや…」


 と、その時、全身をローブで隠した少女がカイトにぶつかる。


「あっ、ごめんなさい。私、急いでいたもので」


「あっ、いえ、こちらこそ」


「では、失礼します」


 そして少女もすぐさまその場を走り去っていった。


「…何だったんだろう、あの子?」


「本当にねぇ。ほら、また人にぶつかる前に早く行こう!」


 そしてシャーリーもまたカイトの手を取って走り、ネムもその後を追いかける。


「あっ、待って下さい、お姉ちゃん!」




 先程カイトにぶつかった少女もまた裏路地に入って身を隠し、ローブをはだけさせる。

 そしてその下にある白みがかった金髪と碧眼の可愛らしい顔立ちを覗かせた。


「…ふぅ。何とか抜け出せました。皆さんも心配なさっているでしょうね。私だって1人で自由に動き回っておきたいんですもの。でも、あまり長く外にいる訳にはいきませんね。そろそろ向かうと致しましょう」


 と、少女はローブを被ってその場を去っていく。




 ファルマータ宮殿でも、各国の王達が次々と会議場に集まっていく。

 オズワルド達も、他の者達に聞かれない位置で耳打ちで話していた。


「それで父上、先程エミリアが話していた事ですが、何時仕掛けますか?」


「最初はこれまでに起きた出来事の整理から始まるだろうし、仕掛けるとしたら最近起きた事件に関する話題の辺りだな。そこでそれとなく何者かの存在を匂わせる発言をしてみようと思う」


「国王様、お気を付け下さいね?」


「無論、私も警戒を怠る事はしない。ちゃんとこの身を狙われない様にする。…では、私も会議場に入るから、お前達も外からの警戒を頼む」


『はっ!』


 こうして、オズワルドは独り会議場に入り、他の王達と共に席に着く。

 そしてそれを確認した議長が号令を掛ける。


「今回もお集まりいただき、ありがとうございます!では、これより、会議の1日目を始めます!」


 こうして、王達の会議の1日目が始まろうとしていた。

会議の時は静かに迫る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ