表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Tír na nÓg 〜ティル・ナ・ノーグ〜  作者: 佐藤つかさ
第二章 承
90/222

7-19

 ティル・ナ・ノーグが湾岸区域に建造された大都市である以上、水難は避けられない障害である。

 排水目的の水路が人知れず、貴族エリアの地下で掘り進められていた。

 着工されたのは五年前だが、税収不足と技術的な困難により施工は遅れに遅れて、いまだ予定区間のの三分の一も進んでいない。

 建設推進派であった貴族と業者の癒着が発覚したのもまずかった。用水路や道路などのライフラインの拡張工事が優先されたので、余計には井須利は見向きもされなくなっていた。

 

 それでも排水路には最新鋭の技術が注がれていたし、強度の高いコンクリートで作られた何本もの柱がで深い闇を支えていた。まるで古の神殿を守るように。

 

 

 その柱がいともたやすく砕け散り、リリーシャは驚かずにはいられなかった。

 

「噓でしょ……」

 

 ハンマーの一振りでも容易に砕けないはずの柱が、まるで紙細工のように爆ぜ飛んでいく。

 信じられない。ちょっとやそっとの爆薬で打ち砕けるものではないはずだ。

 何より問題なのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 翼を生やした闇が、揺蕩う海藻のように揺れている。とても楽しそうに。リリーシャにはそれがこちらをわらっているように見えた。

 大気が震え、まるで風がくしゃみをしたような突風がリリーシャの銀髪を振り乱してくる。

 衝撃音がして、リリーシャは柱の方を向いた。リリアーヌが衝撃をまともに喰らって、柱に叩きつけられたと気づいたのは少し後だった。

 

 

 深い溝に埋もれた少女が、コンクリートの隙間から這い出てくる。口端からにじんだ血を袖で拭いながら、彼女は言った。

 

 

「厄介ですわね。フォノンメーザー砲だなんて」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ