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ナンパから助けた地味なメガネ女子の正体は、同じクラスのイケメン女子でした  作者: 結城ユウキ


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第24話 久々の三人


「来週は期末テストだからな~。さっさと帰って勉強しろよ~」


 ある日のホームルームの終わり際。俺のクラスの担任が、教室全体に向けてそんなことを言った。

 そういえば、もうすぐ一学期の期末テストだったな。


「テストだりぃ。せっかく部活休みだってのに、デートも出来やしねぇ」


「はいはい、惚気はいらねぇよ」


「あはは……。でも、今回も赤点取ったらヤバいんでしょ? もしそうなったら……」


「またカップル破局の危機だな」


「あぁぁぁぁ……。渚ぁぁ、助けてくれぇぇ」


 絶望した顔で二階堂にすがりつく星野。


 星野の親はかなり厳格な人らしく、彼女を作ってることにも反対なんだとか。

 中学生のときから、彼女のことでたびたび親と揉めている話を聞いてきた。


 この前の中間テストで赤点を取ったときなんかは、家出して俺の家にも泊まりに来てたくらいだ。


「透也はその気になるのが遅いんだよ。テストはもうすぐなのに……」


 その通りだと言うように、俺も隣で頷く。

 二階堂は、前回の中間テストで学年三位を取るほど頭がいいから説得力もある。


「分かってはいるんだけどよ。今回は仕方ないだろ」


「仕方なくない! 毎日コツコツやってれば困らないんだから」


「でもさ、彼女と電話してたらいつの間にか時間経ってる~とかあるあるじゃね?」


「はぁ……」


「無いだろ」


 言い訳をした挙げ句、楽観的に彼女の話をされればため息もつきたくなる。


「僕だって勉強しなきゃだし、そんなこと言うなら……」


「俺が悪かった! 頼むから、このとおり!」


 声のトーンが下がった二階堂を見てか、瞬時にその場で土下座をかます星野。


「もう、しょうがないなぁ」


「おぉ。ありがとう……ありがとう……!」



 そんな様子を、俺は他人事として見ていたけど────



「よし、それじゃあ今日は三人で勉強会だな!」


「ちゃっかり俺も入ってんのかよ」


「つれないこと言うなよ。いいだろ?」


「別に教えてもらうほど困ってないんだけど……。まぁ、出された課題はやらないとだしな」


「決定だな。さっそく行くぞ~!」





 こうして帰りに三人並んでくだらない話をするのも、なんだかんだ一ヶ月ぶりだろうか。

 そしてそんなことを考えていたのは、俺だけじゃなかったようで。


「なんか、こうやって三人で寄り道するのも久しぶりじゃない?」


「二人とも部活が忙しそうだからな」


「遊介も何か部活入らないのか?」


「俺は帰宅部で十分」


「それ部活じゃねぇから」


 この空気感に懐かしささえ感じる。最近は氷川と帰ることのほうが多かったしな。


「陸上部どうよ? めっちゃやりがいあるぜ?」


「運動部はパス。わざわざ疲れたくないからな」


「そのやりきった疲れがいいんだって」


「なら、演劇部は? 文化部だし裏方って手もあるよ」


「俺は知ってるぞ。文化部とは名ばかりのハードな練習させられるってことを」


「あはは……」


 二人ともそれぞれの部に勧誘してくるけれど、俺は絶対に部活に入るつもりはない。


「そんな青春みたいなこと求めてないしな。なんとなく過ごして、無事に高校を卒業できればいいさ」


「青春は求めてない、ねぇ。だったら遊介さんよぉ。氷川さんのことについてはどうなんだい?」


「ぶはっ。何なんだよ、急に……」


 突然の氷川の話題に、思わず吹き出してしまった。

 隣からのジッとした視線が突き刺さる。


「俺が気づいてないと思ってたか~? お前、氷川さんと結構仲良いだろ」


「お昼を一緒に食べたときも、二人で待ってる間、楽しそうに話してたよね。いつの間にそんな話すようになったの?」


「別に、お前らが思ってるような関係じゃねぇって」


 そこまで二人に見られてたとは……。


 否定するけど、星野には訝しげな目を向けられている。


 でも、すぐにその表情は和らいで────


「まぁ、氷川さんと仲が良いなんて口が裂けても言えないわな」


「確かに、バレたら大変なことになりそうだもんね」


 二人がすぐに引いてくれたことで、俺もホッとする。

 氷川と仲が良い前提で進めてくるのは気になるけどな……。


「まっ、俺らはいつでも遊介の味方だからな? 困ったときは相談しろよ」


「そうだね、いつでも待ってるから」


「お前らな……勝手に話を進めんなって……」


 相変わらず、勘違いだという俺の主張は信じてくれないらしい。


 それでも、こうして察してくれる友人を持ったことには感謝しなきゃな。

 口に出すとからかわれそうなので、心の中でそう伝えておくことにした。


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