表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナンパから助けた地味なメガネ女子の正体は、同じクラスのイケメン女子でした  作者: 結城ユウキ
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
29/54

第29話 幕間──ある日の休日①


 鏡を見ながら、櫛を使って最低限に髪を整える。

 黒一色の地味な服に、いつものメガネをかけたら────普段の私の完成。

 出掛ける準備が十分ほどで終わるなんて、女子高生として良いのかとたまに思う。

 でも、これが私の性格なんだからしょうがない。

 キラキラした姿は、やっぱり落ち着かないから。



 私は別にアウトドア派じゃないし、わざわざ休日に外出しようとは思わないんだけど……。

 それでも外に出たのには、ある人に誘われたからって理由があった。


 メガネをかけた暗い姿を受け入れてくれる、数少ない人────



「藍さ~ん! ここです~!」



 待ち合わせ場所の時計台の下で、無邪気に手を振っている小さな女の子。

 名前を呼ばれたから、人が多くてもすぐに見つけられた。


「ごめんね、あかねちゃん。待たせちゃったかな?」


「いえ、さっき来たとこですから大丈夫です!」


 待ち合わせのお決まりみたいな言葉を交わす私たち。

 今日は、あかねちゃんに誘われてショッピングに来たのだ。


 休みの日に、こっちの地味な姿で誰かと出かけるのなんて何年ぶりだろう……。


「今日は洋服を買いに行くんだよね?」


「はい、藍さんに選んでほしいなって。あと、藍さんのお洋服も見に行きましょ!」


「私、ファッションとか詳しくないよ?」


「全然大丈夫です! 藍さんの感想が大事なので!」


 誰かの服を選んだことなんて一度も無いから、不安しかない。


 あかねちゃんからは、ちょうど一週間前にメッセージをもらった。

 前田くんには内緒って言われたから黙ってたけど……私だけで良かったのかな……。


「この間も思ったけど、あかねちゃんってオシャレだよね」


「えへへっ、可愛いお洋服を着るだけでテンションあがるので」


 高い位置で結われたツインテールに、とても可愛らしいロリータファッション。

 この間もこんな感じの服を着てたから、好きな雰囲気なんだろうなぁ。


「藍さんも、シンプルな服を着こなせて凄いなって。大人の女性って感じで憧れます!」


「あはは……これは地味なだけだよ」


「それは悪く言い換えすぎです」


 正直、こんな地味な服装で隣を歩いていいのかなとは思ってしまう。

 学校での私の姿なら、まだ見れる絵だったかな……。


「でも、スカートとか着たくなりません? ミニスカートとか、フリルのついたものも似合いそうなのに」


「スカートは制服だけでいいかなぁ。あと、オシャレしてると知らない人に声かけられそうで嫌だし」


 具体的には────ナンパ。


 そういうのがあったから色々と繋がって、あかねちゃんとの出会いや、今の時間もあるのかもしれないけど……。

 だとしても、あまり気分の良いものじゃない。


「確かに。あたしもさっき待ってる間にナンパされました」


「えぇ!? 大丈夫だった?」


「はい! 声低くして口悪く返したらどっかいっちゃいました」


「それは……なんとも……」


「大体、中学生にナンパしてる時点でドン引きなので」


 確かにその通りではあるんだけど……。

 あかねちゃんって、この見た目でメンタル強いからなぁ。少し分けてもらいたいくらい。


「まぁ、私のこの地味な服はそういうのを避けるためでもあるから」


「そう言われると強くオススメしづらいんですけど……。でも、藍さんだって私が着てるようなお洋服も似合うと思うんですよ」


「さすがにそれは……私には無理だって」


 改めてあかねちゃんの服装を見ながら、頭の中で自分が着ているところを想像してみたけど────全くもって似合うイメージが湧かない。


「今日はせっかくのショッピングなんですから! 試着だけでもガンガンしていきましょ!」


「あはは……お手柔らかに……」


 間違いなく、あかねちゃんペースで進んでいく。

 そう確信した私は、苦笑を浮かべながらも素直に付き合うことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ