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【魔法少女リリカルなのは】「第9話決戦は海の上でなの?」感想と考察


【感想】

驚きました。以前までの考察は大いに間違っていたようです。そして同時にこの作品をより好きになりました。



【考察 ①戦闘描写や演出面について。】

他の回でも共通してあるのは作画のクオリティの件です。令和のアニメや京アニの作画と比べれば、多くの点で至らないところがあるのは確かです。ですが、それを踏まえて盛り上がるところや魅せたいところでは力を入れているし、作画のクオリティを物語の魅力の主軸に添えず、それ以外で視聴者を満足させる工夫が緻密に行われていて、結果的に令和の作画だけが頼りな作品などよりも圧倒的に興奮するし惹きつけられました。


特に魔法少女として魔法を使うシーンはどれも躍動感のある演出で、制作者側のこだわりを感じます。

個人的に特に好きな演出がありまして、それは"なのは"が空中でレイジングハートの起動とバリアジャケットの着装を行うシーンの一幕です。



このシーンで"なのは"はこう唱えました。



「我、使命を受けし者なり。契約の元、その力を解き放て。風は空に。星は天に。そして不屈の心はこの胸に。この手に魔法を。レイジングハート。セットアウト」



これは私の記憶の中では第一話で"なのは"が初めてレイジングハートを使って魔法少女になる時に唱えた以来だと捉えています。


つまり第9話にてようやく2回目である『術式を詠唱して魔法少女になる』という行動をしたのです。ではなぜ第一話と第9話だったのでしょう。


第一話では正真正銘、"なのは"が魔法少女になるお話。

第9話ではユーノとのお別れが近づいていることを悟るシーンや、フェイトと"なのは"の新しい関係性の始まりなどがあります。


春夏秋冬。出会いと別れの季節である春が毎年やってくるように、第一話から第9話になってようやく、出会いと別れの季節がやってきたのかも知れませんね。


【考察 ②フェイトと"なのは"について】

この第9話でついに二人の関係における大きな動きが見られました。


実は今までは"なのは"からフェイトへのアプローチしかなく、しかも半ば無視されていたのですが、この9話では異質なほどにフェイトの反応が違いました。


「友達になりたいんだ。」


"なのは"の心の中からポロッと溢れた本音。

"なのは"を見上げながらフェイトは口を開けたまま固まります。


ついにフェイトが"なのは"を視認した瞬間ではないでしょうか。

実のところ第9話以前ではフェイトは"なのは"に対してもジュエルシードを集める上での障害くらいにしか彼女を捉えていなかった。


しかし、今回6個のジュエルシードを集めるこの回で、フェイトは力をかなり疲弊して自滅しかけていた。そんな時に"なのは"が颯爽と現れた。。


そもそも"なのは"があの地元の街から大きく離れることなど無いだろうし、時空管理局と繋がっていることもフェイトは知らなかったでしょう。だからこそ、敵が来た、という感想よりもどうしてここに来たんだろう、という疑問の方がフェイトにとっては強かったのかも知れません。


なぜ"なのは"が自分の前にやってきたのかわからない。一緒にジュエルシードを集めてくれるのかがわからない。


アルフは、ジュエルシードが横取りされるかも知れないと思ってユーノの前に立ちはだかりますが、アルフも同様にかなり疲弊していました。ユーノがもし本当に横取りに来たとしても、守りきれていたかどうかは怪しいです。アルフには確固たる信念があります。それはフェイトを守ること。それゆえに自分の身の安全や、勝率などを半ば無視してもはや反射的に体が動いていたのかも知れません。


その証拠かどうかはわかりませんが、ユーノが「僕たちはジュエルシードを取りに来たのではない」という趣旨の発言をした後のアルフの顔には少し安堵が見られました。その後、フェイトの方へ飛んでいくユーノの後を追おうとしないアルフの姿勢からもその考えはより強固になります。




【考察 ③"なのは"と時空管理局の面々との違いについて2】


ちなみに、"なのは"はフェイトに対して、フェイトはジュエルシードを狙っている魔法使いであったり、テスタロッサという怪しげな家の一味であったり、何か恐ろしいことを企んでいるかも知れないなどのフェイトへの疑いや恐れや嫌悪を一つたりとも持っていませんでした。


時空管理局と"なのは"の価値観の違いが最もわかる部分がここでしょう。


"なのは"はフェイトを同じ少女としてみていました。


魔法少女は異質で恐ろしくて危険な存在である、という考えが違うのは"なのは"自身が魔法少女であったからよくわかっていたのでしょう。

そして少し前までは一人であったということからもフェイトへ"なのは"は感情移入をしたのでしょう。


「ふたりできっちり、はんぶんこ!」

魔法少女リリカルなのは公式ホームページより

"なのは"によるフェイトと一緒に6個のジュエルシードを一気に封印する魔法を放つシーンでのこの言葉は、それ以上の概念も孕んでいるように思います。


孤独の痛みや寂しさ、友達の楽しさ素晴らしさ。それらもさえ二人で半分こしようというメッセージなのでは無いでしょうか。


しかしフェイトはこの"なのは"の言葉に対して、何かをコメントをすることはありませんでした。ここまでしてもフェイトから"なのは"へのアクションはありませんでした。


けれどフェイトはこの第9話で"なのは"という少女が自分に対して何か情を持っていることを知ったでしょうし、言葉にはならなかったけれど心の中で考えるきっかけになったでしょう。少なくともフェイトの中で、不思議な存在である"なのは"という少女が自分を求めていることを知ったはずです。


【考察 ③"なのは"とユーノ】

今回はユーノが大いに活躍したでしょう。

二人で楽しそうに、けれどどこか寂しそうにご飯を食べるシーンは"なのは"とユーノの関係が大いに描かれていたように思います。


ユーノには両親がいないが、部族の皆に育ててもらったこと。

なのはは、かつて父が大怪我をしてしまって入院暮らしとなったことから家族が忙しくなり、広い家の中で孤独な幼少期を過ごしていたことを話す。

「だから、ひとりぼっちは、結構平気」

そう笑い、ジュエルシードの問題が片づいたら、お互い色々話うしようと笑いあいつつも、ジュエルシード問題が片づいた時、それが二人の別れの時であるという予感に、かすかな寂しさを感じる二人。

魔法少女リリカルなのは公式ホームページより

ユーノの過去や家族について尋ねる"なのは"。自分の過去は一人が多かったという旨を話す"なのは"の話を聞いているユーノ。


ユーノは"なのは"のためにできることをしたい、と考えていました。第8話ですでに考察でこのようなことを私は書いていたのですが、第9話ではそれが明言されました。


「僕はなのはが困ってるなら力になりたい。なのはが僕にそうしてくれたみたいに」

魔法少女リリカルなの公式ホームページより

実際、ユーノに関しては役目はもう完遂しているのです。危険なジュエルシードを回収しにきたわけですが、それは時空管理局が遂行してくれます。これ以上この世界にいる必要は実はないのです。


でもだからこそ最後に"なのは"のために何かを返したい。その思いが第8話以降の彼の原動力の全てのように思います。




"なのは"の話について少し戻らせていただきます。

"なのは"は第一話から第9話までずっと一貫しているとある特徴があります。それは「一人はそこまで好きではないが、そこまで嫌いではない。」ということです。


学友であるすずかやアリスと少し距離が開いて一人で帰ることになった時も、「久しぶりだな」くらいで止まっています。

兄からは「たまに悩むが一人で解決できる子だ。」というように捉えられています。

そしてそれがなぜなのか、という具体的な理由が今回明かされたわけですが、さほど驚きはありませんでした。「ようやく、か。」という感情で見れたのも今まで一貫して"なのは"における描写を徹底していたからだと思います。




【総評】

いつもはもう少し演出や、考察しい考察を書いていたりもするのですが、今回はそういう気分ではありませんでした。どちらかというとまとめておきたい、というような想いが強かったように思います。


もう終盤です。最後まで見届けたいという思いと同じくらい、フェイトの先を案じる私の個人的感情が文章中で渦巻いているのもこの考察集に滲むある種の人間味なのかも知れませんね。



第10話が本当に楽しみです。

フェイトは心を開いてくれるのでしょうか。

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