第十六話 豊穣の奇跡と獣人王の感謝、そして至楽の王宮スパ
獣人国の首都を救った翌朝、僕たちは獣人王の居城へと招待された。
玉座の間には、威厳ある獅子の獣人王が深く腰掛けている。
「相田海斗殿、我らが民を救ってくれたこと、心より感謝する。」
「……ですが、病を治し一時的な食料を配っても、根本的な問題は解決しておりません。」
獣人王は苦渋に満ちた表情で語り始めた。
魔王軍の瘴気によって広大な農地が汚染され、作物が全く育たなくなってしまったのだという。
「このままでは、いずれ国は飢えに沈みますニャ……。」
ショコラが僕の服の裾をギュッと握りしめて震えている。
「心配いらないよ、ショコラ。」
「僕のスキルなら、その問題もすぐに解決できる。」
僕は力強く頷き、王宮の外にある広大な農地へと案内してもらった。
そこはひび割れた黒い土が広がる、まさに死の大地だった。
僕はこれまでに貯まりに貯まっていた【EP】を解放し、【万物配送】のウィンドウを空中に展開した。
もちろん、僕が現代で買いだめしていた物資ではなく、この神スキルによってその場で生み出される奇跡の品々だ。
光の粒子が集束し、無骨で巨大な機械が出現する。
「な、なんじゃあの鉄の塊は……!」
獣人たちがどよめく中、現れたのは巨大な車輪を備えた最新型の農業用トラクターだった。
その後部に接続されているのは、高濃度の土壌改良剤と即効性の特殊肥料を散布するアタッチメントだ。
さらに、どんな過酷な環境でも育つように遺伝子レベルで品種改良された種子を大量に取り寄せる。
僕はトラクターの運転席に乗り込み、エンジンを始動させた。
轟音と共に巨大な車輪が黒い大地を力強く蹴り上げ、トラクターが進み始める。
硬く汚染された土は鋭い刃で深く耕され、同時に散布された土壌改良剤が瘴気を瞬時に中和していく。
「すごいわ、大地がみるみるうちに本来の色を取り戻していくわよ。」
結衣が目を輝かせて歓声を上げた。
耕されたばかりのフカフカの土に、種子が自動で一定の間隔で蒔かれていく。
仕上げに特殊肥料が撒かれると、信じられない光景が目の前に広がった。
「芽が……芽が出ているぞ!」
「あっという間に育っていく……奇跡だ!」
獣人たちが地面に這いつくばり、涙を流しながら叫んでいる。
現代の科学力と、僕のスキルによるブースト効果によって、作物は数分で実り豊かな収穫期を迎えたのだ。
黄金色に輝く麦畑と、みずみずしい野菜が地平線まで続いている。
「これで食糧難は完全に解決ですね。」
僕がトラクターから降りて獣人王に微笑みかけると、王は膝をついて僕の前に平伏した。
「海斗殿……いや、海斗様。」
「我が国は永遠に貴方様に忠誠を誓い、その物流ネットワークの一部として全力を尽くすことをお約束いたします。」
こうして獣人国という巨大な国家が、僕の物流帝国の傘下へと加わったのだ。
国家を救った最大の功労者として、僕たちは王宮の地下にある巨大な温泉施設を完全に貸し切る権利を与えられた。
大理石で作られた広大な浴場には、天然の温かいお湯がとうとうと湧き出ている。
「ふう、最高に気持ちいいお湯だね。」
僕が一人で湯船に浸かり、疲れた体を伸ばしていると、浴室の扉が静かに開いた。
「海斗くん、背中をお流ししますわ。」
湯気の向こうから現れたのは、バスタオルを一枚だけ巻いた沙織だった。
濡れた黒髪が真っ白な肌に張り付き、豊満な胸の谷間がタオルの隙間から強調されている。
「さ、沙織……一緒に入って大丈夫なの。」
僕が戸惑っていると、彼女は妖艶な笑みを浮かべて湯船に入ってきた。
「もちろんですわ。」
「今日は国を救った英雄である海斗くんを、わたくしたちが全力で癒やす日ですもの。」
沙織は僕の背中にぴったりと寄り添い、その豊かな双丘を僕の背中に押し当ててきた。
柔らかな感触と、高級なボディソープの良い香りが僕の理性を激しく揺さぶる。
「わたくしの全ては海斗くんのものですから、好きにしていただいて構いませんのよ。」
沙織が耳元で甘く囁き、僕の首筋にそっと唇を這わせる。
その背徳的な刺激に僕が息を呑んだ瞬間、バシャバシャと水音を立てて小さな影が飛び込んできた。
「ずるいニャ!」
「アタシのご主人様ニャ!」
褐色の肌に水滴を弾かせながら、ショコラが僕の胸の中に飛び込んでくる。
彼女の猫耳がピクピクと動き、お湯の中で揺れる尻尾が僕の足に絡みついてきた。
「ご主人様、国を救ってくれて本当にありがとうニャ。」
「アタシ、ご主人様のためなら何でもするニャ。」
ショコラはそう言うと、タオルの下から見え隠れする発達した胸を僕の胸板にすりすりと擦り付けてくる。
無邪気な甘え方とは裏腹に、彼女のオッドアイの瞳にははっきりとした雌の情欲が宿っていた。
「あ、こら、ショコラ……。」
僕が慌てて二人を引き剥がそうとすると、さらに浴室の扉が開いた。
「……私も混ぜて。」
「海斗くん、私もお背中流すわよ。」
「わらわも行くのじゃ!」
「ちょっと、私だって一緒に入るんだからね!」
由美さん、結衣、セラフィナ、そしてリリスまでもが、次々と湯船に乱入してきたのだ。
広い温泉はあっという間に美女たちで埋め尽くされ、僕は彼女たちの柔らかな肌に四方八方から包み込まれてしまう。
僕はこれ以上の極楽空間を作るため、【EP】で【万物配送】を再び発動した。
現代の最高級バスグッズや、防水機能付きの最新式ヘッドマッサージ機を取り寄せる。
「きゃあ、この泡すごくいい匂いがするわ!」
「……この機械、頭がブルブルしてすごく気持ちいい……溶けちゃう……。」
由美さんがマッサージ機の振動に身を委ねてだらしなく表情を崩し、他のヒロインたちも現代の極上バスタイムを満喫している。
「海斗くん、こっちも洗ってくださいな。」
「ご主人様、アタシのここも撫でてほしいニャ。」
沙織とショコラが僕の腕に絡みつき、さらに過激なサービスを求めてくる。
王宮の巨大温泉は、完全に僕とヒロインたちの甘く淫らなプライベートリゾートと化していた。
国を救い、莫大な富と権力を手に入れ、最高の美女たちから愛される。
僕の異世界物流ライフは、まさに絶頂の時を迎えていたのだ。
だが、この平和な時間の裏で、魔王城ではある異変が静かに進行していることを、僕たちはまだ知らなかった。




