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The Tír na nÓg 〜ティル・ナ・ノーグ〜  作者: 佐藤つかさ
第二章 承
92/222

7-21

「ちょっとレーツェル。それどういうこと?」

 

「いやー、黒いドロドロが出てきた辺りでおかしいなーって思ってたんだよね。……あのごめんリリーシャ。アイアンクローはやめて。痛い痛い痛い。頭パーンってなっちゃう。ボクの頭パーンってなっちゃう」

 

 レーツェルの小さい頭を鷲掴みにして、指に込める力を強めていく。頭蓋ずがいきしむ音が聞こえてきそうだ。

 

「スイカみたいにカチ割られたくなかったら、説明して。でないと――」

 

「わかったわかったってば! ボーリョク反対!」

 

 よく言うよ。そう思いながらリリーシャは、指先が赤くなってきたその手を離す。 

 痛む頭をさすりながら、レーツェルはぽつりぽつりと話し始めた。

 

 

ボクの呪い、ライ麦畑の首無し死体カルタグラは精神干渉型なんだ。自殺願望を増大させて精神を徹底的に壊しちゃう。喉を掻っ切る自殺ショーが見られるって楽しみにしてたのに……」

 

「じゃあ目の前で起こってる悪夢はいったい何なのよ」

 

ボクの呪いは絶対だ。弾かれることなんて絶対に万に一つもあり得ない。だけどその一つが存在するのなら、きっと――」

 

「何よ?」

 

 レーツェルはニタリと笑む。

 そして自分の仮説をつまびらかに説明してみせた。

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 いつ? 誰に?

 

 

 闇が暗い翼を(ひるがえ)す。

 その翼は、黒い鷲のような形をしていた。

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