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現れたのは男だった。
暗くてよくわからないが体のシルエットは細い。体の動きに若さがあるから、年齢は二十代前後だろう。
アンドリューは長い肩掛けを引きずって、男の元へと歩いていく。
「助けなくちゃ」
アイリスは短剣を逆手持ちにして身を乗り出す。
今度はリリーシャが引き留める番だった。
「何するのよ」
「いいから待って」
どうして止めるの?
そんなことをしている間に男がアンドリューに近づいていくじゃないか。
「ちょっと、話して!」
「だめだってば!」
そうこうしている間に、アンドリューと男の目と鼻の先まで近づいていた。
アンドリューは男に向かって手を広げ――
「遅かったじゃないか!」
その言葉で、アイリスの全身から力が抜ける。
……え?




